AKB48 指原莉乃×柏木由紀×吉田豪|ギリギリトーク再び、トップアイドルが語る赤裸々エピソードと“卒業後の未来”

スキャンダルネタで深みが出た

──カップリングの指原さんソロ曲「私だってアイドル!」は、いかにもな卒業ソングではなく直球のアイドルソングになりましたね。

指原 表題曲(「ジワるDAYS」)に関しては秋元(康)さんと話してないんですけど、こっちは「バラードはやめます?」と連絡が来て。普通なら最後にいい曲を歌って卒業するところですけど。

柏木 絶対そうだね。

指原 「指原はバラードじゃなくてもいいんじゃない?」という感じで、「ブリブリのアイドルソングで卒業しましょう」と。でも歌詞はけっこう卒業ソングっぽいんですよ。今までもらった曲で一番好きかもしれないです。

──それは、その場に合わせてそれっぽいことを適当に言ってるわけじゃなくて。

指原 これはマジ(笑)。もしかしたら昔も同じようなこと言ってるかもしれないですけど、今回はマジなんで。

柏木 更新した?

指原 更新しました!

──でも、今のは本音っぽく聞こえますよ。

指原 あはは(笑)。でも、今回は表題曲もソロ曲もどっちも好きで、いい曲だなって思います。

柏木 いい曲。

──卒業ソングなのに、ちゃんとスキャンダルにまで言及して。

指原 “わざわざ”ですよ! 歌入れ当日に歌詞が変わって、スキャンダルネタを入れられましたからね。

──そうだったんですか(笑)。

指原 そんな歌詞なかったのに当日いきなり歌詞が変わって、そこだけ入ってきたんです。

──「リアリティが足りないから」みたいな。

指原 はい。ありがたいです、深みが出ましたから(笑)。あと、もともとはサビの歌詞が“りのちゃん”じゃなくて“さっしー”だったんですよ。でも「“さっしー”と呼ぶ私のファンはあんまりいないから変えてください」と言ったら「ちょっと考えます」って。秋元さん的には“さっしー”にすることで日本中が応援できる楽曲になるというこだわりがあったみたいで。でも、結局“りのちゃん”にしてくれてました。

柏木 やさしい。

──ファンは後藤真希のことを“ゴマキ”って呼ばない問題みたいな。

指原 そうそう。そういうことです。

今の時代、わざわざCD買いますか?

──今回のシングル、指原さんの卒業ソング2曲だけでも強いのに、カップリングは坂道AKBやIZ4648(IZ*ONE、乃木坂46、欅坂46、AKB48の混成グループ)の楽曲ですし、総力戦って感じもしますよね。

指原 毎回この時期はそうなんですよね、実は。だから私の卒業シングルだからっていうわけではホントになくて、春のシングルは毎回こんな感じだから、そこまで考えてないんじゃないかな。

柏木 うん。そう思う。

指原 しかもIZ4648はミュージックビデオなしだから各々のファンが買ってくれるわけじゃないと思うし(笑)。

左から吉田豪、指原莉乃、柏木由紀。

──そんなものなんですか(笑)。

指原 みんなMVが好きだから。

柏木 そうだね。声だけじゃね。

指原 ネットで買えちゃうし。声だけでCDを買う時代じゃないですから。だから、いつもと変わらぬ“春シングルフォーマット”です。もうできちゃってるよね。春はこう、秋はこうって。

柏木 確かに。

──そこにIZ*ONEが加わったことで何か大きな変化もなく。

指原 それはIZ*ONEへ対しての悪口的な発言ではなく、声だけだから。

柏木 これはね。

指原 これは別にIZ*ONEだけではなく、AKB48のファンも声だけだと……だって今はデジタル時代ですよ。ネットで買えちゃいますから、なんだって。我々Apple Musicファンだもん。入ったでしょ?

柏木 入ってる。配信サービスでしょ。

指原 私も入ったんですよ。今の時代、やっぱり配信が強いし。

──どこよりもCDを売ってきたグループとしては、ちょっと言いづらい発言ですけど。

指原 配信で買えちゃうから便利だよねー。

柏木 便利な世の中だね。

──どうしてもアイドルの楽曲を聴いてると、世間の人がもうCDをほとんど買わないということを忘れがちになっちゃうんですけど、指原さんの客観性は面白いですね。

指原 客観性あります? ゆきりんもそうですよ。冷めてる。

柏木 ちょっと語弊が(笑)。

指原 私も冷めてるし、ゆきりんも冷めてるよね。

柏木 確かに。2人の会話はそうかも。

指原 お互い携帯を触りながら「なんとかだよねー」みたいな。

柏木 気を使わず意見を言いやすい。

指原 そうだね。客観視した意見をお互いにお届けしてる感じ。

柏木 しかも言ってることにすごく共感できるから、なんでも言えるのかも。さっしーならわかってくれるであろう悪口とか(笑)。

指原 基本、悪口だよね。

柏木 マジで悪口ばっかり(笑)。

指原 そう。悪口だけど……。

柏木 傷付けるためのじゃない。

──ボヤキに近いような感じで。

指原 それを言うことで何か変わるようだったら言うんですけど、言うほどでもない内容ですね。

柏木 でも、ちょっとモヤッとしてることを言って共感するみたいな。

プロデュースに生かせたアイドルオタク目線

──やっぱり同じようなヲタ活動を経て、同じようなキャリアを積んでるから、2人の考え方はだいぶ重なる部分があるんですね。

指原 確かにファン寄りの意見が多いもんね。

柏木 そうだね。

──ヲタを通ってるか通ってないかって大きいと思うんですよ。

指原 それはあるかも。

左から指原莉乃、柏木由紀。

柏木 目線的にはアイドルオタクをやっててよかったなと思うことは多々ありますね。握手会では初めて会うファンの方と何をしゃべればいいのかわからないという子も多いんですけど、私はファンとして握手会に行ってた身だから、自分が「こういうことを言われたら素直にうれしかった」と思ったことをファンの方にしてあげたいなと自然と考えられるんです。ライブのセットリストも「こういうのだったらアガるな」と考えられるし、オタクやっててよかったなって思う。生かされてる。

──指原さんも完全にその視点でプロデュースまでできてる人ですもんね。

指原 そうですね。=LOVE(指原がプロデュースを手がけるアイドルグループ)はそうなるようにしています。楽曲も無駄のないように、コンサートでやらない楽曲は作らないようにしています。AKB48はいろんな楽曲がありすぎて、「これはコンサート向きじゃないな」と思うものもあるんです。それがAKB48のよさでもあって、いろんな楽曲を作るのが秋元さんのこだわりだと思うので。でもイコラブは作品を作る時間がないというか、作品としてだったらいいよねという楽曲を作る余裕がまだないので。

──予算や時間があるんだったらいいけど。

指原 そうそう。枚数もいっぱい出せるわけじゃないので、1曲1曲全部使える楽曲にしようとしてます。

柏木 即戦力で。

指原 うん。

──ちゃんとしてますね。

指原 ありがとうございます(笑)。

指原莉乃がいなくなる影響を考える

──だからこそ、指原さんがいなくなることの大きさって相当だと思うんですよ。

柏木 めちゃめちゃ大きいですよ!

指原 それってあっちゃん(前田敦子)のときも(大島)優子ちゃんのときもたかみな(高橋みなみ)のときも毎回あった話だけど、結局今でもグループはがんばってるので、ホントに大丈夫なんですよね。

柏木 いや、でも違うじゃん。

──ただ普通にセンターポジションの人や総監督がいなくなるわけじゃないってことですよね。

柏木 そう!こういう人がまた出てくるとは今のところ思えない。

指原莉乃

──運営に意見を言えて、うまい具合に毒抜きできて、仕事ができる人。

柏木 あとAKB48と外のつながりを作ってくれる人がいなくなっちゃう。だって「紅白(歌合戦)」の現場で五木ひろしさんとめっちゃしゃべるんですよ。そんなことができる人、正直いない! 向こうも普通に「さっしー!」みたいな感じだからすごい!

指原 あー! そうだよね。

柏木 それができる人は正直やっぱりいない。

指原 パワーワードだらけだったね、今(笑)。

柏木 「紅白で五木ひろしさんとめっちゃしゃべる」(笑)。

──誰かが埋められるわけじゃないですもんね、そこは。

指原 確かにそれを実感したのは(明石家)さんまさんとの番組のときで。

柏木 「明石家紅白!」だ(参照:さんま司会「明石家紅白!」に竹原ピストル、山崎育三郎、AKB48、由紀さおり、森山良子)。

指原 そう。そのトークブロックのときに、最初はウチの若手とさんまさんが絡むみたいな感じだったんですけど、後半はやっぱり私とさんまさんのエピソードトークみたいな時間になっちゃうとか。それがディレクターの考えなのか、さんまさんの考えなのかわからないけど、そっちが無理だと思ったからこっちに切り替えたっていうのがあると思うので、そういうときにやっぱり外との接点はね。

柏木 そうなんだよね。それはめちゃめちゃ大きい。

指原 知ってくれている人がいるというのは、やっぱり大きいから。

柏木 しかも大御所の方に知られてても、さっしーみたいな対応は私なら絶対されない。何を言っても大丈夫って安心感はないから。

──ですね。多少雑な扱いをしても大丈夫みたいな安心感が指原さんにはあるわけですよ。

柏木 そうそう、いい意味で。私もAKB48の中では“知ってもらえてる人”扱いだけど、さっしーはレベルが違う。

AKB48「ジワるDAYS」
2019年3月13日発売 / You,Be Cool!
AKB48「ジワるDAYS」Type A初回限定盤

Type A初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90613~4

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AKB48「ジワるDAYS」Type A通常盤

Type A通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-613~4

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CD収録曲
  1. ジワるDAYS
  2. 私だってアイドル! / 指原莉乃
  3. Generation Change / AKB48カップリング選抜
  4. ジワるDAYS(off vocal ver.)
  5. 私だってアイドル!(off vocal ver.)
  6. Generation Change(off vocal ver.)
DVD収録内容
  1. 「ジワるDAYS」Music Video
  2. 「私だってアイドル!」Music Video
  3. 「Generation Change」Music Video
AKB48「ジワるDAYS」Type B初回限定盤

Type B初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90615~6

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AKB48「ジワるDAYS」Type B通常盤

Type B通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-615~6

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CD収録曲
  1. ジワるDAYS
  2. 私だってアイドル! / 指原莉乃
  3. 初恋ドア / 坂道AKB
  4. ジワるDAYS(off vocal ver.)
  5. 私だってアイドル!(off vocal ver.)
  6. 初恋ドア(off vocal ver.)
DVD収録内容
  1. 「ジワるDAYS」Music Video
  2. 「私だってアイドル!」Music Video
  3. 「初恋ドア」Music Video
AKB48「ジワるDAYS」Type C初回限定盤

Type C初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90617~8

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AKB48「ジワるDAYS」Type C通常盤

Type C通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-617~8

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CD収録曲
  1. ジワるDAYS
  2. 私だってアイドル! / 指原莉乃
  3. 必然性 / IZ4648
  4. ジワるDAYS(off vocal ver.)
  5. 私だってアイドル!(off vocal ver.)
  6. 必然性(off vocal ver.)
DVD収録内容
  1. 「ジワるDAYS」Music Video
  2. 「私だってアイドル!」Music Video

※IZ4648「必然性」のMVは未収録。

「ジワるDAYS」

岡田奈々 / 岡部麟 / 荻野由佳 / 小栗有以 / 柏木由紀 / 坂口渚沙 / 指原莉乃 / 下尾みう / 白間美瑠 / 菅原茉椰 / 須田亜香里 / 高橋朱里 / 瀧野由美子 / 田中美久 / 中井りか / 松井珠理奈 / 松岡はな / 向井地美音 / 矢作萌夏 / 山内瑞葵 / 横山由依 / 吉田朱里

※センターは指原莉乃。

「私だってアイドル!」

指原莉乃

「Generation Change」AKB48カップリング選抜

浅井七海 / 太田奈緒 / 大西桃香 / 小田えりな / 加藤玲奈 / 行天優莉奈 / 久保怜音 / 倉野尾成美 / 込山榛香 / 佐藤栞 / 鈴木くるみ / 田口愛佳 / 谷川聖 / 谷口めぐ / 西川怜 / 前田彩佳 / 武藤十夢 / 村山彩希 / 山田菜々美 / 横山結衣

※センターは西川怜。

「初恋ドア」坂道AKB

梅澤美波 / 梅山恋和 / 大園桃子 / 岡部麟 / 小栗有以 / 加藤史帆 / 久保史緒里 / 小池美波 / 小坂菜緒 / 小林由依 / 齊藤京子 / 坂口渚沙 / 佐々木美玲 / 下尾みう / 菅井友香 / 鈴本美愉 / 瀧野由美子 / 田中美久 / 土生瑞穂 / 福岡聖菜 / 矢作萌夏 / 山内瑞葵 / 山下美月 / 与田祐希 / 渡邉美穂

※センターは山下美月。

「必然性」IZ4648

梅澤美波 / 岡田奈々 / 小栗有以 / 柏木由紀 / クォン・ウンビ / 小池美波 / 小林由依 / 齋藤飛鳥 / 指原莉乃 / 白石麻衣 / 菅井友香 / 須田亜香里 / チャン・ウォニョン / チョ・ユリ / 長濱ねる / 西野七瀬 / 土生瑞穂 / 堀未央奈 / 本田仁美 / 宮脇咲良 / 矢吹奈子 / 山下美月 / 横山由依 / 渡邉理佐

※チャン・ウォニョンと宮脇咲良のダブルセンター。

「「屋上から叫ぶ」Sucheese(すちーず)

石田千穂 / 梅山恋和 / 小熊倫実 / 久保怜音 / 末永桜花 / 矢作萌夏 / 渡部愛加里

※センターは矢作萌夏。

AKB48(エーケービーフォーティエイト)
AKB48
秋元康プロデュースのもと、2005年に始動したアイドルグループ。劇場に足を運べばメンバーに会える「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にある専用劇場(AKB48劇場)で公演を行っている。楽曲の作詞はすべて秋元康が担当。2006年2月にシングル「桜の花びらたち」をインディーズからリリースし、オリコンウィークリーチャートでトップ10入りを果たす。同年10月にはシングル「会いたかった」でメジャーデビュー。2007年春には初の全国ツアーも開催されたほか、同年末の「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たすなど、着実に知名度を上げていった。2011年3月に20thシングル「桜の木になろう」をリリース。以降、5月に「Everyday、カチューシャ」、8月に「フライングゲット」、10月に「風は吹いている」とミリオンセールスを連発。2011年オリコン年間シングルチャートで1位から5位をAKB48が独占する結果となり、“国民的アイドル”と呼ばれる地位を確立した。2018年6月に10回目の「選抜総選挙」となる「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」を開催し、松井珠理奈が1位を獲得。宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美の3名が日韓合同アイドルIZ*ONE専任メンバーとなり、10月末に韓国でデビュー。2019年3月に「選抜総選挙」3連覇の偉業を成し遂げた指原莉乃の卒業シングル「ジワるDAYS」をリリースする。

2019年3月29日更新