AKB48|57thシングル選抜メンバーが思う“アイドル”とは? 最後の1期生がズバズバ答えるお悩み相談も

AKB48が3月18日に57枚目のニューシングル「失恋、ありがとう」をリリースする。

このシングルは16期生の山内瑞葵がシングル初センターを務める表題曲と、Type A盤のカップリングに現役最後の1期生である峯岸みなみの卒業ソング「また会える日まで」を収録するなど、出会いと別れの季節にぴったりな内容となった。音楽ナタリーでは選抜メンバーから山内瑞葵、峯岸みなみ、村山彩希、岡田奈々、向井地美音の5名にインタビュー。新曲の聴きどころはもちろんのこと、5人に「アイドルにとって大切なこと」を聞いたほか、メンバーから峯岸に聞きたかった質問をぶつけてもらった。注目の回答やいかに。

取材・文 / 小野田衛 撮影 / 中野修也

初センターになったからには!

──まずは新曲のことからお伺いします。グループにとって57枚目となるシングル「失恋、ありがとう」ですが、ズバリ聴きどころは?

向井地美音 やっぱりここは、ずっきー(山内)から説明してもらったほうがいいんじゃないかな。初のセンターですから。

山内瑞葵

山内瑞葵 わかりました! この曲はタイトル通りの失恋ソングなんです。だけど失恋したことをウジウジ悔やんでいるのではなくて、フラれたことで前向きになろうとしている女の子の歌。難しいのは主人公が完全に振り切れているわけではなく、「今でも大好きで忘れられないよう!」という気持ちもまだ抱えているんですよ。

峯岸みなみ 今の「忘れられないよう!」っていうずきちゃんの言い方、最高にかわいい(笑)。

山内 ありがとうございます(笑)。

向井地 大事な人との別れというのは失恋だけでなく、例えば卒業も同じだと思うんです。春だから、これを読んでいる皆さんの周りでもさまざまな別れがあると思いますし。そんなとき、次のステップに向けて背中を押してくれる曲です。

岡田奈々 曲調には少し懐かしいテイストがあるんですよ。リズムの刻み方も「ズンチャチャ、ズンチャ」って感じで。幅広い層の方に気に入ってもらえるんじゃないかと思います。

左から峯岸みなみ、岡田奈々、山内瑞葵、村山彩希、向井地美音。

──山内さんとしては、初センターということで気負いやプレッシャーもある?

山内 自分がAKB48に入ったときの目標というのが2つあって、1つは、グループにとって欠かせない存在になること。もう1つが、センターに立って、グループの魅力を広く世間の方に知ってもらうということだったんです。そういう目標を立てていたにも関わらず、いざ自分がシングルのセンターに決まったと聞いたときは、うれしいというよりも不思議な感覚でした。正直まだまだ自分に自信がないから、突然のことに戸惑ってしまって。

村山彩希

村山彩希 なるほど。意外にそういうものかもね。

山内 でも私、ここからだと思うんですよ。ここが本当のスタート。せっかく念願のセンターに選んでいただけたんだから、自分から発信して個性豊かなメンバーの魅力を知ってもらいたいんです。「失恋、ありがとう」がきっかけとなり、「今のAKB48はよくわからない」という方にアピールできたらとも思いますし。そのために自分は何ができるのかを今は必死に考えています。

──センターともなると、メディアから質問を受ける機会も増えるはずです。

山内 そうなんですよね。とにかく私はしゃべることが苦手だから、すごく不安で……これでもマシになったほうだと思うんです(笑)。初選抜のときは今よりもっと話せなかったですし、ましてや自分の考えを伝える方法もわからなかったですから。結局、そこも足りないのは自信だと思うんですよ。こうやって貴重な経験を積む中で、少しずつ克服していきたいです。

峯岸みなみの卒業ソング

──一方、カップリングの「また会える日まで」は峯岸さんの卒業ソングだと伺っています。

峯岸 AKB48のメンバーでいる以上、卒業ソングを秋元(康)先生に書いてもらうのは間違いなく夢なんです。同期や後輩たちがそれぞれに向けて贈られた曲と一緒に去っていく姿を、私自身もうらやましい気持ちで眺めていましたし。だけど私の場合、いかんせん過去にいろいろあったものですから……(笑)。それでも卒業発表することを秋元先生に相談したところ、「だったら卒業ソングは絶対にいいものを書くよ」と真っ先に言ってくれたんです。私としては、その時点でものすごくうれしく思いました。

──峯岸さんは間違いなくAKB48の功労者ですから。

峯岸みなみ

峯岸 いやー、例えば同じ1期生でもたかみな(高橋みなみ)とか陽菜(小嶋陽菜)はAKB48の後輩に影響を与えたと思うんです。だけど私の場合、悪い影響ばかり与えちゃった気がして……。

岡田 そんなことないですよ!

峯岸 歌詞が届いたのはミュージックビデオのリップシーンを撮る直前の、けっこうギリギリのタイミングだったんです。それくらい秋元先生がいろいろ考えながら作ってくれたんだろうし、またその歌詞自体もものすごく素敵で……最初に目を通した瞬間、私、その場で泣きました。「最後くらいはちゃんとしなくちゃ」という歌詞で始まるんです。これこそ、まさに卒業を前に自分が考えていたこと。最近は秋元先生と会う機会が少なくなっていたんですけど、やっぱり私のことをよく見てくれているんだなと改めて思いました。卒業コンサートでも精一杯、気持ちを込めて歌いたいです。