シンプルに歌で勝負した

──「KODA KUMI LIVE TOUR 2024 ～BEST SINGLE KNIGHT～」で特に印象に残っているパフォーマンスはありますか？

「愛のうた」ですね。“曖昧な関係でもいいからあなたと一緒にいたい”という歌で、今までライブでは何度も歌ってきてるんですけど、このときは強そうに見える女性が切ないラブソングを歌うというテーマで披露したくて、大人カッコいい黒ドレスを着ました。「愛のうた」はきれいめなドレスを着て歌うことが多いので、新たな倖田來未を見せられたんじゃないかと思います。

──歌をしっかり聴かせるというシンプルな演出によって「愛のうた」のよさが光りますね。

歌で勝負した曲なので、そう言っていただけてホントにうれしく思います。うれしい！ 倖田來未は「あれもしたい。これもしたい」と演出を詰め込みすぎることが多いんですよ。だけど、今回はボーカルをしっかり立たせて、前半は繊細に、後半はドラマティックに仕上げました。生バンドの皆さんの演奏も素晴らしかった。

──このハイトスピーカーで聴きたいですね。

ちゃんと歌えてるか心配ですけど、きっと素敵な声が届けられるのかなと思います。

──ライブが終わったあとは自己採点するんですか？

MCと歌は毎回してます。歌がうまくいったときほどMCでスベるんですよ（笑）。うまいこと歌えへんかったなと思ったら、MCで取り返そうと一生懸命しゃべる。

──そういうバランスを意識しているんですか？

やっぱり関西人なので、MCも重視してます。歌に関しては「全曲気持ちよく歌えたな」と満足できることってなかなかなくて、もうちょっとうまく歌いたかったなと反省しますね。

──「AQUOS QD-OLED」と「AQUOS XLED」の店頭プロモーションでは「KODA KUMI LIVE TOUR 2024 ～BEST SINGLE KNIGHT～」から「キューティーハニー」「恋のつぼみ」「Butterfly」のライブ映像が使用されます（※店舗や期間により上映されていない場合あり）。ぜひ多くの方々に楽しんでいただきたいですね。

もう全曲流してほしいくらい、みんなに観てほしい！

「キューティーハニー」を披露する倖田來未。

倖田來未みたいな人がいっぱい

──今年はデビュー25周年イヤーですね。おめでとうございます。12月14日までアリーナツアー「KODA KUMI 25th ANNIVERSARY TOUR 2025 ～De-CODE～」が開催されていますが、10月の京王アリーナTOKYO公演の手応えはいかがでしたか？

めっちゃ楽しかったですね。20周年はちょうどコロナ禍で、お客さんが声を出しちゃいけなかったり、ソーシャルディスタンスを守らなければいけなかったり、いろんな制限があったので、ちょっと寂しい20周年だったんです。それを経ての25周年で、お客さんの声援を受けて、もう感動が押し寄せてきました。

──スタッフチームには女性の方が多くいらっしゃるそうで。

そうなんですよ。女の子のスタッフがたくさん加入してくれたこともあって、女性から見てカッコよくて、美しいと思う倖田來未をより打ち出せたかなと思います。

「KODA KUMI 25th ANNIVERSARY TOUR 2025 ～De-CODE～」東京・京王アリーナTOKYO公演の様子。

──例えば、ピンヒールで踊ったり歌ったり、そういう倖田さんらしいスタイルは長年ブレていないですよね。

倖田來未としてあるべき姿で居続けたいので、自分のためというより「ファンの皆さんはこんな倖田來未が見たいだろうな」と想像しながら、ボディメイクをすごくがんばっています。やっぱり年齢を重ねて、30曲近く歌い続けることが体力的にキツいときもある。でも、お客さんの声援のおかげで、リハよりも力が出るんですよね。ファンの皆さんの存在がこんなにも私のパワーになるんだと、「De-CODE」ツアーで特に感じています。

──12月13日と14日には大阪城ホール公演があります。地元の関西だと、ステージに立つ気持ちも変わりますか？

地元に帰ってきたなと思いますね。関西ならではのおもてなしというか、「くぅちゃんお帰り！」という温かな空気感がたまらなく気持ちいいですね。イントロのたびにキャー！ 私が振り向くたびにキャー！みたいな。どこのアイドルやろ？って勘違いするぐらい、お客さんが反応してくれはる。テンションが上がりすぎて、あかんことを言ってしまうのが大阪のライブ。全国の会場に行かせてもらってますけど、関西は緊張しない（笑）。

──家族の絆みたいな。

私のライブに初めていらっしゃる方がいたら、安心してください。会場に倖田來未みたいな人がいっぱいいます（笑）。ある意味、倖田來未よりエンタテイナーです。「写真撮ってください！」とお願いしたら、みんな倖田來未のポーズをしてくれますから。

──最後に、今後の活動への意気込みを聞かせてください。

いくつになっても挑戦することを恐れない。これからもポジティブなマインドで歩いていきたいです。

左から倖田來未、大抜卓人。