CARRY LOOSE|届けたい歌がある。人に寄り添えるグループ目指して邁進中

“明日になるギリギリの時間”に何を思う

──カップリングの「23:59」はウルウ・ルさん作詞、井口イチロウさん作曲で、1stアルバムの収録曲「WEATHERCOCK」と同じ組み合わせですね。

ウルウ・ル はい。「悲しいことがあってさ」という歌詞で始まるんですけど、この歌詞は自分のことじゃないんです。以前、助けてもらったことのある人に悲しいことがありまして、その人が悲しい気持ちになっているときだったり、私に優しくしてくれたときのことだったりを想像しながら書きました。

──「23:59」はタイトルもウルウ・ルさんが付けたものだそうですね。

ウルウ・ル このタイトルには「明日への絶望を解きたい」という意味を込めました。「明日」という歌詞が入ってるんですけど、明日になるギリギリの時間って一般的には寝る前のタイミングで、1日を振り返ったり、次の日のことを考えたり、いろんな思いが巡るような時間だなと思って。あとはもう1つ理由がありまして、「23:59」という時間表記を曲名にしたら、「なんだろう?」と気に留めてくれて、再生ボタンを押してくれる人がいるかもと思ったんです。まずはいろんな人に聴いてほしいので。

パン ウルちゃんは奥が深い歌詞を書くなあと思います。こんなに曲にぴったりな歌詞を書けるなんてすごい。サビの歌詞が特に好きで、「明日への絶望と期待で 目から水が溢れたんだよ」は読むだけでも情景が浮かびます。夜に考えごとをすることが多いから、そういうシチュエーションが自分に当てはまるし、私だけじゃなくていろんな人の共感を得られそうだし、背中を押してくれる曲だなって。

ユメカ・ナウカナ?

ユメカ ウルちゃんの天才さを知ってほしいですね。もともとの仮歌状態からとてもカッコいい曲だなと思っていたんですけど、この歌詞があってこの曲が完成したんだと思うくらい素敵な内容で。ドラマが生まれたというか、しかも題名もこれすごいなって思います! 「23:59」とタイトルを聞いたときに私は「明日になるのって実は偉大なことなんだな」って感じました。さらに私はこの曲ができて明日が来るのが楽しみになりました。この曲を聴いてそう思う人が増えたらいいなって思いました。背中を押してもらえるし、気持ちが変わりました! 明日って、すごいんだなって。

YUiNA 私は落ち込んだ日があってもがんばって生きてみようみたいな、勇気をもらえる歌詞を付けてくれたなって思っていて。私が歌うパートの中でも特別に大切にしているところがあって。「言葉でなくてもやってみせる」というところなんですけど、私は言葉にして人に思いを伝えるのがちょっと苦手なので、感情が特に込められました。めちゃくちゃカッコいい曲でうれしいし、歌詞のままに歌いたいなって思ってます。私がBiSに加入したとき、最初にレコーディングをしてくださったのが井口さんだったんですよ。T.S.I(SCRAMBLES所属クリエイターの豊住サトシ、佐藤カズキ、井口イチロウからなる音楽制作チーム)の方々はやっぱり松隈さんに近い部分があって、いつもアドバイスを参考にしています。

ユメカ T.S.Iの皆さんはとても優しくて、褒めてくださるんです。リラックスできるからか、レコーディング中にどんどんいい声が出せるようになったと思います。

CARRY LOOSE

CARRY LOOSEが見つけた「大切にしたいこと」

──デビューから4カ月が経ちましたが、この期間で印象に残っていることはありますか?

ユメカ 私は前のアイドルグループが終わってからCARRY LOOSEに入るまでしばらく何もしてなかったんですけど、合格してから突然アルバム曲が13曲もボーンって来て、突然作詞にチャレンジしたり、振り付けを考えたり目まぐるしく過ぎていく日々でした。で、デビューしたらライブだけじゃなくて駅伝(「BiS vs CARRY LOOSE対抗駅伝」)があったり、いろんな活動の機会があって。うれしいことに忙しい日々を送れているので、あっという間の4カ月でした。

ウルウ・ル 駅伝の練習をしているときは、どのくらいの距離をどのタイムで走ったのかをメンバー同士LINEで毎日報告し合っていました。みんなのタイムを見て「速いな。私ももっとがんばらなきゃ」と焦ることもありましたけど、私だけじゃなくて4人共緊張してるのがわかったから、協力し合ってがんばれました。本番でチームの団結力が深まったのはもちろんなんですけど、準備期間から不安な気持ちを含めて思ったことも共有していたので、特に深い関係性を築けた期間でした。最近では4人で話し合う時間が多いし、ずっと濃密な時間を過ごしています。

パン 新しいグループだったので、初めはテーマも決まってなければ、正解もわからない。自分たちから「こういうグループをやります」と結成したわけではなかったのもあって、「こういうグループです」とわかりやすく説明できるものがなくて。例えばBiSHなら“楽器を持たないパンクバンド”とか、2期BiSなら“ANARCHY iN THE IDOL”みたいなキャッチフレーズがあるわけでもなかったですし。コンセプトが固まってない分、デビューアルバムは曲の振り幅がたくさんあってよかったです。模索しながらいろいろ挑戦できるので。1stツアーは「これからCARRY LOOSEが表現したいことを探そう」という気持ちで各地を回って、お客さんの反応を見たり、自分たちでパフォーマンスを重ねていって。それでだんだんやりたいことや、CARRY LOOSEがどういうグループなのかを理解し始めてきているタイミングで今回のシングルが完成しました。

パン・ルナリーフィ

──まずは動き出して、そこから少しずつグループの方向性が見えてきたんですね。

パン はい。お客さんの中には「歌詞がいいから」という理由で聴いてくれている方も多くいまして。メンバー、スタッフさんとの話し合いを含む活動の中で「私たちは気持ちを込めてCARRY LOOSEの歌詞を多くの人に届けたい」という1つの答えを見つけました。CARRY LOOSEは歌詞をしっかりお客さんに届けたいんです。ウルちゃんの作詞した曲もそうだし、私たち自身がCARRY LOOSEの歌詞からすごく勇気をもらえるので。シングルの2曲はまさにそれを実行できるような内容になっているので、2020年の新しいスタートにぴったりだなって。

YUiNA まだ正解が見えていないことも多いので、みんなで振り付けの表現を工夫したりしながら探していっているという段階は変わりません。パンちゃんが言ってくれたようにライブを重ねるうちにCARRY LOOSEの曲に勇気をもらったり、人生を見つめ直す機会になったりしたらうれしいし、「少しでも人に寄り添えるグループになっていきたい」という自分たちで見つけた目標を持てています。

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試行錯誤の繰り返し