BUDDiiS「UtopiiA」特集|駆け抜けるスピードでBUDDiiSの“理想郷”へ!日本武道館&1stミニアルバムを語り尽くす

BUDDiiSが9月18日に1stミニアルバム「UtopiiA」をリリースした。

「UtopiiA」には、配信リリースされた「HONEY」「JUBiiLEE」「LOUD」に加え、9月に行われたBUDDiiS初の東京・日本武道館ワンマンでも披露された新曲「Ütopia」と「Instinctive Love」が収められている。

リリースを記念し、音楽ナタリーではメンバーのFUMINORI、MORRIE、YUMA、HARUKI、FUMIYA、SHOOTにインタビュー。終えたばかりの日本武道館ワンマンの思い出をたっぷりと振り返ってもらいつつ、「UtopiiA」に収録された新曲2曲について聞いた。さらに、特集の最後には「Ütopia」のミュージックビデオ撮影に密着したフォトレポートも掲載。たっぷりの写真とともに、BUDDiiSの“理想郷”を訪れてほしい。

取材・文・撮影(MV現場密着) / 三橋あずみ

楽しい時間って一瞬

──初の日本武道館ワンマン「BUDDiiS vol.08 Nippon Budokan - UtopiiA -」を終えたばかりということで(参照:BUDDiiS初の日本武道館ワンマン完遂「一生かけて愛します」バディと見つけた“理想郷”の先にあったもの)、まずはライブを振り返っての思いを聞かせてもらえたらと思うのですが、初めて立つ日本武道館のステージはいかがでしたか?

MORRIE でかいなあ、でかいなあって……。

FUMINORI 稲川淳二さんなの?

MORRIE 大きい会場だなと思ったし、この数カ月、日本武道館のステージを頭に思い描きつつがんばって練習して、ワクワクしながら準備してきたものがあっという間に終わってしまったという寂しさもあり。楽しい時間って一瞬なんだなと思いましたね。

──ユートピア(理想郷)をテーマに、ドリーミーな世界観の中で皆さんのさまざまな表情を見ることができました。特にこだわりを持って作った場面などはありますか?

FUMIYA 「BEAST2」じゃない?

FUMINORI そこは確かにこだわりだね。FUMIYAがすごいやりたがってた。

FUMIYA 「Magic」のリハ中にSEIYAくんがふざけて、曲のラストで「Magic」と歌うはずのところで「BEAST2!」とぶっ込むっていう遊びをやっていたんですよ。それが面白くて、実際にライブでやったら沸くだろうなとずっと思っていて。

SEIYA

SEIYA

FUMINORI そういうつなぎはライブならではだからね。

FUMIYA なので、「ON & ON」のあとに実際にその流れで曲つなぎをしてもらったんです。

──SEIYAさんはそれに関して何か言っていましたか?

FUMIYA 「ホントにやるんだ!(笑)」と言ってました。しかも当日めちゃくちゃ真剣に取り組んで「今日の『BEAST2!』はああだった、こうだった」と反省してて(笑)。面白かったですね。

FUMINORI 「テンション上がりすぎちゃったな、もっとやれたな」とかね。

表現したいパフォーマンスや個性をより出せた

──ではこの流れで、メンバーの皆さんそれぞれの名場面を挙げていきましょうか。

FUMINORI じゃあSHOOTからいく?

FUMIYA 僕、「LOUD」の煽りがめっちゃいいと思った!

FUMINORI 「バディ(BUDDiiSファンの呼称)のみんな、最高の景色をありがとう!」ね。確かにカッコよかった。

SHOOT 曲のタイトル通り、とにかく叫ぼうと思って。僕らはパフォーマンスでしか思いを伝えられないし、些細な言葉かもしれないけれど、思い切り叫ぶことでみんなのお腹を押したいなって……。

FUMINORIFUMIYA 背中だよ!

YUMA あはははは!

FUMIYA SHOOTが叫ぶのって珍しいからびっくりしたんですよね。

SHOOT そうだね。僕、あんまり煽りやらないしね。

FUMINORI 僕が好きなところで言うと、1曲目の「Ütopia」のラスト、「ねえBuddy!」の歌い方が好きです。すごくSHOOTらしいというか、かわいい一面、優しい部分がすごく出てるなと思ったポイントですね。

──ではHARUKIさんについてはいかがですか?

SHOOT HARUKIはやっぱりダンスソロじゃない? 僕らのライブであれだけしっかりとソロダンスのパートを作るのは初めてだったけど、中でもHARUKIは自分のダンスを見つけたような雰囲気があって、すごくよかったなって。僕はその直前のボーカル組のパフォーマンスに出ていたから舞台裏で待機していたんですけど、ボーカル組みんなで袖に回って、リハのときから観てました。カマしてて最高だった。

FUMIYA そう、マジでうまいんですよ。HARUKIが踊ったのは腕を使ってきれいなラインを作るタットっていうジャンルなんですけど、うますぎて敵わない。ラスト、ふみくん(FUMINORI)につなぐところの動きなんか特にきれいで、すごいなって。

HARUKI ありがとう。ダンスパートに関しても、僕らライブを重ねていくうちにどんどんレベルが上がっていって、今回は8×8カウントという長さでやらせてもらいました。長い分、自分の表現したいパフォーマンスや個性をより出せたかなと思います。しかも日本武道館の大きなステージでそれをできたのが、すごく楽しかったです。

HARUKI

HARUKI

“いけないこと”って何?

──続いて、FUMINORIさんについてお願いします。

MORRIE 本編ラストの「To The Top」は、僕の歌い終わりで全員が後ろを向いて扉が閉まるという流れなんですが、そのあとのFUMINORIがすごくよかったですね。

FUMINORI バディから見えてないなあ! しかも暗転だな!? 蓄光とスタッフさんの懐中電灯でハケていってるときだな!

一同 あはははは!

MORRIE あとはね、ダンスソロが好き。

FUMINORI あ、それはリアルに言ってくれるよね。

MORRIE 本番はその場にいないのでゲネや映像で観たんですけど、めっちゃカマしてるやん!と思っていましたね。

SHOOT それで言うと僕も「To The Top」のふみくんが印象的で。ラストのサビ前にあった、彼がバディへの思いを伝えるパート。そこで1つ好きなセリフがあって、それが「今日だけは甘酒くれよ!」。

FUMINORI 言ってない、言ってない!(笑) 「今日だけは甘えてくれよ」ね!?

SHOOT え、「甘酒くれよ」じゃなかったでしたっけ。じゃあこれはナシで……。

FUMINORI なんでだよ。甘酒だったらよかったのかよ。

SHOOT でもあそこはリアルによかったです。

FUMINORI ありがとうございます(笑)。もう、森兄弟のボケ合戦がすごいよ……。

YUMA あとは「The One」のセリフがよかったですね。なんか「いけないことしよう」みたいなこと言ってましたけど……。

──「The One」の間奏にあるラブコールのパート、普段は日替わりで1人だけが担当するところ、日本武道館2DAYSでは1日5人ずつ、2日合わせて全員が披露する特別バージョンでした。

FUMINORI あのセリフ、だいぶ好評よ?

FUMIYA ただ、メンバー同士の肌感覚でわかるんですけど、絶対にギリギリまでセリフを悩んでたと思うんですよ。それについて聞いてもいいですか?

FUMINORI 本当は「ずっと一緒にいよう」というセリフにしようと思ってたんです。そうしたら、1番手のTAKUYAが「ずっと一緒にいよう」って言うから、そこからパニックになっちゃって。

TAKUYA

TAKUYA

一同 あはははは!

FUMINORI だからぶっちゃけ、それ以降のメンバーのセリフは耳に入ってなかったです。「どうしよう、マジで何言おう!?」みたいな(笑)。そのまま自分の順番が来ちゃったから見切り発車でしゃべり始めて……で、頭の中には「2人で抜け出そっか」みたいな言葉が浮かんでいたんですよ。でもなぜか「いけないことしよっか?」という言葉が出てしまって。

MORRIE 何? “いけないこと”って。

FUMINORI だから僕もわかんない。

SHOOT 深夜のつまみ食い的な?

MORRIE それとも太陽的なアレですか?

FUMINORI 「イケナイ太陽」? それはORANGE RANGEさんね? ちょっとボケが多いなあー! もう、ここからはボケるの禁止!

──(笑)。ではFUMIYAさんにいきましょうか。

SHOOT FUMIYAは見た目の話になっちゃうんですけど、髪色かな。めちゃくちゃ鮮やかな緑色ですけど、これが真っ暗でも明るく見えて、すごいんですよ。

FUMIYA 僕の頭こそが蓄光なんです(笑)。

SHOOT 暗転中もFUMIYAだけ発光してました。

FUMIYA ただ、これに関して「怖い」と思ったことがあって。メンバーみんな僕の派手髪に慣れすぎて、こんな真緑なのに、染めてから初めて会ったとき「おー、めっちゃいいやん」「そのくらいのほうがいいね」くらいの薄い反応だったんですよ。その反応に僕はびっくりして……って、HARUKIくんが何かすごい考えてくれてる(笑)。

HARUKI FUMIYAくんのことで印象に残っているのは、最後の挨拶です。日本武道館でワンマンができたことが自分の人生の中の誇りだし、自分の強みになったよとFUMIYAくんは言っていて、確かにそうだなって。僕にとっても自分の人生の中ですごく大事なライブだと思っていたから、FUMIYAくんの言葉に共感しました。

FUMIYA そんなにちゃんと聞いてくれてたんだ。ありがとうございます!

FUMINORI あと、FUMIYAのパフォーマンスは誰が見ても光ってるよね。最年少ながらパフォーマンス面でグループを引っ張ってくれているのが彼らしいというか、素晴らしいところだなと思います。

SHOOTとYUMAの作戦

MORRIE 次はYUMAか。YUMA、自分で言ってみる?

SHOOT いや、僕言いたいことあるわ。「The One」のセリフパートが僕ら同じ日で、順番も隣同士だったんです。だからライブ前にお互いに被らないように打ち合わせをして、「噛まないようにがんばろう」と言い合ってたのに……YUMA、セリフ噛むどころか、電話を取る最初の動きから焦っちゃってて(笑)。

FUMINORI コールが2回鳴ったあとに「もしもし?」と言う流れなのに、1コールで出ちゃってね。

SHOOT ガッチガチに流れ固めて完璧なはずだったのに、そこからテンポが崩れちゃって。

FUMIYA YUMAくん、僕にはめちゃくちゃ圧をかけてたんですよ? 2人が真剣にセリフを考えてたから、僕は面白い方向性にしたほうがいいのかな?なんて思ってたら「いや、面白い役目はKEVINくんがいるし、FUMIYAヤバいよ」って。そうしたら本番、「ああ、忘れた~! こんなハズじゃなかったのに!」って(笑)。

FUMINORI ちなみにSHOOTと一緒に考えてたセリフはどんな感じだったの? 今ここで言ってほしい!

YUMA 言うはずだったのは「もしもし、寂しくなっちゃった? じゃあ俺が一生かわいがってやるよ」って……。

YUMA

YUMA

SHOOT 実は僕ら、ミスしてしまったときの対策も考えてたんです。セリフを忘れたり、噛んだりしたらかわいい方向性に振り切るっていう。まあ、そんな対策をしている時点で失敗を予想していたんじゃ?という説もありますけど(笑)。

YUMA でもね、なんかあの日は噛むような気がしてたんですよ。

一同 あはははは!

YUMA SHOOTが言うように対策はしていたので、焦りみたいなものはそんなになかったんですけど。

FUMIYA あと僕がYUMAくんに対して思ったのが、全体を通してダンスがすごくいいなって。今回のソロダンス、YUMAくんめっちゃ練習してたんです。そうしたらそれ以降、全体的に音の取り方が鋭くなっていて。バチバチに音ハメしててめっちゃカッコいいなと思いました。

──では、MORRIEさんの名場面についても聞かせてください。

MORRIE 僕は「アンシー」(「Under The Sea」)ですね。最後に1人でステージに残って歌うんですけど、そこでサングラスを外すとバディが盛り上がってくれる、あの瞬間は気持ちよかったです。10人で歓声をもらうのもうれしいけど、あの瞬間だけは独り占めしちゃったんで。

SHOOT そこで時間を稼いでくれるおかげで、僕らは“安心”して衣装替えできるので。

MORRIE アンシーだけにね! SHOOTうまいな。

SHOOT 自分はちょっと遅れを取るけど、そこで焦りを見せない。プロだなと思います。

FUMINORI 僕は「LOUD」の2番でもりぴ(MORRIE)のバックにつくんです。あそこまでべったり近い位置で踊るのは初めてだったんですけど、びっくりするくらい体力が回復したんですよ。どういう理由なのか……もりぴの持ってるパワーなのかわからないんですけど、絶対疲れが出てくるであろう場面なのに、回復するし楽しくて。

FUMIYA へえー。不思議!

FUMINORI あそこはすごくよかったですね。もちろんお客さんを見ながらパフォーマンスしますけど、「LOUD」だけはちょっともりぴのこと見て踊ってました。

MORRIE たまに目を合わせてたよね。

SHOOT なんで体力が回復するの?

FUMINORI それがわかんないんだって。科学では証明できないパワースポットみたいな感じ。「これがエンタメが持っている力なのか」と思いましたね。

──先ほどSEIYAさんが話題に上がりましたが、この場にいないメンバーの印象的な場面についても聞かせてください。

SHOOT KEVINくんは、やっぱり土台がすごくしっかりしてるなと感じました。当日の映像を見返しているときたまたま隣にいたんですけど、「やっぱり、歌めっちゃうまいっすね」と思わず伝えちゃうくらい。ちゃんとした基礎があるし、ボーカルチームとしても柱になっている存在なので、追い付きたいなという気持ちです。それにプラスして曲も書けて……ホントに才能の塊だなと思っていて。最近、よくLINEで音楽の話をしているんですよ。「一緒に曲作ろう」って。それは近いうちに実現できたらいいなと思ってます。

KEVIN

KEVIN

HARUKI TAKUYAくんはソロダンスのパートでトップバッターを担ったのがすごいなと思います。一気に雰囲気を変えなきゃいけない場面、TAKUYAくんは1人でステージに出て行って、お客さんを引き込む勢いのあるダンスをしていて。TAKUYAくんのパフォーマンスのおかげでそのあとに続くメンバーも自信を持って踊ることができたと思うし、すごくカッコよかったです。

SHOW

SHOW

FUMINORI 最後はSHOWちゃんか。SHOWちゃんは昔からそうですけど、BUDDiiSのバランサー。ボーカルもダンスもしっかりこなすSHOWがグループにいてくれることで、本当に表現の幅を広げてくれているんです。グループに対しての貢献がすごくて、それが今回のライブではより鮮明に感じられたと思います。ボーカル4人の見せ場でKEVIN、もりぴ、SHOOTと並んで立っているSHOW、全員でのパフォーマンスになったらしっかりと歌って踊れるSHOW。彼の能力をありありと感じられて、同じステージに立ちながらも「コイツはすごいな」と思っていました。