“リアルファイター”によるアニメ主題歌

──では改めてニューシングルの表題曲「DDD」のお話を。この曲は現在放送中のテレビアニメ「フューチャーカード バディファイト トリプルディー」のオープニング主題歌になっています。

出だしから「燃えろBUDDY FIGHT!!」っていうフレーズが入っていますし、「勝つ日もあれば負ける日だってあるけど」とか、アニメのストーリーに寄り添った歌詞になっていますね。僕自身、実際にカードゲームをやっている“リアルファイター”でもあるので、作品の世界観にはすぐ入り込むことができました。世の中にいるカードファイターの方々が抱くであろういろんな感情を代弁して歌わせていただいた感じもありました。

──同時に、アニメの世界から切り離して聴いてみても、そのメッセージはリアルに響いてくる感じもあって。聴き手を鼓舞してくれるパワーがありますよね。

そうですね。カードゲームをやっている方たちだけじゃなく、普通の日常にも置き換えられる曲だとは思います。人生は勝ち負けではないと思うけど、生きていればよくないことが起こってしまうこともあるし、失敗したとか成功したとかで一喜一憂することもある。そういう毎日を送っているすべての人たちの背中を押せる曲になったらいいなっていう気持ちはありました。この曲を聴くことで、信頼できる仲間との絆を大事にしつつ、前向きに日々を戦ってもらえたらいいなって。

──レコーディングはスムーズに進みました？

はい。すごく歌いやすかったです。やっぱり実際にカードゲームをやっていることが大きかったような気はしますね。歌っている最中には、頭の中に自分の持ってるデッキとか対戦の光景が浮かんできたりしていたので。

──声優としても参加しているアニメ作品でもありますしね。

そうなんです。黒渦ガイト役として出演させていただいてます。僕は小さい頃からアニメが好きで、自分が出演している作品に自分の歌が使われるのが夢だったので、本当にうれしいし、感動しますね。

──今回のシングルはビジュアル面もかなりクールで男らしいイメージになっています。

今回は衣装に関してもちょっとわがままを言わせていただいて。僕のアイデアでベルトをたくさん巻かせていただいたり、髪の毛を編み込みにしていただいて。前回のシングル「イノセント」はイメージカラーが白でしたけど、今回は黒とネオンっぽい差し色で、大人っぽさも表現できたと思います。

──ミュージックビデオも拝見しましたけど、最後にはかなり大きなサプライズも用意されていますよね。

あ、ビックリしました？ よかった！（笑） 先に公開していたショートバージョンでは最後のサプライズまで観ることができないんですよ。ファンの皆さんにもきっとビックリしてもらえると思うし、今までの蒼井翔太にはなかったMVになっていると思うので、ぜひ初回限定盤に付属しているDVDをチェックしてほしいですね。

蒼井翔太にしかできない人魚姫

──そしてシングルにはもう1曲、「Endless Song」も。こちらは12月に行われる蒼井さん主演の舞台「スマイルマーメイド」のテーマソングですね。

はい。前回の舞台ではかぐや姫を演じさせてもらい、今回は人魚姫を演じます。なので、この曲では海の世界を想像できるような楽器を使って、人魚姫の世界を表現していただきました。

──スケール感のあるドラマチックなサウンドの上を流れる蒼井さんのボーカルは、「DDD」や「north star」とはまったく違った表現をされていますね。

舞台に出てくる主人公の人魚のイメージで歌わせていただいたので、歌い方や声質はガラッと変わってますよね。シングルのジャケットのイメージでこの曲を聴くと、そのギャップに驚くかも（笑）。「え、この人がこれを歌ってるの？」みたいな。そういう部分も1枚のシングルとして楽しんでいただけたらうれしいですね。

──この曲のような繊細で幻想的な声色も自然に出すことができるんですか？

曲に寄り添うと自然と出ます。不思議ですけどね、自分でも。どうやって出してるのか説明できないので。こういう声のときはこういう声帯の使われ方をしてますよとか、お医者様に説明してもらいたいですね（笑）。

──さまざまなフィールドで活躍している蒼井さんにとって舞台というのはどんなものですか？

全身を使ってその役になりきるという意味で、アニメやゲームのアフレコとはまた違った楽しさがありますね。実際に衣装を着ることができるっていうのも楽しいです。衣装をまとうと自然に所作まで変わってきますから。いろんな表現の仕方があるんだなっていう発見も毎回ありますね。「スマイルマーメイド」は完全オリジナルのお話なので、ここでしか見ることのできない、蒼井翔太にしかできない人魚姫の物語になると思いますよ。

──シンガーとして、声優として、役者として、ここからも“Next Stage”目指して突き進んでいくんでしょうね。

そうですね。すでに今後について、いろいろ決まっていることもたくさんあります。楽しみにしててください。