音楽ナタリー Power Push - BAND-MAID

重要なのは“ギャップ”メイド服着た技巧派ロックバンド

世界が萌えるコール&レスポンス

──3月にアメリカで行った初の海外ライブは大盛況だったそうですね(参照:シアトルで3000人集めたBAND-MAID、初の全国ツアー開催)。

ミク ビックリしました。会場を下見したときに、フロアがとても広かったので不安になっちゃって。でも本番直前にステージ裏に行ったら、ものすごいBAND-MAIDコールが聞こえてきて。

廣瀬茜(Dr)

 すごく刺激的でしたね。ステージに上がるまで信じられなかったけど(笑)。

──どういった経緯で海外ライブが実現したんでしょう?

ミク 「Jrock Radio」っていう海外のWebサイトで「Thrill(スリル)」のミュージックビデオが紹介されていて、私たちが出演した「Sakura-Con」(日本文化を紹介するコンベンションイベント)の主催者がそれを気に入ってくれたのがきっかけですね。

彩姫 「Jrock Radio」の影響力がすごくて、Twitterのフォロワーが一気に増えて。

歌波 そうだ、YouTubeにアップしてたMVの再生回数も一気に増えたんだ。

ミク 海外進出ができたきっかけは「Thrill(スリル)」なんですよね。まさかこの曲がバンドの方向性を示す転機になるだけじゃなくて、こんな影響まで与えてくれるものになるなんて思いもしなかったです。

──ちなみに海外でのMCはどうしたんですか?

彩姫 現地の人は日本でのパフォーマンスと同じ内容を望んでるって主催者から言われていたので、ほとんど日本語でしたね。

歌波 でも自己紹介は英語でしました。YouTubeにそのときの動画がアップされていて、メンバーにはいまだにネタにされます(笑)。

──どうしてですか?

彩姫 日本だとミク以外はライブであまり話さないので、歌波が張り切っちゃってる姿が面白くて(笑)。いい思い出だね。

遠乃歌波(G)

歌波 がんばります、もっと英語を!

──日本でのライブだとメイドカフェ文化を取り入れたいわゆる萌え系のコール&レスポンスをしますよね? 海外でもやるんですか?

ミク 簡単な英語で説明したあとは全部日本語でやりましたね。ライブ中に「萌え萌え」というコール&レスポンスをするんですけど、返ってくる「モエモエー!」の勢いがすさまじかったです(笑)。

──まだ1回しか海外ライブをしていないとはいえ、正直日本よりいい反応があったんじゃないですか?

ミク あ……その通りかもです。Twitterのフォロワーさんも海外の方のほうが多いくらいで。海外進出は夢ですけど、まずは日本でもっとがんばらないといけないなって思ってます。

──日本の主なファン層はバンド好きとアイドル好きのどちらが多い印象ですか?

ミク アイドルファンのほうが多いと思いますけど、最近ようやく音楽を入り口に好きになってくれてる方が増えてきました。アイドル要素と音楽要素のどちらからでもいいんですが、両方のファン層を取り込めたらいいなって思いがあったのでいい感じです。

彩姫 せっかくこういう格好で活動をしているので、強みは生かしていきたいよね。

 ジャンルとか関係なくいろんな層を取り込みたいですし、それが実現できるのがBAND-MAIDなんじゃないかなと思っています。何か1つに絞るんじゃなくてファッション好き、ガールズバンド好き、音楽好き、アイドル好き、誰でも来てください!っていうことをこちらからもっと提示できたらいいな。

歌詞のテーマは「強い女性像」

──今作の8曲中5曲はバンド以外の方による作詞曲です。いただいた歌詞についてメンバーから意見することはありましたか?

ミク 私と彩姫で歌いやすいように言い回しを変えていただいたり、ニュアンスを変えたいと伝えることはありますね。

彩姫(Vo)

彩姫 歌詞は語尾とか細かい部分で何度も「ここをこうしたいああしたい」ってやり取りをした結果、完成したものなんです。で、歌割りは基本的に2人で決めていきます。

──「YURAGU」では、ミクさんと彩姫さんが作詞をなさってますね。

ミク この歌詞はさいちゃん(彩姫)が「こういう雰囲気で歌いたい」っていうことを本当に大まかにLINEで伝えてくれて、私が書き上げていくというスタイルで作りました。

彩姫 LINEで送った文面は「『わかってないようで知ってるけど、わかってるし』みたいなの書いて」だったかな。

──それは一体どういう意味でしょう?

ミク 本当に曖昧な感じで伝えてくるんですよ(笑)。もともとBAND-MAIDの歌詞は「強い女性像」が共通のテーマになっているので、弱気な部分というよりは強い自己主張を感じさせるようなイメージで歌詞を書きました。「YURAGU」は「あなたが言っていること、わざとわかってないフリをしているけど、本当はわかってるんだよ」という内容になっています。

──なるほど。「FREEDOM」はミクさんが1人で作詞していますね。

小鳩ミク(Vo, G)

ミク はい。勢いのある曲なので、歌詞もまっすぐなほうが伝わるなと思って、ほかの曲よりもストレートな表現を意識して書きました。

歌波 これまでの楽曲では歌詞に哀愁が漂っているって意見をリスナーからいただいていたんですが、「FREEDOM」ではあえて哀愁の要素を排除してるんですよ。

 この曲は特にシンプルな伴奏にして、歌詞を際立たせるようにしました。

ミニアルバム「Brand New MAID」2016年5月18日発売 / 日本クラウン
Type-A [CD+DVD] 2500円 / CRCP-40460
Type-B [CD] 2000円 / CRCP-40461
CD収録曲
  1. the non-fiction days
  2. LOOK AT ME
  3. ORDER
  4. Brand-New Road
  5. YURAGU
  6. FREEDOM
  7. Before Yesterday
  8. alone
  9. REAL EXISTENCE(Live Ver.)※Type Bのみ収録
Type-A DVD収録内容
  • the non-fiction days(Music Video)
  • ORDER(Music Video)
  • alone(Music Video)
ツアー情報
BAND-MAID「Brand New MAID」Release Tour
  • 2016年6月24日(金)東京都 Zirco Tokyo
  • 2016年7月12日(火)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2016年7月13日(水)宮城県 仙台MACANA
  • 2016年7月18日(月・祝)京都府 京都MOJO
  • 2016年7月22日(金)神奈川県 club Lizard YOKOHAMA
  • 2016年7月31日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
  • 2016年8月4日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2016年8月6日(土)山口県 LIVE rise SHUNAN
  • 2016年8月12日(金)熊本県 熊本B.9 V2
  • 2016年8月13日(土)福岡県 LIVE SPOT WOW!
  • 2016年8月14日(日)福岡県 Queblick
  • 2016年8月28日(日)滋賀県 守山Blue
  • 2016年9月2日(金)新潟県 CLUB RIVERST
  • 2016年9月3日(土)山梨県 甲府Conviction
  • 2016年9月8日(木)北海道 Crazy Monkey
  • 2016年9月9日(金)北海道 Crazy Monkey
BAND-MAID「Brand New MAID」Release Tour Final Series
  • 2016年9月19日(月・祝)大阪府 心斎橋CLUB DROP
  • 2016年9月25日(日)愛知県 豊橋 club KNOT
  • 2016年10月1日(土)東京都 TSUTAYA O-WEST
BAND-MAID(バンドメイド)
BAND-MAID

2013年7月に秋葉原のメイド喫茶で働いていた小鳩ミク(Vo, G)を中心に、廣瀬茜(Dr)、遠乃歌波(G)の4人で結成されたガールズロックバンド。結成から1か月後に彩姫(Vo)が加入し5人編成となる。メイド服を身にまとい、ライブを“お給仕”、ファンを“ご主人さま”、“お嬢さま”と呼ぶスタイルで活動している。2014年1月に1stミニアルバム「MAID IN JAPAN」をリリース。4月に東京・Shibuya Milkywayにて初のワンマンお給仕を開催し、2015年7月に東京・Shibuya eggmanで行った2度目の単独お給仕ではチケットを完売させる。同年11月に2ndミニアルバム「New Beginning」を発表し、同作はiTunes Storeにて海外配信された。2016年3月にアメリカ・シアトルで実施された日本文化のコンベンションイベント「SAKURA-CON」に出演し、約3000人の観客を前にパフォーマンスを行った。5月18日に3rdミニアルバム「Brand New MAID」を日本クラウンよりリリースし、メジャーデビュー。新作を携えて初の全国ツアーを開催するほか、イギリスやメキシコでのお給仕を控えている。