Ayumu Imazu インタビュー|新作「Don't Mind Me」でDa-iCE・花村想太と邂逅

Ayumu Imazuが3月31日に配信シングル「Don't Mind Me(feat. 花村想太 from Da-iCE)」をリリースした。

「Don't Mind Me」は、AyumuがかねてからSNS上で交流のあった花村想太(Da-iCE)をゲストボーカルに迎えた、爽快で疾走感のあるエールソング。お互いの間にあるリスペクトの感情と、それぞれのアーティスト性をぶつけ合うことで生まれた化学反応が渦巻く1曲となっている。

音楽ナタリーでは、Ayumu本人にインタビュー。1stアルバム「Pixel」をリリースした昨年後半からの活動を振り返ってもらいつつ、TBS系列プロ野球中継「S☆1 BASEBALL」の2023年テーマソングにもなっている「Don't Mind Me」の制作エピソードについて、花村から届いたコメントを交えながらじっくりと語ってもらった。

取材・文 / もりひでゆき

「Pixel」ワンマンで得たもの

──昨年8月リリースの1stフルアルバム「Pixel」を携え、11月に「AYUMU IMAZU LIVE 2022 "Pixel"」が開催されました。僕は東京公演を拝見させていただきましたが、本当に素晴らしいライブでした。

とってもうれしいです。自分としてもものすごいライブをしている実感がありましたし、アルバムを引っさげた内容だったので、ライブをする目的がより明確になった気もしていて。あの空間は自分としてもしっくりくるものだったし、何より本当に楽しかったです(参照:Ayumu Imazuが1stアルバムの世界観をファンと共有、VILLSHANAも駆けつけた熱狂の夜)。

──ダンス、歌、MCのすべてにAyumuさんの人柄がにじみ出ていたのが印象的で。あのライブを観てAyumuさんを好きにならない人はいないと思いますよ。

おお、本当ですか。ありがとうございます! 確かに僕は曲作りの段階から等身大の自分で向き合うことを常に大事にしているんです。ナチュラルに楽しみながら音楽活動をしている。それがパフォーマンスにも出ていたらいいなと思ってやっているので、その言葉はすごくうれしいです。

──デビューからの集大成的な意味合いを持っていたアルバムとライブを経て、Ayumuさんの中では次のフェーズがスタートした気持ちもありました?

そうですね。アルバム以降はシングルとして「Sunshower」を配信リリースしたり、ほかのアーティストの楽曲にフィーチャーさせてもらったりしつつ、次のアルバムへ気持ちを向け始めたところはありました。まだ漠然とはしているんですけど、いくつかやりたいことのイメージも自分の中にはあるので、それを少しずつ具現化できればいいなと思っています。

──そのために今はいろいろなことをやってみようという段階?

そうかもしれないです。2枚目のアルバムはコンセプトや世界観をしっかりこだわりをもって作っていきたいので、いろいろなことにトライしつつ、そこを探っていけたらいいですよね。

左からAyumu Imazu、花村想太(Da-iCE)。

左からAyumu Imazu、花村想太(Da-iCE)。

コラボ楽曲から受けた刺激

──今お話に出ましたが、昨年9月には日本発のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」に参加するavex ROYALBRATSと、12月にはNOAさんとのコラボがありました。

どちらもすごく刺激的なコラボでしたね。僕は昔からずっとダンスをやってきたし、「D.LEAGUE」に出ている知り合いの子も多いんです。なのでavex ROYALBRATSさんとのコラボにはすごく親和性を感じました。お話をいただいてから1週間後にRECするというかなりタイトなスケジュールではあったんですけど、僕の「やりたい!」という気持ちが強かったので受けさせていただくことにしたんです。そこで生まれた「ASOBIBA(feat. Ayumu Imazu)」は自分としてもかなり好きな曲に仕上がったので、いい経験をさせていただきました。

──「Just Feel It feat. Ayumu Imazu」をともに作ったNOAさんはAyumuさんと同い年のアーティストですよね。

ソロでダンスボーカルをやっている同世代のアーティストはNOAくらいしか知らないので、そんな2人のコラボはけっこうすごいトピックスなんじゃないかと勝手に思っています(笑)。同じフィールドの中、お互いライバル的な存在でありつつ、一方では刺激し合って高め合える関係でもある。こうやって一緒に制作ができたのはとてもうれしかったです。思っていた以上に2人の気が合ったのもよかったです。

──コラボするまでは、そこまで深い間柄ではなかったんですか?

そうなんですよ。僕のライブを観に来ていただいて、そこで挨拶するくらいの関係性だったんです。でも、「Just Feel It」の制作を通していろいろなことを話すようになったら一気に仲よくなることができて。MVの撮影後にごはんに行ったりとか、プライベートでも楽曲を一緒に作ったりとか。NOAは本当にすごく楽しい、かつ素晴らしいアーティストです。

その場にいる全員の心をかっさらう

──今年に入ってからはいくつかのイベントにも出演されましたね。

はい。まず1月に豊洲PITで行われた対バンイベント「BoyAge Festival 2023」に出演させていただきました。そこではDa-iCEさんともご一緒しました。3月には有明アリーナでの「D.U.N.K. Showcase」というイベントにも出させていただきました。今年に入ってから、自分のパフォーマンスを新しいお客さんに見てもらう機会が増えてきたので、すごくうれしいんですよね。

──そういう場でのパフォーマンスはいつも以上に気合いが入るところもあります?

めちゃめちゃ入ります(笑)。ワンマンの場合は、いつも自分の音楽を聴いてくれている方たちに感謝の思いを込めて楽曲を届ける感覚。でも、僕のことを知らないお客さんの前でパフォーマンスするときは、「その場にいる全員の心をかっさらうぞ」くらいの気持ちでやってるんで(笑)。気合いはより一層入りますよ。

──実際、観客の心かっさらえた手応えはありました?

どちらのイベントもすごくありました! 「BoyAge Festival」はオープニングアクトのあと、1発目が僕のステージだったので、とりあえず場を温めようという気持ちで挑みました。持ち時間の後半に盛り上がるダンス曲を持っていったんですけど、そこではお客さんがものすごく楽しそうに手拍子してくれて。Ayumu Imazuの音楽が初めての方にもしっかり届いた実感がありました。

日本とニューヨーク、それぞれの魅力

──今年に入ってからはニューヨークにもけっこう行かれていますよね。日本とアメリカを活動の拠点にしているから当然っちゃ当然なんですけど。

一応、ニューヨークに住んでますからね。とは言え、今年に入ってからニューヨークに行く頻度がいつもより高いです(笑)。

──向こうにいるときのAyumuさんはどんな感じなんですか?

東京ではずっと制作や稼働で動き回っているので、ニューヨークではわりとリラックスできるところがあって。身近にある街並みや自然や人から刺激を受けることで、クリエイティブ面ですごく頭が働くんです。なので、向こうでは曲を書いていることが多いですね。

──東京、ひいては日本で受ける刺激はどうですか?

もちろんそれもあります。同じフィールドで戦っているアーティストがたくさんいるし、そういう人たちと共演する場が日本ではすごく多いので。そういったところからも多くの刺激を受けています。

──両方の場所があってこそ、いい作用が生まれるんでしょうね。

そうですね。東京にいると常に意識を高く持って生活している自分がいるんですけど、ニューヨークでは本当に1人の人間として自由に生きていられる部分がある。東京ではAyumu Imazu、ニューヨークでは本名の今津渉でいられるんだと思います。2つの場所があることでバランスが取れているというか。

Da-iCE・花村想太との出会い

──では、ここからは新曲「Don't Mind Me」のお話を。今回はDa-iCEの花村さんが参加されていますが、かねてから交流はあったんですか?

花村さんが僕の曲を使ってダンスを踊ってくれたり、僕がDa-iCEさんの曲をカバーしたり、そういったSNS上でのやりとりから始まったんです。そのあと一緒にスタジオに入ってダンス動画を撮影したり、たまたま対バンでご一緒したりもあって、けっこう短期間で交流がグッと深まっていきました。

──Da-iCEというグループと、そこでボーカルを務める花村さんにはどんな印象を持っていました?

Da-iCEに関しては、楽曲がすごく素晴らしいという思いが強いです。J-POPの王道というか、ものすごく魅力的な音楽をやられていると思います。花村さんに関しては、グループとしてはもちろん、ソロ活動もされているので、ものすごく才能にあふれたプロフェッショナルな方だという印象があります。これまで踏んできた場数や、そこで培った経験値がとにかくすごいなと。そういった部分に関しては本当にリスペクトの気持ちが強いですし、たくさんの刺激をもらっています。

──今回インタビューするにあたり、花村さんからいくつかコメントをいただいているんです。まずはAyumuさんの印象から。

<花村想太 コメント>

若くして作詞、作曲、振付など制作面を完璧にこなす凄さはもちろんのこと、歌とダンスのクオリティの高さにも脱帽せざるをえません。
魅せ方も本当に素晴らしく、
特に目線の使い方が本当に素敵で自分自身も参考にさせていただきました。

えーっ! めちゃめちゃうれしいです! 目線の使い方まで褒めていただくなんて、ものすごくうれしいですよ。

──ご自身でも目線の使い方は意識している部分なんですか?

いや、あんまり意識していないです。だからこそ、そういったところをピンポイントで褒めていただけることに感動してしまうというか。花村さんにそんなことおっしゃっていただけるとね、今後は意識しちゃって目がキョロキョロしちゃうかもしれないです(笑)。

──そんな花村さんとのコラボはどんな流れで実現したのでしょうか?

交流を深めていく中で、「何か一緒にできたらいいよね」という話になったんです。最初は僕に振付をしてほしいとか、曲を作ってほしいという提案を花村さんからいただいたりもしたんですけど、せっかくだから2人で曲を作れたら面白いよねということになったんです。そんな中、楽曲にTBSのプロ野球中継「S☆1 BASEBALL」のタイアップが決まったりもして。花村さんとの初コラボに最上級の舞台が整った感じでした(笑)。