BLACK DIAMOND「SHINING DIAMONDS」インタビュー|初のアルバムに込めた音楽への“本気”

現役のセクシー女優と元セクシー女優で構成されるダンス&ボーカルユニットBLACK DIAMOND。2023年に始動し、「女性のエンパワーメント」というテーマのもとグローバルな活動も視野に入れて邁進している彼女たちが、初のフルアルバム「SHINING DIAMONDS」を完成させた。

本格派アーティストを目指しているBLACK DIAMONDは活動開始以降、コンスタントに新曲を配信し、オリジナル曲のレパートリーを着実に増やしてきた。「SHINING DIAMONDS」はこれまでの配信曲を中心に構成されたアルバムで、メンバー4人の音楽に対する“本気”が感じられる1枚に仕上がっている。音楽ナタリーでは彼女たちにインタビューし、今年2月に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で開催された初のワンマンライブ(参照:BLACK DIAMOND、1stワンマンライブで見せた輝かしいパフォーマンス)、その直前に起きたメンバー脱退という試練を振り返ってもらいつつ、アルバムについてアピールしてもらった。

取材・文 / 小野田衛

サポートメンバーMARIAとは?

──2月26日にZepp DiverCity(TOKYO)で初のワンマンライブが行われました。音楽ナタリーでは当日の様子をレポートさせていただきましたが、サポートメンバーとしてMARIAさんが登場していましたよね。これは、どういった経緯だったのでしょうか?

L.V もともと去年5月のデビューショーケースでサポートメンバーの募集を発表していたんです。そこで受かったのがMARIAちゃん。じゃあなぜサポートメンバーが必要だったかというと、結局、私たちってANRI以外はセクシー女優としての仕事もあるわけじゃないですか。そこがほかのアーティストさんと違うところなんですけど、そうするとスケジュール的にどうしてもメンバー全員がそろわないことも出てきちゃうんですよね。

──具体的にはアンダーメンバーみたいな立ち位置なんですか? それともバックダンサー?

MARY “練習生”というのが一番しっくりくる気がします。あくまでも正規メンバーではなく、パフォーマンスをサポートしてもらうという形なんですけど、どこかのタイミングで昇格するかもしれません。

ANRI 私たちは本格派アーティストを目指す以上、「パフォーマンスはまだまだだけど、成長を見守ってあげたい」と思われるのは嫌なんですよ。MARIAちゃんも自信を持って人前に出せるレベルになってから“出航”させてあげたくて。

MIIRO すごく華がある子なんです。サポートメンバー募集に対する応募はかなりの数あったみたいなので、スタッフさんもキラリと光るものを感じたんだと思います。

MARY あと、本当にがんばり屋さんですね。今は私たちのレッスンに水曜日だけ合流しているんですけど、それとは別に週4ペースで自主練を入れているそうで。必死で私たちに追いつこうとする一生懸命な姿勢は見ていて感動します。

L.V この前、すごい朝早くからスタジオに来ていたらしいね。

MARY そうそう! 練習は13時からだったんですけど、朝7時からスタジオ入りしていたそうなんです。私たちが到着するまで、6時間ずっと1人で練習していたみたいで。

MARY

MARY

L.V 1人でってところがすごいですよね。なんだかんだ言っても、私たち4人は苦しいときに支え合うことができるので。しかもMARIAちゃんにマンツーマンでレッスンしている先生がめっちゃ厳しくて、バチクソに言われているらしいんですよ。「そんなのでグループに入れると思ってるの!?」とか。

MIIRO MARIAちゃんは、とにかく人間性が素晴らしい! 初めて一緒に練習したときもすごく低姿勢で、「私のために時間を割いていただいて、すみません」と言っていましたね。2月のライブでも私たちを気遣って「がんばってください!」と声をかけてくれたんですよ。自分だってステージに立つにあたって緊張していたはずなのに。

MARY リリイベの日も「私は行けないんですけど、がんばってください」とメッセージをくれましたし、SNSでリリイベの宣伝までしてくれて。BLACK DIAMONDに対して本気でエネルギーを注いでいるのが伝わってくるから、こっちもがんばらなきゃって刺激を受けます。

4人になってむしろクオリティが上がった

──2月のライブ前にARISさんが脱退しました。「1人減ったから、1人増やしました」という話ではないんですね。

ANRI そこはまったく関係ないです。メンバー脱退に関してはファンの方からも心配されることがあるんですけど、私たちとしては4人に減ってむしろクオリティが上がったと考えていますから。

MARYL.VMIIRO (黙ってうなずく)

──そのあたりのことを踏み込んで伺いたいです。

MARY 辞めることを聞かされたのが、ライブの6日前だったんですよ。リハーサルも最終調整の段階で、あとはゲネプロを残すくらいのタイミング。本当に緊急事態でした。

L.V ただ人間って追い詰められると逆にパワーを発揮することがあるじゃないですか。「火事場の馬鹿力」という言葉もありますし。

ANRI 正直、意地もありましたね。「人数が減ってパワーダウンした」とは絶対に思われたくなかったので。

L.V 辞めちゃった子と私がメインで、ペアになって踊る曲があったんですよ。仕方ないからその曲をカットしようかという話も出たんですけど、ダンスの先生は「代わりにANRIさんが入ってください」と言いまして。

ANRI 私、頭ではなく体でダンスを記憶するタイプで、体に染み込ませるのに時間がかかるんですね。それなのに、現実的には時間がほとんどない。確か4時間くらいだったかな。その曲だけを練習するわけにもいかないですし、1人抜けたということは、すべての曲でフォーメーションを組み立て直さなくちゃいけないわけで。

ANRI

ANRI

L.V しかもその時期、MARYはもう1つのお仕事がめちゃくちゃ忙しかったんですよね。

MARY 本当にヤバかった! リハ以外はずっと現場に張り付いていたし、歩くだけでもフラフラでした。でも、そういうL.Vだって体調は最悪だったじゃない。

L.V 呪われてたよね、あの時期は。“鬼ころし風呂”で邪気払いするかって真剣に考えたもん(笑)。私は熱が38度5分くらいまで上がったんです。幸いコロナではなかったけど、ダウンを着て、マスクして、息がゼーゼーしていたものだから、マネージャーさんも「体調を整えるのも仕事だよ。帰ったら?」と言ってくれて。そりゃそうですよね。休まないと本番のコンディションが悪くなる恐れがあるので。とはいえフォーメーションの調整とかは、全員がそろった状態でやらなきゃ意味ないんですよ。

MIIRO それで結局、L.Vはずっとリハに参加していました。

L.V 正直、ライブ中の記憶はほとんどないです。そしてライブが終わってバイバイって別れた直後に、過呼吸で倒れました。救急車を呼ぶかという話にもなったくらい。おそらくストレスが溜まりまくっていたんだと思う。