AKB48が51枚目のシングル「ジャーバージャ」をリリースした。表題曲は“AKB流ソウル・トレイン”をテーマにしたファンキーなナンバーで、岡田奈々が初のセンターを務めている。

音楽ナタリーでは、新シングルの発売を記念して「ジャーバージャ」選抜メンバーである岡田、宮脇咲良、向井地美音、小栗有以、松岡はな、倉野尾成美の6人にインタビューを実施。渡辺麻友らOGの活躍についてや、InstagramやTwitterなどSNSの使いこなし術、さらに「今のAKB48を知ってもらうには？」など7つのトピックを掲げ、メンバーそれぞれが思うことをたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 小野田衛　撮影 / 藤田二朗

TOPIC #01リクアワで巻き起こったNGT48旋風

1月19、20日に開催された「リクエストアワー セットリストベスト100 2018」（東京・TOKYO DOME CITY HALL）で1位に輝いた楽曲は、NGT48の最新シングル「世界はどこまで青空なのか？」だった。NGT48は2年連続で1位を獲得しており、グループの勢いが伝わる結果となった。

──今回はAKB48にまつわる最近のトピックについて、皆さんのご意見を伺えればと思います。まず「リクエストアワー」はNGT48の圧勝でした。これには衝撃を受けたファンも多かったようです。

倉野尾成美　私たちも驚きました。すごかった。ただただ、すごかった……！

向井地美音　投票できる曲がすべてランクインしていましたからね。「OVERTURE」まで入っていましたし。

岡田奈々　ある意味、異常事態と言っていいのではないでしょうか。

向井地　この結果がどういうことかと言いますと、要するに「NGT48には箱推しファンの方が多い」ということだと思うんです。うらやましいという気持ちも正直かなりあります。

岡田　（思い詰めた様子で）本当にうらやましい……。

向井地　そんな、ため息混じりに話さなくても（笑）。でも、例えば「今のAKB48って何が代表曲？」と聞かれても、即答できない自分たちがいるんです。

倉野尾　「リクエストアワー」でも、AKB48としての表題曲よりはソロやユニットの曲が入っていることが目立つくらいですし。

向井地　うん。NGT48は研究生こそいますがチームは1つしかないんです。だからリクエスト曲がまとまりやすいという部分もあると思います。

──「リクエストアワー」というイベントには「これから伸びそうなグループを応援しよう」というムードが充満している気もします。

松岡はな　ああ、それはあるかも！ 実際、AKB48チーム8も強かったですし。

宮脇咲良　でもHKT48ではそんなことなかったよ（笑）。

岡田　そんなことあるでしょ。去年もHKT48は「Make noise」が上位に入っていたし。

宮脇　あれは、さっしー（指原莉乃）の総選挙曲以外で初のセンターだったから、ちょっと特別じゃないかな。箱推しと言うか、グループのファンの気持ちが1つにまとまるという意味では、やっぱりチーム8とNGT48が圧倒的だと私も思います。

──圧倒的とまで言われていますが、チーム8の一員として小栗さんと倉野尾さんはどう思います？

小栗有以　一昨年は3位で、去年も今年も2位にランクインさせていただきました。でもこれは当たり前のことじゃないと思うんです。メンバーだけじゃなく、ファンの方も一致団結しているのを感じるんです。本当にみんなが同じ方向を向いていると言うか……ねえ？（倉野尾を見つめる）。

倉野尾　急に話を振られた（笑）。でもチーム8って全国各地に飛んで行ってライブをするのが特徴だから、ほかのグループのご当地みたいな特別強い場所がないんです。東京だと有利ってこともないですし。むしろファンの方は遠征費もかかるし、カメラとか機材にもお金を使うことになるから、こういう投票系のイベントは不利なんじゃないかなって思うんです。

宮脇　リアルな話として、そういうことはあるだろうね。

倉野尾　にもかかわらず、3位、2位と上位にランクインさせてもらえることには本当にありがたいという言葉しか出ないです。あと、「リクエストアワー」では3位以上の楽曲はフルコーラスで歌えるんです。チーム8全員でそろって歌える機会って実はそんなにないので、メンバーにとっても貴重なステージで。熱量たっぷりに応援してくださるファンの方には本当に感謝しています。

岡田　うん、素敵な話！ チーム8の「47の素敵な街へ」が、すべての曲の中で一番コールが大きかった気がする。口上がすごい迫力だったもん。

──「1位を取れなくて悔しい」という気持ちはないですか？

倉野尾　難しいところです。本当に感謝の気持ちでいっぱいだし、3位以内に入るのだって大変なことですから。だけどファンの方たちも1位を目指して投票しているわけだから、一緒に喜びを分かち合いたかったという気持ちもあります。

──松岡さんにとって、今年はどんな「リクアワ」でしたか？

松岡　日程的に、ちょうど自分の誕生日と重なったんですよ。それで自分のセンター曲が2曲、さらにはソロ曲までランクインさせていただいて……改めてファンの方の愛を感じました。

TOPIC #02レジェンドOGの躍進、止まらず！

13年目を迎えたAKB48。2017年末をもってグループを卒業した渡辺麻友をはじめ、OGたちに注目が集まるようになってきた。卒業したOGの活躍に現役メンバーたちは何を思っているのか。

──卒業していった先輩たちのニュースを見て、刺激を受けることはありますか？

岡田　大いにあります。自分も20歳になって、将来のことを考える機会がすごく多くなったんです。卒業された先輩の活躍を見て、「自分は今後どうしていけばいいんだろう？」と足元を見つめ直すというか……。どう生きていくのか、考えるきっかけを先輩方が与えてくださるんです。

小栗　私もいつかは女優とかモデルとか、いろんなジャンルで幅広く活躍できる人になりたいです。そういう意味で言うと、川栄李奈さんがドラマやCMで大活躍されている姿を見るとすごいなって憧れます。私も川栄さんみたいに活躍できるように、今から土台作りをがんばらなくちゃいけないなとも考えますし。

宮脇　考えるよねー。私も考えすぎちゃって、今は逆に一切考えないようにしているもん（笑）。

岡田　1周回ったんだ（笑）。どういうふうに考えすぎちゃったの？

宮脇　そもそも私がHKT48に入ったのは女優さんになりたかったから。その部分は常にブレていないの。どういう女優さんになるのかも先輩たちの姿を見ながらいろいろ考えていたんだけど……結局、まだ私は辞めるわけじゃないので（笑）。考えたって、しょうがない。それよりも目の前のことをしっかりこなして、アイドルとしての経験を女優さんになるときに生かしたほうが現実的なのかなって。これでもかと考えた末に出た結論が、「考えても意味がない」っていうことなんだ。

倉野尾　なるほど。本当に咲良さんが言う通りかもしれないです。現実問題、今やれることをやるしかないですよね。

──活躍しているOGの方を挙げていったらキリがないかもしれませんが、特に注目している先輩は？

向井地　最近だと篠田麻里子さんが「アンフェアな月」の舞台で主演されているということを知ってビックリしました。と言うのは私、AKB48に入る前の子役時代に「アンフェア」のドラマと映画に出演させていただいていたんです。だから篠田さんのニュースを見てから、すぐに「ぜひ観劇したい！」と思いました。もうすぐ開幕するから、本当に楽しみなんです（※後日、舞台を観劇したことをTwitter上で報告）。

──向井地さんにとって、篠田さんはどんな存在なんですか？

向井地　篠田さんとは在籍期間が2カ月くらいしか被っていないんです。だから1人のファンとして篠田さんのことをずっと見ていたし、今でも遠い存在なことに変わりないです。

松岡　私の場合、ぱるる（島崎遥香）さんに憧れてアイドルになりました。今でも遠い存在なんですけど、ぱるるさんが番組とかで活躍している姿を観るたびに気持ちが引き締まります、「自分もがんばらなきゃ！」って。