Ayumu Imazu「Pixel」インタビュー|1stアルバムに詰め込んだニューヨークでの経験とクールな音 (2/2)

メジャーデビューから1年の歴史をたどる「Pixel」

──そんないい状況の中で発表された1stアルバム「Pixel」は、メジャーデビュー後の集大成とも言える最高の内容になっていますね。

ありがとうございます。本当にメジャーデビューからの1年の歴史を感じてもらえるアルバムになりました。自分としても、「あ、この曲を作ったときはこんな気持ちだったな」と思い出がよみがえってくるので、まさに集大成と言える作品だと思います。これを聴いた皆さんがどんな反応をくれるのかがすごく楽しみです。

──先ほどお話いただいた「Tangerine」で幕を開けるアルバムには、リードトラックとして「Over You」が収録されています。今井さんとコライトで作られた楽曲ですね。

僕がこれまで作ってきたダンスミュージックはけっこう明るい雰囲気のものが多かったんですけど、アルバムではもっとクールで、カッコいい印象を持ったAyumu Imazuを見せたかったんです。なので、最近聴いているクールな楽曲をリファレンスとして共有しながら今井さんとともにトラックを作り、その上に僕がメロディを乗せて作っていきました。この曲ができたことで、アルバムのジャケ写やアー写を大人っぽい雰囲気にする流れになっていったところもありました。

──ボーカル面ではどんなこだわりを注ぎましたか?

サビが地声ではなくミックスとヘッドボイスで歌っている曲なので、リズム感を出すのがなかなか難しい曲ではありました。声変わりをした頃、2年間くらい裏声が出なくなったんですけど、ここ最近はまたうまく出るようになったし、そこに強さも乗せられるようになって。そういう意味では新たに増えた武器を使った曲でもあると思います。

──歌詞はどのように書いていきましたか?

ダンス曲ということもあり、いかにリズムに言葉をはめるかが重要になってくるので、作詞をするうえではとにかくそこにこだわりました。特にサビはキックとベースに、同じタイミングでボーカルが乗ってくる気持ちよさを感じてもらえると思います。

──「Over You」から「Butterfly」「Problem」と流れていく3曲はどれもラブソングですよね。“恋愛”というモチーフはAyumuさんにとって大事なものですか?

恋愛というよりは“愛”をモチーフとして大事にしているところはあります。ただ、歌詞の書き方としてはラブソングでありながらも、違ったシチュエーション……例えば家族とか友達とか、そういった関係の人にも当てはまるように書くことを意識しています。聴き手の自由度を残しておくと言うか、あまり物語を限定するような言葉は使わないようにしています。「Over You」は特にそうですけど、いろんな受け取り方をしてもらえると思いますね。

Ayumu Imazu

ゆくゆくはグローバルに活躍できるアーティストに

──昨年11月に配信された「ACCHI KOCCHI」と「Problem」はyonkeyさんと作られたナンバーです。Ayumuさんとは同世代ですし、相性のよさを感じますね。

そうですね。yonkeyとは聴いている音楽や、カッコいいと思うものがすごく似ているかなと思っています。なのでイメージの共有がしやすいから制作はめちゃくちゃスムーズでした。

──「Problem」もリズムに気持ちよく言葉をはめていくタイプの曲ですよね。

リズムに言葉を乗せていくのはすごく楽しかったです。ただ、歌うのはちょっと難しかったかな。リズムを重視しながら、どんな声のトーンでサビを歌うのがマッチするのかを見つけるのがなかなか大変で。いろいろイメージしながらボーカルのスタイルを決めていきましたね。けっこう細かくいろんな表情が出ているので、そこが面白いところでもあると思います。

──リズム重視の曲もある一方で、「破片」のようなメロディ重視の曲もあって。ご自身としてはどっちのタイプが得意ですか?

どうでしょうね。自分としてはバラードを書くのはけっこう得意なんですよ。歌うにあたってもスムーズだし、声色に関してもナチュラルな部分がすごく出てるなと思います。でも、ダンスミュージック的な楽曲でリズム感を出しながら歌うのも実は得意ではあって。リズムを大事にしながら、そこにハマる言葉をパズルのように探していく面白さもあるし。どっちも楽しいです(笑)。

Ayumu Imazu

──「Unpredictable」と「Colors」の2曲にはWAPLANさんが参加されていますね。

この2曲はコロナ禍が始まった頃に作ったものなので、アルバムの曲の中では序盤に生まれていた曲ですね。リモートでやりとりしながらイメージを共有していって。「Unpredictable」に関してはかなり洋楽チックで、ダンスミュージックの王道さを詰め込んだ曲。制作はすごくスムーズでした。「Colors」はライブの最後に歌えるような曲をイメージして作ったものなんですよ。トラックもメロディラインもすごくシンプルで、聴きやすさのある曲にしたいなって。

──「Colors」の明るいメッセージはすごくいいですよね。アルバムのラストとしてもふさわしいなと。

とにかく元気が出るような曲にしたかったので、「みんなポジティブに行こうぜ!」という内容です(笑)。あと、タイトルにもつながるんですけど、自分らしさや個性みたいなものを僕は大事にしたいタイプなので、そういった思いも歌詞には反映されていますね。

──本作を引っさげて11月には東京と大阪でのワンマンライブも決定しています。

ライブはめちゃくちゃ楽しみですね。このアルバムの曲たちをどう見せていくかをすごく考えています。ダンス曲が多いので、ライブ中にどこで自分の休憩ポイントを入れるかも考えつつ(笑)。アルバムの初回限定盤に付くDVDには去年の7月にやったライブ(「AYUMU IMAZU LIVE 2021 "Prologue"@SHIBUYA WWW X」)の映像も収録されるので、今回のライブではそこからの進化をしっかり見せたいと思います。

──メジャーアーティストとしてのここからの展望はいかがですか?

この1年でやっとAyumu Imazuとしてのアーティスト像が固まってきた感覚があるので、ここからはそこをもっと突き詰めていきながら、より多くの人に聴いてもらえる楽曲を作り続けていきたいですね。

──幼い頃に思い描いていたアーティスト像と今のご自身を比べてみて、何か感じるものもあります?

どうでしょうね。でも、想像よりも思い描いていたアーティストになれているかもしれないです。自分が想像していた理想のアーティスト像に近付けている実感はあるので、そこからズレることなく、このまましっかり進んでいきたいです。で、ゆくゆくはグローバルに活躍できるアーティストになっていきたいです。

Ayumu Imazu

ライブ情報

AYUMU IMAZU LIVE 2022 "Pixel"

  • 2022年11月23日(水・祝)東京都 WWW X
  • 2022年11月25日(金)大阪府 梅田CLUB QUATTRO

プロフィール

Ayumu Imazu(アユムイマヅ)

2000年5月12日生まれ、大阪府出身でアメリカと日本を拠点に活動しているアーティスト。6歳でダンスを始め、14歳より約3年半、ダンスやボーカルなどを学ぶため、アメリカ・ニューヨークに留学した。2021年に「東京2020オリンピック・パラリンピック」の成功を目指す「チーム コカ・コーラ」の公式ソングプロジェクトに参加。同年8月に配信シングル 「Juice」をリリースし、ワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー。2022年8月に1stアルバム「Pixel」を発表。11月には東京と大阪でのワンマンライブ「AYUMU IMAZU LIVE 2022 "Pixel"」の開催が控えている。