AKB48|57thシングル選抜メンバーが思う“アイドル”とは? 最後の1期生がズバズバ答えるお悩み相談も

最後だから! 峯岸みなみ先輩に相談したいこと

──いよいよ峯岸さんの卒業コンサートが4月2日に迫ってきました。この際ですから“現役最後の1期生”である大先輩に相談や質問があればお願いします。紆余曲折を経た峯岸さんだからこそ、深みのあるアドバイスがいただけるかもしれません。今度は年功序列で上からいってみましょうか。

村山彩希

「メンバーの指導法で行き詰っています」

村山 今、私はTeam 4のキャプテンを務めているんですけど、人を怒るということがどうにも苦手で……。ついついメンバーを傷付けるような言葉を使ってしまうことがあるんです。例えばですけど「太ったね」と言われたら、誰だって傷付きますよね。体型のことでアドバイスするにしても、その言葉を使う必要はないわけですし。

峯岸 確かに言い方の問題っていうのはあるよね。

村山彩希

村山 さすがに私も「太ったね」と言ったことはないですよ。でも「振りが1人だけ違うよ」と言うことで委縮しちゃうメンバーが出てくる。そうするとこっちも自己嫌悪に陥って、発言ができなくなってくる。どうしたもんだろうなって考えちゃうんですよ。

峯岸 なるほどね。まず言えるのは、彩希はチームの中で尊敬されているということ。これは大きいよ。「あの人が言うなら」ってことで、みんな素直に耳を傾けてくれるはずだから。

村山 そうだとうれしいんですけど……。

峯岸 いや、これはホント! 例えばネットで「ダンスが下手」とか「トークがダメ」とダメ出しされるメンバーがいるとするじゃない。その子にしたら「言われなくたって自分が一番わかってるのに」って気持ちになってしまうと思う。世論として指摘されることって、例え内容がその通りだったとしても、本人としてはどうしようもないからね。

村山 そうですよね。

峯岸 だけど、これが尊敬する人に言われると話が違ってくる。「あなたがもう少しうまくしゃべることができたら、私はうれしいんだけどな」と彩希に言われたら、その子はどう思う? 「Team 4全員のダンスがもっとそろっていたら、私、めちゃくちゃ素敵だと思うんだよね」と言われたら? 尊敬する彩希のためにがんばろうって考えると思うよ。だから客観的事実を突き付けるのではなく、「私は、あなたにこうしてほしい」という伝え方をするのがポイントかな。

村山 みいちゃんもTeam 4のキャプテンでしたもんね。私、みいちゃんみたいに器用じゃないからなあ。

峯岸 一度、爆発するのも手かもよ? 私もTeam 4のキャプテンになったときは「常にお姉さんでいなきゃ」と気張っていたんだ。だけどやっぱり嫌なものは嫌だし、つらいときはつらいじゃない。だんだん自分の感情を出すようになっていったんだよね。そうしたら歳下メンバーたちも「そうか。同じ人間なんだな」とわかってくれるようになって。結果、そっちのほうが自分も楽になれた。

村山 そうなんですね。すぐに素を出すことができるかわからないですけど、みいちゃんの意見を聞くことができただけでもよかったです。

岡田奈々

「緑の髪の毛ってアリでしょうか?」

岡田 実は今、髪の毛を緑色にしたいと考えているんです。チョコミントみたいな色をイメージしているんですけど、もともと緑が好きなんですよ。でも、緑の髪の毛ってNGなんですかね?

峯岸 髪の色とか髪型、わりと頻繁に変えるほうだよね。

岡田奈々

岡田 そうですね。コロコロ変えるかも。だけど最近はみいさんの卒業曲「また会える日まで」MVに参加するということもあって、同じ髪型をキープしているんですよ。

──躊躇しているのは、ファンに引かれそうだから?

岡田 いや、ファンの人にどう思われるかはさほど心配していないんです。だけどグループの一員として活動しているわけだから、全体のイメージを壊すのは嫌だなって。その部分で悩んでいるんです。

峯岸 この相談に対する答えは極めてシンプルですよ。何色にしようが、坊主よりはマシ! 以上です!

一同 ははははは(笑)。

岡田 だけど真面目な話、みいさんの卒業コンサートに緑の髪の毛で出たら、主役より目立っちゃうかもしれないじゃないですか。それもどうなのかなって思うんですよね。

峯岸 いや、全然アリでしょ! 初期メンの間でも「あの緑の子って誰?」みたいに話題になるだろうし。自分のことを知らない人がいる場だからこそ、インパクトを残すチャンスじゃない。自分の好きなようにすればいいんだよ。誰が主役とかそんな細かいこと、別に気にしないでほしいな。

岡田 うれしい……本当に優しいなあ。

向井地美音

「どっちが本当の自分なんですか?」

向井地美音

向井地 ファン目線の質問です。1期生と一緒にいるときのみいちゃんと、私たちと一緒にいるときのみいちゃん……私からは少し違うように見えるんですよね。ご自身の感覚的にはどうなんですか? 例えば私たちといるときだけお姉さんモードになったりするものなんですか?

峯岸 正直なことを言おうか? 1期生といるときのほうが、自分のファンに対するサービスタイムみたいな感覚がある。

岡田 ん? どういうことですか?

峯岸 私のファンの方っていうのは、1期生と一緒にいる私の姿を見て好きになったというパターンが多いのね。先輩として後輩を引っ張る姿より、同期の中で妹分として甘えているほうがピンと来るんだと思う。そういう意味で、1期生といるときは少し“妹成分”を増している部分があるんだ。

村山 すごい! 本当にめちゃくちゃ空気を読むんですね(笑)。

峯岸 そうやって自分で自分の首を絞めている感じもするんだけど(笑)。だから後輩といるからって無理してお姉さんぶっている意識はないわけ。それよりは1期生の中にいるときは意識して妹感を出そうとしている感覚。だから、みーおん(向井地)も「1期生といるときのみいちゃんは周りに甘えていて楽しそうだな。私たちといるときは無理しているのかな?」なんて考えないでほしい。むしろ1期生といるときのほうがエンタメ寄りだから。

向井地 エンタメ寄り! ぶっちゃけてきますね(笑)。

峯岸 いや、どっちも本当の私だけどね。自然な感じでやっていたら、こうなっちゃっただけだよ。

山内瑞葵

「ズバリ、トークのコツを教えてください!」

山内瑞葵

山内 どうしようかなあ。峯岸さんにご相談したいことは本当にいろいろあるんですけど……でも、やっぱり一番はトークのことになっちゃいますね。私、こういう取材の場で話すのがすごく苦手なんですよ。アドリブが効かないので、その場でとっさに言葉が出ない。いい加減どうにかしたいって自分でも思うんです。その点、峯岸さんはこうやって一緒にインタビューを受けていても言葉がスラスラ出てくるから本当にうらやましくて。何かトークのコツみたいなものはあるんですか?

峯岸 まず「自分の考えを話す」という行為は、大きく分けて2種類あると思うんだ。

山内 ……2種類ですか?

峯岸 そう。1つは未来のことについて話す場面。「ライブの内容をどうするか?」とか、そういった打ち合わせが典型例だよね。これは私も言葉に詰まるの。自分で考えながら話すわけだから、スラスラ言葉は出てこないよ。で、もう1つが過去のことを話す場面。インタビューとか囲み取材って「センターになったとき、どう感じましたか?」とか過去のことを聞かれるわけじゃない? だから考えずに自分の中にあるものをスッと出せばいいだけなんだよ。

山内 なるほど。でも、それが簡単にできれば苦労しないというか……。

峯岸 きちんと文章にする必要なんてないんだから。そのとき自分が感じていた言葉を素直に出せばいいだけなの。センターになったときの感想だったら、「頭が真っ白になりました」とかでOK。飾らないで自分の中から出た言葉が、意外と見出しとかでは使われるものだよ。

向井地 「見出しで使われる」か……そういう感覚って自然と身に付くものなんですかね。

峯岸みなみ

峯岸 どうなんだろうな。私の場合、変なところでサービス精神旺盛というか、人が喜びそうなことをしゃべっちゃう癖があるのね。これは私のよくないところでもあるんだけど……。

岡田 え? なんでですか?

峯岸 その場の空気を必要以上に読んじゃうんだろうね。「今、自分がこういう発言をしたら場が盛り上がる」みたいな勘が妙に働くの。

村山 すごいじゃないですか! その能力、普通にうらやましいですよ。

峯岸 いやいや、それであとから後悔することも多くて。「言ってしまった。あれは私の本心じゃなかったのに……」みたいな(笑)。そんな私からすると、100%思った通りのことをしゃべっているぱるる(島崎遥香)とかはカッコいいなと思ってた。ずっきーも素の自分を出したほうがいいタイプだと思うよ。

──全員が峯岸スタイルに合わせる必要はないと。

峯岸 その通りです。同じやり方をされたら、こっちも商売あがったりです(笑)。でも今日はみんなのいろんな考え方が知れて楽しかったです。いろんなことで悩んでいることも知れましたし。悩みというのは「もっとAKB48をよくしたい」という気持ちがあるから出るものだと思うんです。そういう意味では、AKB48の未来は明るいなと思いました。

山内向井地岡田村山 峯岸先輩、ありがとうございました!

後列左から村山彩希、岡田奈々、向井地美音。前列左から峯岸みなみ、山内瑞葵。