音楽ナタリー Power Push - C&K
これがJAMだ!CK初のオールタイムベスト
ジャンルを飛び越えた表現をしたい
──そうして、お2人は今「JAM」という音楽スタイルを掲げて活動をされていますが、このスタイルはいつ頃から作られていったのでしょう?
CLIEVY 2010年のデビュー当時に、僕らレゲエにカテゴライズされたんですよ。なんでしょう、カテゴリー化しないと売り出せないみたいな風潮がありまして。でも僕らとしてはレゲエをやっているつもりじゃなかったし、「これ」っていうカテゴリーには属していないと思っていたんですよね。そこで自分たちの好きな音楽を全部ミックスした「JAM」っていう音楽をやっていこう、と思い至りました。
──音楽の趣味はバラバラなんですか?
KEEN 同じところもあればまったく違うところもあるので、刺激を受けますね。自分にはないアンテナを相手が持っているんですよ。ブラックミュージックはお互いに好きなんだけど、CLIEVYは忌野清志郎さんがすごく好きで、バンドミュージックも詳しい。だから、ロックな面もソウルな面も持ち合わせてる。僕はそういったジャンルは通ってこなくて、フォークとかをよく聴いてて。曲調だとバラード系の音楽が好きでしたね。
──CLIEVYさん、清志郎さんはいつ頃から聴いていたんですか?
CLIEVY 中2くらいの多感な時期ですね。友達のお兄ちゃんがバンド組んで、清志郎さんの歌をカバーしていたんですよ。それを聴いて「いいな」って。
──CLIEVYさんにとって、清志郎さんはどういった存在なのでしょう。
CLIEVY 物事をすごく達観してて、とがっているけれどそのとがっているところを包み込むような優しさや温かみもあって……本当の強さを持っている人、ですかね。僕は清志郎さんと甲本ヒロトさんがとても好きなんですけど、その2人にはそういったところが共通しているなって思います。
──KEENさんのルーツについても教えてください。
KEEN 僕は松山千春さんやさだまさしさん、久保田利伸さんといった方々に影響を受けました。
──音楽を聴くようになったのはいつ頃でしょう。
KEEN 中学時代でしたね。僕はすごい田舎に住んでいたので、音楽の情報がなかなか手に入らなかったのを覚えています。中学のときにだんだんと音楽を聴くようになって、「ものまね王座決定戦」でビジーフォーさんがSimon & Garfunkelを歌っているのをカッコいいと思って、親に「Simon & Garfunkelのアルバムを買って」って頼んだのが、音楽にハマったきっかけかもしれないです。その当時から、コーラスがすごく好きだったんですよね。自分の中で何かしっくり来るような感覚がありました。大学に入ってからはいろんなクラブミュージックを聴くようになって、ブラックミュージックを掘り下げて……といった感じでしたね。
──そうしてお2人のいろんなルーツが合わさったものがC&Kの表現につながっているんですね。今作でC&Kの歩みがまとめられたところで、改めてJAMというスタイルについて思うところはありますか?
KEEN 自分たちの掲げているJAMという音楽スタイルがジャンルとして世の中に完璧に認められてないので、認められるようになるまでがんばりたいなと思いますね。あと、いろんな表現の仕方ができるので、何か1つに縛られない面白さはずっと保ち続けていけるのかなって。
CLIEVY ルーツを表現するっていうことは、みんな自然にやっていることだと思うんですよ。でも僕らはいろいろなジャンルを飛び越えた表現をしたいと思っていて、そこがJAMの特徴なのかな。例えばブラックミュージックの中に清志郎さんやヒロトさんのスピリットを感じさせる表現を盛り込みたい。そういった音を出せるようになっていってる感覚はあるから、今後もっとC&Kの名前が通っていけば、JAMを確立させることができるのかなって思いますね。
イチローくらい打席に立たないと
──今回の作品でこれまでの言葉遊びの流れも完結しました。これからの2人の歩みについても伺いたいのですが、先日、紅白歌合戦出場を目指すという「無謀な挑戦」企画が発表されましたね。
KEEN はい。活動初期から「紅白に出たい」っていう思いは持っていたんですが、その目標をそろそろ叶えないと夢で終わってしまうような気がして。これまで「無謀な挑戦」シリーズではマリンメッセ福岡、両国国技館をワンマンの会場の目標に掲げてきたんですけど、次の「無謀な挑戦」で「もうちょっと広い会場を目指します」と言っても、ファンの方からしたら「できるでしょ?」って、意外性のないものに感じられてしまうと思うんです。たとえそれが、僕らにとっては無謀であっても。その熱量の差みたいなものを感じたとき、「じゃあ、俺らにとっての無謀ってなんだ?」と考えて、また本気で紅白出場を目指してみようということになりました。
CLIEVY ここでベスト盤を出したから、もう一度原点回帰してみようっていう思いもあるかもしれないですね。
──これまでの「無謀な挑戦」企画はクリアしてきましたし、アルバムタイトルの言葉遊びをしっかりと形にしたことにも言えると思うのですが、お2人は周囲の想像よりもしっかりとユニットの進む道を見つめているのかなと。だから、紅白への挑戦も勝算があってのことなのではと思えます。
CLIEVY いや、紅白に関しては勝算ゼロですね。それ以外に関してはあるんですけどね。
KEEN そうだね。ヒットを出すしか方法がないからね。
CLIEVY 夏に「紅白への近道」と称した海の中道海浜公園での野外ライブが決まったので、このライブが本当に紅白への近道になればいいなという思いがあります。2万人規模になるけれど、来場してくれた人みんな撮影OKにして広報部員になってもらうとかね。それくらいのことができたらいいなとは思ってます。
──では、今後の活動はライブに向けての動きになる?
CLIEVY あと、今作っている新曲ですね。
KEEN 今はもう、頭の中は新作のことでいっぱいです。
──そうなんですね。
CLIEVY ひたすら作らないとって感じですね。ヒット曲を出すには、イチローくらい打席に立たないとダメなんだろうな、って思ってます。
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- ベストアルバム「CK IT'S A JAM~BEST HIT UTA~」2016年4月13日発売 / EMI Records
- 「CK IT'S A JAM~BEST HIT UTA~」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 4309円 / UPCH-29217
- 通常盤[CD] 2700円 / UPCH-20415
CD収録曲
- アイアイのうた~僕とキミと僕等の日々~
- みかんハート
- キミノ言葉デ
- 終わりなき輪舞曲
- ジャパンパン~日本全国地元化計画~
- へべれけ宣言
- DANCE☆MAN(WOKKY WOKKY×BOGGIE WOGGIE)
- パーティ☆キング
- 交差点
- ぼくのとなりにいてくれませんか?
- 続→60億分の1
- Sun Son Sound feat.九州男
- ジェニファー何度もあなたに恋をする
- 愛を浴びて、僕がいる
- 梅雨明け宣言
初回限定盤DVD収録内容
BEST HIT LIVE
- 「ぼくのお嫁になってくれませんか?」
2011.4.24@赤坂BLITZ(日本全国CK地元化計画~地元です。地元じゃなくても、地元ですツアー2011~) - 「王様ゲーム」
2013.3.9@Zepp Fukuoka(日本全国CK地元化計画~地元です。地元じゃなくても、地元ですツアー2013~)
2014.11.24@マリンメッセ福岡(CK無謀な挑戦状inマリンメッセ福岡) - 「AND MORE...」
2014.4.30@東海テレビ「xMUSIC」 - 「YOU ARE MY FIRE~お前にこの愛を捧ぐ~」(from「CKTV VOL.3」)
2014.6.28@なんばHatch(CK 無謀な挑戦状Case1 九州編~マリンメッセへの道~) - 「梅雨明け宣言」
2014.7.27@海の中道海浜公園(NUMBER SHOT2014) - 「終わりなき輪舞曲」
2014.11.1@札幌Sound lab mole、2014.11.24@マリンメッセ福岡(CK無謀な挑戦状inマリンメッセ福岡)他 - 「みかんハート」
2014.11.24@マリンメッセ福岡(CK無謀な挑戦状 inマリンメッセ福岡) - 「C&KⅡ」2015.5.22@Yokohama Bay Hall
(CK無謀な挑戦状case2 東日本編~両国国技館への道~) - 「愛を浴びて、僕がいる」
2015.7.4@鹿児島アリーナ(THAT’S RIGHT!!!?見てるあなたは大正解!!?) - 「DANNCE☆MAN (WOKKY WOKKY×BOGGIE WOGGIE)」
2015.11.2@両国国技館(CK無謀な挑戦状case2 in両国国技館) - 「踊LOCCA~around the world 新たなる冒険~」
Various Lives
ツアー情報
日本全国CK地元化計画
~地元です。地元じゃなくても、地元ですツアー2016~
- 2016年5月8日(日)神奈川県 伊勢原市民文化会館
- 2016年5月14日(土)北海道 札幌市教育文化会館 SOLD OUT
- 2016年5月21日(土)長崎県 長崎ブリックホール SOLD OUT
- 2016年5月23日(月)鹿児島県 鹿児島市民文化ホール 第1ホール SOLD OUT
- 2016年5月24日(火)鹿児島県 鹿児島市民文化ホール 第1ホール SOLD OUT
- 2016年5月28日(土)宮城県 仙台市民会館
- 2016年6月5日(日)東京都 中野サンプラザホール SOLD OUT
- 2016年6月11日(土)大阪府 オリックス劇場
- 2016年6月12日(日)広島県 上野学園ホール
SOLD OUT - 2016年6月14日(火)熊本県 熊本市民会館崇城大学市民ホール SOLD OUT
- 2016年6月16日(木)福岡県 福岡サンパレス
SOLD OUT - 2016年6月18日(土)香川県 アルファあなぶきホール 小ホール SOLD OUT
- 2016年6月25日(土)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- 2016年7月2日(土)栃木県 小山市立文化センター 大ホール SOLD OUT
- 2016年7月3日(日)静岡県 静岡市民文化会館 中ホール
- 2016年7月9日(土)石川県 金沢市文化ホール
C&K「地元です。地元じゃなくても、地元です。今度は野外でワンマンです。in 海の中道海浜公園」
2016年8月27日(土)福岡県 海の中道海浜公園
C&K(シーアンドケー)
CLIEVY(クリビー)とKEEN(キーン)からなる男性2人組シンガーソングライターユニット。ディスコ、ファンク、ソウル、レゲエなどのブラックミュージックからフォークや1980年代の歌謡曲まで、幅広いジャンルをミックスした音楽スタイルを持つ。2008年6月にデビューミニアルバム「CK island」を発表。2010年2月より初の全国ツアーを開催し、8月にシングル「梅雨明け宣言」でメジャーデビューを果たす。2013年10月発表の10thシングル「みかんハート」では、表題曲のミュージックビデオに三浦春馬がゲスト出演した。その後もコンスタントに作品のリリースとライブ活動を重ね、2015年9月には13thシングル「キミノ言葉デ」を、10月にはアルバム「CK MUSIC」を発表する。また11月には東京・両国国技館でのワンマン公演2DAYSを成功させた。2016年4月に、初のオールタイムベストアルバム「CK IT'S A JAM」をリリースする。