「なんちゃってね!」がないと我々らしくない
──再録曲はどうやって選曲したのでしょうか?
ミエダ ライブでよくやっている曲と、改めてもう1回やりたい曲を詰め込みました。
井上 改めてやりたかった曲は「ミハイル」と「夢を見たんだ」ですね。
──アレンジについては、どんなことを考えたんですか?
ミエダ 普段から演奏しているライブアレンジをベースにしているんですけど、「ミハイル」はオリジナルとは全然違うアレンジになっています。「夢を見たんだ」に関しては、ライブで全然やってなかったんですけど、これからやりたい曲として収録しました。
──「夢を見たんだ」は「RSR」でも披露されてましたね。
ミエダ そうなんですよ。「RSR」に出演できるかどうかというときに、この曲を「RSR」のステージで演奏する夢を見て。その夢の中で最後に「夢を見たんだ」をやってたんですよ。夢の中では明け方でうっすらと朝日が差し込んでくる光景だったんですが、実際は大雨で(笑)。俺が見た夢は、お客さんと一体になって「ウワー」ってやっているイメージだったんですけどね……まあ、夢の通りにはいかなかったです。その夢の中での光景をイメージしてアレンジをしたんですよね。昔、bloodthirsty butchersが「RSR」に出演したとき、最後に吉村(秀樹)さんがギターを投げて、そのギターが美しい軌道を描いて落ちていったんですよ。そのシーンが夢の中で見た「夢を見たんだ」の演奏シーンと重なって。だから曲の後半に歌なしの部分が続くんですけど、収録するとき鉄平に「ギターは吉村さんを憑依させてくれ」って伝えて弾いてもらいました。
──ラストナンバーは「ダンス」です。曲間で「お待たせー!」ってリスナーに話しかける部分は「BAZRAが帰ってきた!」って感じて、すごくグッときました。
ミエダ あれは賛否両論なんですよね。怒る人もいれば、喜ぶ人もいて。
──リスペクトを込めて言いますけど、改めてBAZRAはバカっぽくていいなと思いました(笑)。
井上 あははは!(笑) そうっすね。
ミエダ やっぱりオチがないと気が済まないところがあるんですよ。新曲の「終わり」で締めちゃうと、カッコつけてストイックな感じで終わっちゃうから。最終的には「なんちゃってね!」みたいな流れがないと我々らしくない。
何をやったらウケるんだろうって考えてた
──レコーディングをしながら「この作品が受け入れられるのだろうか」みたいな不安はありましたか?
ミエダ そういうのは今さらないですね。昔は「次こそはなんとかしよう」って思って試行錯誤してましたけど、それをして売れたわけじゃないから気持ちは新人です。再録した曲も昔聴いていた人に届けたいという理由から再録したわけじゃなくて「今の我々ってこういう感じですよ」ってことだから。評価を気にしてないって言ったらカッコよすぎるけど。そういうのは今さら気にしなくていいやと思っています。
──その意識は前作と違いますか?
ミエダ 全然違うし、むしろ真逆です。あの時代は負のスパイラルに入っていたと言うか。何をやったらウケるんだろうって考えてましたね。今作は「俺たちの音楽を面白いと思ってくれる人は絶対にいるからそういう人が聴いてくれればそれでいいや」と思って。だってあの当時の感じで今もやっていたら頭おかしいですもん。9年間も作品を出してないし、バンド自体も調子がいいわけじゃないんだから。
井上 アルバムを作ることに関して、俺はとにかく必死でしたね。歌詞を書かなきゃいけないのと、時間もなかったし。「タクちゃんが見えているところに到達しなきゃ」みたいな。そういう必死な気持ちだけでした。
来年もアルバムを出しましょう!
──人生観についても聞きたいんですけど、「二十代のときは後先を考えずに刹那的に生きてきた」と井上さんは以前言っていました。40歳を目前にして、今はどうですか?
井上 まず20歳の頃は刹那的に生きていたというか、刹那的に生きたかったんですよね。今は体がどんどんボロボロになっていく一方なので、これからは体を大事にしていこうと思っています。
ミエダ コイツは昔、酒を飲めないってキャラクターを作ってたんですよ。打ち上げとかも出ないで帰る、みたいな。だから周りのみんなは「鉄平は酒を飲まない人だ」っていう認識を何年も持っていたと思うんですけど、俺はコイツが大酒飲みなのを知ってたから「おかしいな……」と思ってて。そしたら実は家に4リットルの甲類焼酎を買い溜めて、毎日のように隠れて飲んでいたことが発覚して。そういう暴飲暴食生活がたたって気付いたときには病気になっていたんです。
井上 大変ご迷惑をおかけしました。なんか調子に乗って浮ついてたんですよね。
──最後にお聞きします。今回は9年ぶりにアルバムをリリースしましたが、次回のリリースも考えていますか?
ミエダ 来年もアルバムを出しましょう!
井上 そうしましょう!
ミエダ やっぱり宣言しないと始まらないからね。
──今後はツアーをやりつつ、来年のリリースに向けても動いていくと。
ミエダ そうですね。あとはずっとやっていた自主企画を辞めちゃったので、それも再開したいと思っています。俺らが好きな人たちを集めたイベントも考えています。
- BAZRA「Red Blue Green(20th anniversary album)」
- 2017年8月30日発売 / UK.PROJECT / DAIZAWA RECORDS
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[CD]
2592円 / UKDZ-0187
- 収録曲
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- マボロシ
- 9999
- どうしようもない
- orz
- 裸だけど王様
- 終わり
- オレンジ
- 解放の音
- ミハイル
- フリーダム
- 夢を見たんだ
- ダンス
20周年記念&レコ発ワンマン
- 千回目ぐらいの土曜日
- 2017年10月21日(土)東京都 下北沢CLUB Que
- 千回目ぐらいの日曜日
- 2017年11月12日(日)北海道 COLONY
- BAZRA(バズラ)
- 1997年に井上鉄平(Vo, G)とザ☆ミエダタクヤ(Dr)によって北海道で結成されたロックバンド。2000年にケン・ザ・スリム(B)が加入し現体制となり、自主制作のシングル「体温」を札幌のタワーレコード2店舗とライブ会場限定でリリースする。2002年に1stミニアルバム「ひょうろくだま」、1stフルアルバム「アホォリズム」を発表。2003年に2ndミニアルバム「腹グロッキー」を発売し、初の全国ツアー「tour 腹グロッキー 2003」を開催する。同年には「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」へ初出演も果たした。2005年にcutting edgeからミニアルバム「switch」を発表し、メジャーデビュー。2008年にフルアルバム「千回目の日曜日」をリリースしたあと、井上の持病の悪化などもあり、それ以降は不定期な活動を行っていた。結成20周年イヤーの2017年9月に古巣であるDAIZAWA RECORDSよりニューアルバム「Red Blue Green(20th anniversary album)」をリリースした。