Billboard Liveの要注目10公演を紹介 常連の佐野元春、土岐麻子、君島大空がその魅力を語る (2/2)

常連アーティストたちに聞いた「Billboard Liveの魅力」

佐野元春

佐野元春

「思い出に残っているBillboard Liveのエピソード」

自分のライブでなくガース・ハドソン氏のライブを観に行ったときのこと。アンコールで突然呼び出されて舞台に上がり「I Shall Be Released」を唄ったこと。

自分のライブでは、初のビルボードライブ出演のとき、雪村いづみさんをゲストに迎えて「トーキョー・シック」をデュエットしたこと。

「Billboard Liveの魅力」

ホールコンサートと違って自宅の居間で演奏しているようなムードがある。演奏者の細かな演奏が間近で見れるのが楽しい。

プロフィール

1956年東京都生まれ。1980年3月にシングル「アンジェリーナ」でデビュー。1982年のアルバム「SOMEDAY」がヒットを記録し、トップアーティストの仲間入りを果たした。1983年には単身渡米し、ヒップホップの要素を取り入れた意欲作「VISITORS」を制作。その後も「Young Bloods」「約束の橋」などといった名曲を生み出す。2006年からは佐野元春&THE COYOTE BANDとしても活動。日本のロックシーンを牽引するアーティストとしてデビューから40年を経た今も第一線で活躍を続けている。

土岐麻子

土岐麻子

「思い出に残っているBillboard Liveのエピソード」

普通じゃない、ちょっと「へん」な編成のライブをたくさんさせていただきました。

昨年の、小西遼氏を音楽監督に迎えたワンマンライブは、Sax、Violin、Keyboard、Bassoon、Drumsを中心としたマルチプレイヤー達との6人編成でのツアーでした。

2010年には、バンマスに徳澤青弦氏を迎え、Keyboard、Violin、Viola、Cello、Drumsという6人編成でツアーを行いました。また、3人のキーボードプレーヤーと合奏した三鍵盤ライブや、ピアノ、ドラムス、男女コーラスという5人編成のツアーなど……いずれも音源とは違った大胆なアレンジでの企画ですが、こちらの実験的な気持ちをどーんと受け入れてくれる、懐の深い会場だなと思っています。いや、むしろビルボードライブこそが、いつも新しい見せ方を望んでいるように思えたりもします。

「Billboard Liveの魅力」

ライブを観に行くたびに感じるのは、日常から数cm浮かび上がるような高揚感をもらえること。おしゃれして六本木の夜景を見ながら美味しいものをいただく、という特別さを味わいながらも、音楽に没頭できる環境でもあって、そういった空間の魅力があると思います。

ライブをするたびに思うのは、お客様がリラックスしてほぐれていて、またアルコールが入っていてもマナーが良いこと。歌っていてポジティブで良いエネルギーをいただけます。

プロフィール

1976年東京生まれ。1997年にCymbalsのリードボーカルとしてデビュー。2004年の解散後よりソロ活動をスタートさせる。本人がCMに出演したユニクロCMソング「How Beautiful」(2008年)や、資生堂「エリクシール シュペリエル」のCMソング「Gift ~あなたはマドンナ~」(2011年)などで話題を集める。2024年4月24日に、ソロデビュー20周年を記念したオールタイムベストアルバム「Peppermint Time ~20th Anniversary Best~」をリリース。

君島大空

君島大空

「思い出に残っているBillboard Liveのエピソード」

初めて東京のビルボードでやった時、春でした。ステージの演奏のし易さに驚きました。天井が高いのに音が曇らず響くのが印象的でした。その日の夜、春の歌を歌っていて後ろのカーテンが開くと満開の桜でした。とても綺麗で涙が出たのを今でも覚えています。

「Billboard Liveの魅力」

演者としても観客としても、集中力の切れづらい場所だというところが魅力だと思います。心地のいい緊張感がずっと持続していて、没入できる懐の深い場所だと思います。

プロフィール

1995年生まれ。2019年3月に初のEP「午後の反射光」を発表。同年7月に「FUJI ROCK FESTIVAL '19」のROOKIE A GO-GOステージにバンドセットの“合奏形態”で出演し、その後は合奏形態と独奏の2種類のスタイルを軸にライブ活動を行っている。2023年1月発売の1stアルバム「映帶する煙」は音楽誌「ミュージック・マガジン」の特集「ベスト・アルバム2023」のロック(日本)部門で1位を獲得。さらに同年9月には2ndアルバム「no public sounds」を発表している。またギタリストとして吉澤嘉代子、高井息吹、鬼束ちひろ、adieuなどのライブや録音に参加している。

※記事初出時、本文中に誤りがありました。お詫びして訂正します。

2024年4月1日更新