試行錯誤の繰り返し

──先日、ユメカさんがWACK座談会にお越しいただいたときに、MCで個性がなかなか出せないとおっしゃってました（参照：WACK座談会2020＆全40名直筆メッセージ）。

ウルウ・ル　このツアーで1人ずつMC案をスタッフさんに提出して、渡辺さんに確認してもらったんです。それで自分にしか言えないことを伝えるということの大切さを学びました。私も前までは定型文のようなことを言ってしまうところがあって、それは「これを言ったら誰か傷付くかな」とか思ってしまったからなんですけど。私にしか言えないことを言わないとMCをする意味がないという大切なことにも気付けてよかったです。

──YUiNAさんは1stワンマンライブのMCが短くシンプルでした。そこから変化は？

YUiNA　ワンマンの直前まで渡辺さんに確認いただいていたんですけど、思うようにまとめられなくなってしまって。難しく考えすぎちゃっていたこともあって、ワンマンに関しては悔いの残るものになってしまいました。ツアーではスタッフさんに何度も相談して考えたけど、自分の気持ちをうまく伝えられたという手応えはまだない、というのが正直なところです。なので最近は自分の思ったことを日頃からメモするようにしてます。Twitterでもうまく発信できたらなって思っているので、まだまだがんばっている途中ですね。

パン　YUiNAが言った通り、ワンマンでは直前までMCを考え直したりしてたし、ほかの不安要素もあって頭の中がごちゃごちゃになっていて。今回のツアーの長崎公演では私がメインでMCをさせていただいたんです。スタッフさんに何度も相談しながら考えたMCがあって、文としてうまく作り上げることはできて。でもステージでは自分で考えた言葉だけど、なんだか借りてきた言葉になってしまうところがあったので、お客さんに思いが伝わり切らないだろうなって。お客さん目線になって考えてみても、やっぱりアーティストからは定型文ではなく本当の気持ちが聞きたいと思うんです。本当だったらその場で思ったことを話せるのが一番だと思っているので、次のツアーではステージに立っているその瞬間の思いを伝えられるようになるようがんばりたいです。

──ほかのアーティストのライブを観て感化されることはありましたか？

パン　アイドルになる前はスターダストさんのアイドルイベントにたくさん行っていたので、アイドルのMCはすごくよく聞いてました。あと12月に「SET YOU FREE～YEAR END SPECIAL」というイベントに出させていただいたとき、バンドの方とも対バンしまして。バンドの方はもちろんあらかじめ考えてることもあると思うんですけど、その場で思ったことを話してるような臨場感がありました。水を飲みながらしゃべって、お客さんに刺さるような言葉がどんどん自然に出てくるみたいな。その人の生き様も出ると思うし、感じたままを話すような姿は素敵だなって。ステージ以外でも日頃からちゃんとしてないと、言葉に重みがでないというか響かないこともあると思うので、生きる姿勢も考え直そうかなって（笑）。

──MCの話をもう少しすると、ユメカさんがBILLIE IDLEとのツーマンライブ（参照：BILLIE IDLEの魂をCARRY LOOSEに継承!? 最初で最後の新宿LOFT競演）で「解散経験者がこんなにたくさん集まるライブはない」「プー・ルイは解散が3回目」とかなり突っ込んだMCをしていました。

パン　実はあの内容、渡辺さんが考えてくださったんですよ。けどユメカちゃんにしか言えない内容だなって（笑）。

ユメカ　いやーもう心臓バックバクでしたよ！ バッシング食らうんじゃないかって！ 瓶でも投げつけられたらどうしよう！って。でもみんな優しくてよかったです。

パン　大丈夫だよ（笑）。

──BILLIE IDLEの出番では、ちゃんとユメカさんのMCをメンバーが回収までしてくれて（笑）。

パン　ほんとすごいですよねー。あのトークスキル。

ウルウ・ル　（ファーストサマー）ウイカさんは本当にバラエティ番組を観てるみたいにスムーズにトークが進んでいて。

ユメカ　本当にもうありがたすぎる。やっぱりプロ中のプロでしたね！ BILLIE IDLEさんは本当にすごかった！ あれこそ生き様が表れてる！

パン　確かに。刺さるもんね。お客さんとの会話を楽しんでいるようなところもあって。

ユメカ　私たちは1人ひとりのキャラが本当に面白いのにまだ出し切れていないので、しっかりそれを出せるMCをしたいですね。次のツアーはもっと途中のMCを自由にやって、笑わせられるくらいにできたらいいな。

主要都市以外を回るツアーを続けた先に

──CARRY LOOSEはグループとして“ゆるくはこんでいく”というコンセプトを掲げていますが、実際のところ皆さんはユルさを感じないほどストイックな姿勢でライブに臨んでいる印象があります。CARRY LOOSEにおける“ユルさ”について、具体的なイメージはあるんですか？

パン　“カッコよくて余裕のある雰囲気”という意味でのユルさですね。だらけたユルさではなく。本気でやってるけどユルく見えるのが一番いいなって思います。

ユメカ　パフォーマンスに関しては、観た人全員に「ヤバい！ カッコいい！」と思わせられるような全力の姿を見せたいんです。でも私たちって「殺してやるぜ」みたいな圧のある顔のメンバーがいないから、真剣にやってもパンちゃんが言ったような意味の“ユルさ”を見せられると思ってます。

──日本テレビ系「バズリズム02」の2020年注目アーティストに挙げられるなどのトピックもありましたが、現時点で順調に活動できていますか？

パン　はい。うーん、でも……。

ウルウ・ル　悩むことはすごく多いです。

ユメカ　考えすぎちゃう人たちなんですよ。ね？ もっと単純に考えたいなって思うときがあります。

ウルウ・ル　この4人は全員が本当の気持ちをズバズバ言い合えてるんですよ。だから意見がたくさん出て、話し合いになることが多くて。それはただ悩んでるというよりは……。

YUiNA　常に今よりよくしたいって考えてるから前向きではあります。

ウルウ・ル　そう。誰か1人が黙ってるみたいなことはないから。

パン　直感的に決められる人がいないのは確かで、みんな考えて考えて「どうしよう？」ってなりがち。イチかバチやってみるみたいな極端な考え方をする人がいないので、ときにそういう発想も持てるようにできたらいいですね。ケースバイケースですけど、それも大事かなって。

──グループとしての課題は？

パン　ツアーファイナルがまだ終わってない段階ですけど、毎回のライブで「CARRY LOOSEとは？」をしっかりアピールできるようになりたいです。

YUiNA　強みは増やしていかないといけないしね。

ウルウ・ル　カッコよくてエモーショナルな部分は結成当初からあった持ち味だと思うんですけど、最近はお客さんに寄り添えるグループでありたいという気持ちが日に日に強くなってきてます。

パン　1回のライブで初見の人にもその気持ちが伝わるようなパフォーマンスができるようにしていきたいです。

ユメカ　それこそ、そういうグループの現状や思いも「にんげん」の歌詞に現れてるんですよ。「探してるものがわからない 見えてるとこにはないからな 何を言ってる」とか「目的ある人が羨ましいなんて言う僕ら ダサいよな」って。そのまんまですよね。やることはやってみて、ぶち当たって失敗しても立ち直れるのが人間のよさだという内容も歌っている通り、この曲は教訓になりますね。

──4月からは2度目のツアー「ふたたびルーズに場所はずしてみましたツアー」が開催されます。今回も主要都市を外した行程ですが、意図はあるんですか？

パン　ツアーは人が多い都市を回るのが一般的ですけど、それだと会場まで遠くてまったくライブに行けないという人もいると思うんです。そういう人たちに私たちから会いに行くことが、もっとCARRY LOOSEを知ってもらう機会だと思っています。

ウルウ・ル　いつか東京でライブを開催するとき、地方の人もたくさん遊びに来てくれたらいいなって。主要都市以外のところからもたくさん人が集まってくれたらうれしいです。

──今のところ東京公演の予定は？

パン　私たちは何も聞いてないです！ まずはルーズに場所を外して今回9カ所を巡って、いずれは主要都市ですね。そのあとに東京でワンマンがまたできたらと思ってます。徐々に徐々にやっていきます！

ユメカ　ライブごとに進化した姿を見せます！

YUiNA　ウルちゃんが合宿（「WACK合同オーディション2020」）を終えたあとのツアーなので、グループがどうなるかもまだわからないですが、楽しみにしてくださるとうれしいです。

ユメカ　ウルちゃんはカッコいいんです！ ウルちゃんなら大丈夫だと信じてます！

ウルウ・ル　ありがとう。がんばります。