ダサいことをやった人が勝ち
──リード曲はタイトルにもなっている「西へ行こうよ」ですね。再始動をしたCharlesの決意が込められている印象もあります。
山本 これは既成概念を破っていこうみたいな意味を込めて作った曲です。昔のアメリカは西海岸が自由の象徴だったりしたので、そういうイメージをしつつ。
池田 うん。気持ちが暗くならないように太陽を追って西に向かおう、とかね。単純に“西に向かう”という言葉が一番語呂がよかったというのもあるんですけど(笑)。
深澤 この曲ではアレンジを詰めていく段階で、“ダサいことをやった人が勝ち”みたいな方向性になったんですよ(笑)。誰が一番ダサくできるかを競うっていう。
渡邉 変にカッコつけるのではなく、ダサカッコいいのを目指したんだよね。
深澤 そもそも光が書いてくるメロディって……一歩間違えたらちょいダサなんですよ。
池田 悪かったな(笑)。
深澤 でもめっちゃ耳に残るし、心に超響くから、この曲ではそこをサウンド面でもうまく昇華したかったんですよね。結果、あえてサウンドはダサくして、少し古い感じのディスコ感を出してみたっていう。
渡邉 ベースなんか“ズンダカズンダン、ズンダカズンダン”だからね。これは真剣にふざけたなー(笑)。
山本 まあでも、ちょい古でちょいダサにしつつも、今の時代でウケるものっていうのはちゃんと考えましたけどね。
深澤 そうそう。一番鋭いダサセンサーを持っているのが武尊なんですよ。「ちょっと待って、今のはダサすぎるんじゃない?」みたいな。
山本 確かにストッパー役ではありますね。あまりいき過ぎたらストップをかけます(笑)。
──ほかにも印象深い曲ってあります?
深澤 私は「シャンデリア」かな。今はホントに大好きな曲なんですけど、最初に光のデモを聴いたときは「??」ってなったんですよ。
山本 「シャンデリアって人乗れるっけ?」みたいな(笑)。
深澤 「シャンデリアって空飛ぶっけ?」みたいな(笑)。
──サビの歌詞に「シャンデリアに乗ってやって来た」というフレーズがありますからね。
池田 最初、すごい否定されました。「正気か!?」みたいな(笑)。
山本 でも一旦落ち着いて、改めて聴いてみたところ、「……いや、もしかするとこれがいいのかもしれない」とみんな思い始めたという。
渡邉 そもそも演奏的にもめちゃめちゃ楽しい曲だからね。みんないつの間にか大好きになっていきました。曲のタイトルに負けない、華やかな曲になったと思います。
深澤 ちなみに「シャンデリア」のアレンジは、“バカになった人が勝ち”みたいな方向性のイメージでした(笑)。結果、各パートが主メロみたいなことやってるっていう。
山本 途中でレゲエっぽいパートを入れたのも面白かったよね。僕は昔レゲエバンドをやっていたことがあるので、レコーディングも楽しかったです。
池田 あそこのパートの武尊は生き生きしてた(笑)。
この4人で音楽をやり続けていきたい
──武尊さんが特に気に入っている曲というと?
山本 「平成ラストサマー」は、ラジオから流れているようなイントロになっているんですよ。そういった部分も含め、ちょっとレトロな雰囲気があって面白い仕上がりになったなって思いますね。
渡邉 1つ前の時代を歌った曲だしね。
深澤 そうだね。もう令和だもんね。
──みんなでシンガロングしたくなるパートも盛り込まれてますよね。
池田 そうですね。この曲と「シャンデリア」に関しては、もうすでにライブでみんなが待ち望んでくれている感じがありますね。
渡邉 人を巻き込みやすい曲だからね。ライブではぜひみんな一緒に歌ってほしいです。
──「西へ行こうよ e.p.」が世に出ることで、いよいよ本格的に新生Charlesが動き出す感じですよね。ここからどんな景色を見せてくれるのかが本当に楽しみです。
渡邉 名刺代わりの作品ができたことで、スタートラインに立てた感じがしますよね。
池田 そうだね。デモCDではない初めての盤を持ってここから新たな旅に出るぞっていう気持ち。このCDのリリースパーティを下北沢の近松でやるんですけど、そこからどんどんお客さんを増やして、どんどん大きなステージを目指して突き進んでいきたいですね。
山本 まだ発表していない曲もありますし、それ以外にもどんどん新しいCharlesを感じてもらえる曲を作っていきたいです。その第一歩がこのCDと近松でのライブになるんだと思います。
──今のまま、仲のいい4人で突っ走ってください。それがCharlesの楽しい音楽を作っている重要な根幹だと思うので。
渡邉 そこは全然大丈夫だと思いますよ。けっこう真面目に話し合ったりもするし。
深澤 そうそう。超シリアスな会議をカラオケボックスで4時間くらいしたことあるし(笑)。
池田 誰も1曲も歌わずにね。
山本 楽しいだけじゃないよっていうことですね。
渡邉 うん。そうやってメンバー同士でしっかり向き合うのも、このバンドをしっかり続けていきたいから、この4人で音楽をやり続けていきたいからだと思うんです。このままのいい関係性で、サステナブルなバンドであり続けようと思います!
ライブ情報
- Charles「Go West」
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- 2020年1月11日(土) 東京都 近松 <出演者> Charles / WALTZMORE / ヨイズ