CARRY LOOSE|届けたい歌がある。人に寄り添えるグループ目指して邁進中

CARRY LOOSEが2月11日に1stシングル「にんげん」をリリースする。音楽ナタリーではシングルのリリースを記念してメンバー4人にインタビューし、新作の魅力やライブの注目ポイントを聞いた。また、ユルさを打ち出したグループ名とは裏腹にストイックな姿勢を貫く彼女たちが抱える課題意識、さらに2ndツアー「ふたたびルーズに場所はずしてみましたツアー」への意気込みについても語ってもらった。

取材・文 / 田中和宏 撮影 / 塚原孝顕

にんげんっていいな

──1stシングル「にんげん」はいかがですか?

パン・ルナリーフィ 初めて聴いたときは疾走感のある青空が似合う壮大な曲だと感じました。自分たちでも歌詞を書いたうえで、今回は渡辺(淳之介)さんの書いた歌詞になったんですけども、とてもエモくて自分たちに突き刺さるような内容です。スタッフさんとも話していて「にんげんっていいな」っていうイメージなんだろうなって捉えています。まだタイトルが決まってない段階では、曲自体の力強いイメージが強かったんですけど、完成した今はみんなで手をつなぐようなイメージの、温かい曲だなと思います。

ユメカ・ナウカナ? 温かいイメージがあって、配達員(CARRY LOOSEファンの呼称)のみんなに寄り添えるような曲になりました。CARRY LOOSEの1stシングルには持ってこいの曲だと思ったし、自慢の1曲です。

YUiNA EMPiRE デビューアルバムに続いて、シングルは2曲共メッセージ性の強い歌詞だなと思いました。「にんげん」は渡辺さんから背中を押されているような内容で、聴いた人も私たちと同じように背中を押してもらえる応援歌になったと思います。

ウルウ・ル 誰でも共感できるような歌詞だなって。「やることだけはやってみようって みんな簡単に言うけれど やればできるそんなことは 当たり前なのかな」という歌詞に私は共感しました。すぐできるタイプの人っていますよね。例えば私が練習を続けてやっとできるようになることも、そういう人はちょっとやるだけでマスターしちゃって、やりたかったことを取られちゃったりしたことがあったんですけど、この歌詞はそんな歯がゆさを思い出させる部分がありつつも、応援されているような内容で。抽象的ではなくて具体的な歌詞なので、初めて聴いた人も理解しやすいと思います。

振り付けをアップデートし続ける理由

──「にんげん」の振り付けはもう完成しているんですか?

パン はい。振り付けに関しては、CARRY LOOSEには「私、振り付けできます!」って人がいないので、みんなで力を合わせてやってます。

──率先して「やりたい」という人はいないんですか?

パン そういう人がいたらうれしいですね(笑)。

ユメカ ホントだよー! でもそしたら、なんで言い出さないんだよってなっちゃうよね(笑)。え、私ですか? いやー振り付け考えるのは難しいですよー! 踊るのは大好きなんですけどね、なかなかいい案が出てこなくて。グループの中で振り付け担当をしているアイナ(・ジ・エンド / BiSH)さんや(カミヤ)サキ(GANG PARADE)さんは本当にすごいなって思います。みんなでそんな話をすることもありますね。

パン 人から教えられたものだったらある程度はできるんです。でも私たちは自分たちで振り付けの表現を絞り出すという段階なので。

ユメカ みんなでやるから、まとまるまでが大変なんです! 「やっぱりこれはこうしたらいいんじゃない?」とか次から次へと意見が出てきちゃうこともあって。

──例えば「表題曲の振り付けを考えましょう」となったとき、それぞれが考えた振り付けを持ち寄るんですか?

パン そうしてます。「にんげん」に関しては直感的に「イントロは誰のがよかった」みたいな意見が一致しやすかったので比較的スムーズでした。

ウルウ・ル これまでは細かい振りを考えることが多かったんです。自分たちは細かく考えた振りで踊っていて楽しいんですけど、それをお客さんが一緒に踊ってくれるかと言うとそうでもない。そのバランスが難しくて苦戦してます。

ウルウ・ル

──振り付けをするうえで大切にしていることは?

パン 「初見でも一緒にできるようなもの」というのは意識しています。CARRY LOOSEのライブは予備知識なしで観に来てくれる人がけっこういるんです。まだ始まったばかりだから様子見の人も含めて。だから振り付けはちゃんとわかりやすくしたほうがいいんだろうなって思っています。でも私たちは全員が未経験者ではないので、今まで踊っていた振りに比べて「簡単すぎる?」という気持ちにもなるから、カッコよく見せたい気持ちと、求められているもののバランスを模索している段階で。

ユメカ シンプルすぎると踊り足りない気持ちになっちゃうんですよ。だんだんと、もっと踊りたいと思うようになりがち。でもやっぱり見やすさ、覚えやすさが今は大事です!

──取材時点ではツアーファイナルを数日後に控えるタイミングですが(参照:CARRY LOOSE、初ツアー熱狂のままに終幕「誰かの心に響くようにこれからも」)、先ほどの話からすると、ツアー中に振り付けが変わった曲もあるんですか?

YUiNA 初日の京都公演では1stワンマンライブのときと同じ振りだったんですけど、その次のライブからはがらりと変わりました。

ウルウ・ル 理由としては、サビで全員の手が挙がらない曲があったからで、わかりやすい振りに変えました。一体感をもっと高められるようにサビの修正と、そこだけじゃなくてちゃんとAメロBメロも修正して。

──最初に決めた振り付けをよりシンプルな形にアレンジしていったということですね。

YUiNA 初日に渡辺さんが観に来てくださって、1曲1曲に対してコメントしていただいたんです。そのアドバイスを参考にしながらパフォーマンスをどうしていったらいいか、日々調整していました。