パワフルな後半

──次の「いいの」は、自身を鼓舞するような力強いバンドサウンドで。

これはシングル「笑顔」のカップリングですね。この曲はロックだけど、女の子の気持ちがストレートに書けたなと思って、絶対アルバムに入れたいなと思ってたので外せなかった（笑）。後半になるにつれて、気持ちが爆発してる感じを聴いてほしいです。次の「Don't give it up」にも通じる力強さがあったらいいかなと思って、ここに入れました。続く「Don't give it up」と「EMERGENCY」は最後の盛り上がりを担っていてくれて。ライブでもだいたいこの曲が後半で盛り上げてくれてます。

──「Don't give it up」はシングル「太陽に笑え」のカップリングでしたよね。

はい、ガブリエル・アプリンさんをフィーチャーした曲なんですけど、アルバムに収録されているバージョンではコーラスを私が担当していて。耳を澄まして聴き比べていただくと声の違いがわかるかもしれない。

──自分で全部やるとまた違う雰囲気になったりしました？

全然違います、イギリス感がちょっと減った（笑）。「アプリンさん、すごい！」と思いました。

──「EMERGENCY」で盛り上がったあと、アコースティックの「Come back」へ。

はい。「Come Back」は私の中でエンディングテーマなんです。「蛍の光」みたいな感じ。「EMERGENCY」でもう1回“ロック”という原点に戻って、安らぎみたいな「Come Back」で終わると、私っていうものがわかりやすいなと思って。私にとって大切な伊江島という存在を忘れてほしくなかったので、最後に「Come back」というのどかな曲を入れました。バンジョーギターも入れてもらって。「沖縄の出身じゃないけど聴くと故郷に帰りたくなる」と言ってくれる人がいて、故郷を思う気持ちはみんな同じなんだなって思いましたね。

人の縁に恵まれて生きてきた

──改めてデビューからの1年半を振り返ってどうですか？

いろんな人と出会えた1年半だったなと思っています。デビュー前から、人の縁に恵まれて生きてきたなと思っていたんですけど。スキマスイッチさんもそうですし、遠く離れたガブリエル・アプリンさんもそうですし。スキマスイッチさんの「ボクノート」という曲がすごく好きで、「カラノココロ」を作っているときにいつも聴いて励まされていたんです。歌をきっかけに、人とつながれたというのがとてもうれしいです。逆に、ライブでは私の曲をいいなと思ってくれてる人たちが集まってくれて、全然知らない隣の人と仲良くなって帰っていく姿も、なんかうれしくて。音楽を一緒に楽しんでいる雰囲気ももちろん好きなんですけど、帰りに友達が増えてる感じがすごくうれしい。そういうふうにどんどんつながって、つなげていけたらいいなって思ってます。

──Anlyさん自身もつながっていくし、聴いている人たちもつながっていくんですね。

それが一番、音楽をやっている意味があるなあと思います。

──アルバムが出て、これからの希望はありますか？

アルバムリリース後、初めてライブツアーをやるんです。東京以外はバンドでライブをするのが初めてなので、バンドでの姿を見せられるのがとてもうれしいです。特に沖縄では全然ライブをしてなかったので、「がんばってるよ」「こんなふうに歌ってます！」というのを見せられるのがうれしいです。友達や両親もすごい楽しみにしてくれてて、私もすごく楽しみなんです。