ばってん少女隊が5月9日に5thシングル「無敵のビーナス」をリリースする。
阪井一生(flumpool)が作曲、高橋久美子が作詞を手がけた表題曲は、スカコアサウンドを得意としてきた今までのばってん少女隊のイメージを一変させるレトロなアイドルソング。昭和時代の歌番組を彷彿とさせるミュージックビデオも注目を集めている。シングルのリリースを記念して、音楽ナタリーではばってん少女隊の6人にインタビューを実施。彼女たちは新境地となる「無敵のビーナス」をどのように捉えたのか、また5月に控えるバンド編成での初ワンマンライブや7月に活動拠点の福岡で行う初のホールでのワンマンライブについてもたっぷりと語ってくれた。サマームード全開の撮り下ろし写真もあわせて楽しんでほしい。
取材・文 / 清本千尋 撮影 / 曽我美芽
子供でも大人でもない今の気持ち
──毎回作家陣にも注目が集まるばってん少女隊の楽曲ですが、5枚目のシングル「無敵のビーナス」の表題曲はflumpoolの阪井一生さんが作曲、高橋久美子さんが作詞したサマーソングに仕上がりました。
西垣有彩 デモをもらって聴いたときに「キター!」って思いました。自分の好きな感じの曲だったんですよね。さわやかな曲で、歌詞には素敵な表現がいっぱいあって……この曲を聴いて「女の子が海を見ながら一直線に走っていく」みたいなイメージが浮かびました。
春乃きいな 今まで歌ってきたロックサウンドの曲とは違ったから、最初は自分たちがこれを歌うことをなかなか想像できなかったです。
──ばってん少女隊はもともとスカコアサウンドを打ち出したグループでしたが、前作「MEGRRY GO ROUND」でオルタナティブなロックサウンドに挑戦し、そして今回は昭和のアイドルポップスを歌うことになりました。レトロなキーワードが散りばめられた歌詞も新鮮でした。
上田理子 最初に聴いたときは「この曲が私たちのシングルの表題曲になるんだ」って驚きました。歌詞は聞いたことがない言葉がたくさんあって……なんだか時代を感じましたね。ポラロイドとか、チューブとか、サンセットとか、全部どういう意味なのか調べたんです。どれもすごくきれいな表現だなと思いました。
春乃 知らない言葉も多かったけど、等身大だなと思うところもあったよね。最初の「シュワッとサイダー弾けちゃったんだ」っていうところを読んで、私はサイダーって子供の頃はよく飲んでいたけど今はあんまり飲まなくなったなと思ったんです。なんかそれって、子供時代が終わっちゃった感じがしたんですよね。今の私たちは子供ではないけど、大人にもなってないなって。
上田 私もサイダーという言葉から、昔は見ているだけでうれしかったラムネのビー玉を見てもそんなに喜ばなくなっちゃったなって思ったんだよね。それってもう子供じゃないのかなって。
春乃 わかる。
西垣 え、そうかな?
瀬田さくら ビー玉、うれしいよね?
上田 2人はまだうれしいみたい(笑)。
初夏を感じさせる優しさの詰まった歌詞
──星野さんはどうでしたか?
星野蒼良 さわやかな感じがして、夏に向けてたくさん聴きたい、歌いたい曲だなと思いました。みんなが言っていたように、今まであんまり歌ってこなかったような歌詞と曲なので、これを自分たちが歌うとどうなるのかなって思いました。
希山愛 私はデモを聴いてすぐに大好きな1曲になりました。なんだか自然と体が動いちゃうような……「おっしょい!」とか「ますとばい!」も体が動き出しちゃう感じではあったんですけど、この曲はそれとは違って……。
春乃 「おっしょい!」とか「ますとばい!」は縦揺れする感じだったけど、「無敵のビーナス」は横に揺れる感じだよね。
希山 そうそう! 横にゆらゆらする感じ。歌詞は私も知らない単語が多かったから、すごく不思議な感じがしました。
──この曲の主人公の女の子はどんな子だと思いましたか?
希山 なんか……切ない人? ばっしょーちゃんの中にはおらん感じの子かなあ。
瀬田 私は愛っぽいと思ったよ。
西垣 うーん、きいなと愛の融合っぽい。
上田 ちょっとわかるかも。あとこの子は意外と明るい子で、だからこそ悩んでいるみたいな感じがしたなあ。
瀬田 見た目は麦わら帽子をかぶって白いワンピースを着てそうだよね。いつもお気に入りの浜辺に座っていて、海で泳いでいる男の子をいつも見ているみたいな。
上田 あー、その感じ、わかる。
瀬田 私はこの曲を聴いたときにまだ暑すぎなくて、さわやかな風が吹く初夏の海辺を想像したの。今回歌い出しを担当させてもらったんですけど、私が歌う「パラソルのマーメイド シュワッとサイダー弾けちゃったんだ」っていう歌詞がかわいらしくて大好きです。歌詞の表現1つひとつが夏っぽくてかわいくて、高橋久美子さんの優しさが出ているんじゃないかなと思いました。
一筋縄ではいかない心情の変化を歌う難しさ
──今までとはテイストの違う歌詞、そして楽曲だったので、いつもよりも歌うのが難しかったのではと思いました。
上田 明るく歌ったらいいのか切なく歌ったらいいのか、最初は全然わからなかったです。最初に聴いた時点で、この曲は一筋縄ではいかないなと思いました。例えば「おっしょい!」(ばってん少女隊のメジャーデビューシングルの表題曲。3分のファストチューン。)だったら全部元気に歌うんですけど、この曲は場面場面で歌い方を変えていかなきゃなと。
瀬田 私は目の前にいる大切な人に向けて歌うように意識しました。優しい歌詞なので、ちゃんとその優しさを伝えられるように歌えられたらいいなって。
春乃 私は語尾を投げちゃう癖があったので、ボイトレの先生に「語尾に♡を付けて、丁寧に最後まで歌いきる感じで」ってアドバイスを受けたんです。がんばって?を付けて歌いました。
上田 私は先生から「優しい波が来ている感じで歌って」と言われて。それをイメージして身振り手振りをしながら歌いました。
西垣 この曲は主人公の心情がどんどん変わっていく感じがするから、それに合わせても歌い方をちょっとずつ変えて。私は「嬉しいはずなのに 涙がこぼれちゃうよ」という女の子の心情を歌う部分があるんですけど、ここでは「青春が終わるなんてやだよ」って気持ちを込めて歌いました。自分の気持ちにも重ねています。
上田 きいなが歌う「私ひとり泳ぐ 夏の向こう」というところから、歌詞の内容が一気に前向きになるところとか、すごい心情の変化を感じるよね。
春乃 ずっと「二人」のことを歌っていたのに、ここからは「ひとり」になるんですよ。そのあとの間奏が明けたら前向きな歌詞に変わっていくところは、女の子の心が強くなった感じます。
上田 自分に言い聞かせてるんだよね。きっと。
──作詞作曲のお二人からのアドバイスはありましたか?
上田 いや、特になかったです。でも高橋久美子さんはレコーディングに来てくださって。
希山 「こんな感じで歌うんだね」とか「みんなかわいい」とか言いながら、ずっと笑顔でレコーディングを見守ってくれました。
上田 阪井さんはこの前ライブを観に来てくれて、「自分の作った曲を歌ってくれてうれしい」って言っていました。
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昭和のことはわからないけどなんだか昭和っぽい
- ばってん少女隊「無敵のビーナス」
- 2018年5月9日発売 / Colourful Records
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見んしゃい盤 [CD+Blu-ray]
3000円 / VIZL-1375 -
- CD収録曲
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- 無敵のビーナス
- bye bye bye
- 無敵のビーナス(Instrumental)
- bye bye bye(Instrumental)
- Blu-ray収録内容
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- MV1「無敵のビーナス」
- 振り付けビデオ「無敵のビーナス」「bye bye bye」
- 2017.11.11「ばってん少女隊の、田舎娘2nd~カユい所まで手を届け鯛ツアー」@TSUTAYA O-EAST
-
聴きんしゃい盤 [CD]
1300円 / VICL-37380 -
- 収録曲
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- 無敵のビーナス
- ススメ!MIGHTY GIRL
- bye bye bye
- 無敵のビーナス(Instrumental)
- ススメ!MIGHTY GIRL(Instrumental)
- bye bye bye(Instrumental)
-
ちょ~しゅ~ハスキー盤 [CD]
1300円 / VICL-37381 -
- 収録曲
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- 無敵のビーナス
- コトバテニス
- のびしろ行進曲
- 乙女ノ手札
- 夢のキャンバス
-
怪獣黒帯盤 [CD]
1300円 / VICL-37382 -
- 収録曲
-
- 無敵のビーナス
- でてこいとびきりZENKAIパワー!
- とーと。
- 君の手
- 夢のスコール
-
春のセーター盤 [CD]
1300円 / VICL-37383 -
- 収録曲
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- 無敵のビーナス
- MEGRRY GO ROUND
- すぺしゃるでい
- びびび美少女
- 知っとっちゃん
※ちょ~しゅ~ハスキー盤、怪獣黒帯盤、春のセーター盤の2~5曲目は「ばってん少女隊の、田舎娘2nd~カユい所まで手を届け鯛ツアー」@TSUTAYA O-EASTで録音されたライブ音源。
公演情報
- 「無敵のビーナス」リリースイベントツアー「いま、会いにゆきナス」(※終了分は割愛)
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- 2018年4月29日(日・祝)千葉県 ららぽーと柏の葉
[1回目]START 12:00
[2回目]START 16:00 - 2018年4月30日(月・振休)福岡県 かしいかえん
START 14:00 - 2018年5月5日(土・祝)愛知県 エアポートウォーク名古屋
[1回目]START 12:30
[2回目]START 16:00 - 2018年5月12日(土)大阪府 もりのみやキューズモールBASE
[1回目]START 12:00
[2回目]START 16:00 - 2018年5月13日(日)東京都 ダイバーシティ東京 プラザ 2F
フェスティバル広場
[1回目]START 12:00
[2回目]START 16:00
- 2018年4月29日(日・祝)千葉県 ららぽーと柏の葉
- 5.19 ZEPP DIVERCITY大会 ~博多美少女上京物語~
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- 2018年5月19日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 7.16旗揚げ記念大会 ~博多美少女Vターン物語~
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- 2018年7月16日(月・祝)福岡県 福岡国際会議場
- ばってん少女隊(バッテンショウジョタイ)
- スターダストプロモーション福岡営業所に所属する希山愛、上田理子、春乃きいな、瀬田さくら、西垣有彩、星野蒼良の6人からなるアイドルユニット。福岡営業所のレッスングループ、通称F-girlsとして活動を始め、2015年6月には現在の6人でばってん少女隊としての活動をスタートさせ、同年9月にSDRより初のCDシングル「ばってん少女。」を発表した。2016年4月にメジャーデビューシングル「おっしょい!」をリリースしたほか、福岡・Zepp Fukuokaで2部制のワンマンライブを開催。KEYTALKのギタリスト・小野武正が楽曲提供したナンバー「よかよかダンス」を9月にシングルリリースし、同曲はフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール超」のエンディングテーマとしても話題を集めた。2017年2月に4106xxx(SCAFULL KING、BRAZILIANSIZE)プロデュースの表題曲を含むシングル「すぺしゃるでい」を発表。6月に1stアルバム「ますとばい」をリリースした。9月から11月にかけてライブハウスツアー「ばってん少女隊の、田舎娘2nd~カユい所まで手を届け鯛ツアー」を開催。12月に4thシングル「MEGRRY GO ROUND」をリリースした。年末には福岡・BEAT STATIONにて男性限定ライブを含む3公演を行った。2018年5月には高橋久美子が作詞、阪井一生(flumpool)が作曲した「無敵のビーナス」を表題曲とした5thシングルを発表し、東京・Zepp DiverCity TOKYOにて初の全編生バンドのワンマンライブを開催。7月には初のホール公演を福岡・福岡国際会議場にて実施する。