CARD

新代田FEVERの2日目にはCARD、ART-SCHOOL、きのこ帝国、LOST IN TIME、MO'SOME TONEBENDERの5組が出演。全バンドほぼMCなしの濃密なライブで今は亡き吉村へ思いを届けた。2日目のトップバッターを務めたのはCARD。彼らは「throw」からしめやかにライブをスタートさせ、美しいコーラスワークとギターのアンサンブルで浮遊感あるメロディを丁寧に奏でていく。中野博教（Vo, G）は「今年の頭にこのアルバムが発売されて、今日で一区切りになるのかな。正直ちょっと寂しさも残りますね」と語り、「次の曲は吉村さんがすごく褒めてくれた曲です。うれしかったのでよく覚えています」と思い出の楽曲「bound」を吉村と観客に贈った。最後に彼らはブッチャーズ「sunn」のカバーと「come to life」を披露。会場はさわやかな余韻に満たされた。

セットリスト

1. throw
2. pass
3. django
4. bound
5. whiteline
6. sunn
7. come to life

ART-SCHOOL

ART-SCHOOLは最新アルバム「YOU」の楽曲やライブの定番曲を詰め込んだセットリストで、MCゼロのストイックなステージを展開。バンドは戸高賢史（G）のうねるギターサウンドに乗せて「BABY ACID BABY」でライブの口火を切ると、そこから雪崩れ込むように「Promised Land」と「Miss Violence」の2曲を激しくプレイした。木下理樹（Vo, G）は「サッドマシーン」で激しいシャウトをしたかと思えば、ミディアムナンバー「革命家は夢を観る」を語りかけるように歌唱するなど、緩急をつけたボーカルで会場を揺らしていく。そしてバンドは丁寧にチューニングを済ませると、木下の「『ファウスト』、やります」という曲振りからブッチャーズの代表曲「ファウスト」のカバーを披露。彼らは最後に「FADE TO BLACK」を最後の力を振り絞って演奏し、渾身の10曲を吉村に捧げた。

セットリスト

1. BABY ACID BABY
2. Promised Land
3. Miss Violence
4. FLOWERS
5. サッド マシーン
6. 革命家は夢を観る
7. ファウスト
8. 車輪の下
9. UNDER MY SKIN
10. FADE TO BLACK

きのこ帝国

続いて登場したきのこ帝国は佐藤（Vo, G）の儚げな歌声とバンドの力強い演奏で「discordman」のカバーからライブをスタートさせた。観客からの拍手が止むと、彼女たちは「海と花束」と「ミュージシャン」「夜が明けたら」の3曲をエモーショナルにプレイし、独特な空気感を作り上げていく。そして佐藤が「今の自分たちが吉村さんに一番聴いてほしい曲」として紹介し、演奏されたのは「東京」。佐藤のまっすぐな歌声やあーちゃん（G）の豪快なギタープレイが会場中に響きわたり、バンドの魅力を惜しみなく見せつけた。

セットリスト

1. discordman
2. 海と花束
3. ミュージシャン
4. 夜が明けたら
5. 東京

LOST IN TIME

4組目に登場したLOST IN TIMEは3人で向き合い、お互いの音色を確かめ合うように静かに演奏を始める。そしてちらりと目配せをしたかと思うと、ド直球なロックナンバー「手紙」からライブをスタートさせた。その後もバンドは「一つだけ」や代表曲「30」など心地よいバンドサウンドをオーディエンスに届けていく。客席からは自然とハンドクラップが起こり会場は温かな空気に包まれた。海北大輔（Vo, B, Piano）は「今日ここに立ててよかったです」と満足気な表情を浮かべ、キーボードで「9月/September」のイントロを鳴らす。しっとりと同曲を歌い上げると深々と頭を下げ、ステージをあとにした。

セットリスト

1. 手紙
2. 一つだけ
3. VTR
4. 30
5. 9月/september

MO'SOME TONEBENDER

2日間にわたって開催されたbloodthirsty butchersのトリビュートライブのFEVER会場のトリを務めたのはMO'SOME TONEBENDER。百々和宏（Vo, G）はステージに登場すると「Yes, We Love butchers!!」と絶叫し、武井靖典（B）と藤田勇（G）と3人でボーカルを取りながら「ロスト・イン・タイム」をフロアに叩き込む。続けて投下されたキラーチューン「TIGER」でフロアの熱気はピークまで一気に引き上げられ、「ヒューマンビーイング」や「マッドネス」などハードなナンバーが連投されると、オーディエンスは楽曲にあわせてヘッドバンギングをしたり、飛び跳ねたりと思い思いに身体を動かして楽しんだ。本編のラストには武井をフィーチャーしたラップナンバー「FEEVEER」が披露され、オーディエンスによるシンガロングが起こるなどフロアは大盛り上がりに。そして「サンキュー！ ブッチャーズ！ サンキュー！ 吉村秀樹！」と百々が叫び、ライブ本編を終了させた。

鳴り止まない拍手に応え、モーサムメンバーはアンコールで再び舞台に登場。百々は「今日は吉村先生のアンプをステージに上げました。こちらです」とステージに設置されたアンプを指差し紹介する。そしてひと言「やかましいー！」。客席から笑いが起こる中、バンドは「BIG-S」を爆音で演奏し始めた。「BTB!」の文字が流れる電光掲示板を頭に装備した武井がステージから下り、ベースを弾きながら満員のフロア練り歩くなどはちゃめちゃなパフォーマンスで最後まで駆け抜け、2日間におよぶトリビュートライブは、熱気が冷めやらぬうちに幕を下ろした。

セットリスト

1. ロスト・イン・タイム
2. TIGER
3. ヒューマンビーイング
4. マッドネス
5. バーニング
6. Shining
7. FEEVEER

＜アンコール＞

8. BIG-S