TOPIC #03岡田奈々ソロコン、知られざる舞台裏
自身初となるソロコンサートの序盤、「この日のために生きてきました」と感慨深く語った岡田。彼女はグループでの活動とは異なる一面を覗かせ、新たな魅力を開花させると共に、時流に乗るヒロインとしての勢いをパワフルなパフォーマンスで提示した。
──岡田さんのソロコンサートはストイックさを感じさせる内容でした。苦労も多かったのでは?
岡田 セットリストは基本的に自分で考えました。それに対して、スタッフさんが徹夜で調整をしてくれたんです。最初に私が考えた流れだと、帳尻が合わないところがあって。「着替えが間に合わない」とか「曲数がちょっと少なくなる」とか。
宮脇 思ったままをやろうとすると、段取りの問題は出てきそうだね。
岡田 それにMIXを打てるような明るい曲が全然なかったんです。ロック調の曲やダークなバラードばかりで。それでスタッフさんから「これはさすがにファンの人が可哀想じゃない?」と意見が出て、私も「確かにそうだな」って思うようになったんです。アイドルとしての自分をまったく見せないまま終わるのも、ファンの方を置いてけぼりにすると言うか……それでアイドルっぽさを出すために、「ななきー」(渡辺美優紀ソロ楽曲「わるきー」のカバー)を歌ったんです。
──キラキラしているアイドルじゃない部分をアピールしたかった?
岡田 そうですね。せっかくソロでやれるんだから、アイドルとしての自分よりも、1人の人間としての自分を見せたかったんです。私自身が抱えている葛藤とか生き様が伝わればいいなって思いましたし。明るく楽しい部分は、普段のAKB48でも出すことができますから。
──とは言えソロは初めてだから、戸惑うこともあったと思います。
岡田 今回、ゲストを一切呼ばずに自分1人だけのステージにしたんです。1人でやるっていうのは私が決めたことなんですけど、なんだか寂しかったですね(笑)。メンバーが大好きなんだなって再確認しました。
向井地 わかるかも。私もソロコンサートをやらせていただいたことがあるんですけど、1人でスタジオにこもって練習していたら、隣の部屋では13期生がコンサートのリハをしていたんですよ。私はすごく心細かったので隣から聞こえてくる楽しそうな声がうらやましくて……あのときは自分も13期生になりたくなっちゃいました(笑)。
──この中で岡田さんのソロコンを実際に会場で観た方は?
小栗 私は会場に行かせていただきました! 私も去年ソロコンをやらせていただいたんですけど、そのときはいかにもアイドルらしい感じの内容だったんです。だけど奈々さんは歌声が素敵なのはもちろんですが、感情の入れ方がもう段違いな気がしました。感覚的には「歌を聴いている」と言うより「メッセージが直に頭に入る」みたいな。歌詞がそのまま自分の中に入ってくるんです。奈々さん自身も「自分の気持ちを伝えきることができた」とおっしゃっていましたけど、本当にそのことは感じました。
向井地 私は途中までしか観ることができなかったんですけど本当に圧倒されましたね。普段知っている奈々ちゃんが遠い存在になったと言うか、1人のアーティストとして輝いていました。
岡田 ライブのあと、すっごく長いLINEをくれたよね(笑)。
向井地 ライブの感想を暑苦しい長文で送ったんです(笑)。でも、それくらいすてきなライブでした。セットリストも私の好みだったし、本当に心から感動しました。
TOPIC #04ツアーで再確認した“チーム8の絆”
2014年12月から行われているAKB48チーム8の47都道府県ツアーが、3月4日の富山県公演で34本目を迎えた。結成4周年を迎えるチーム8のメンバーが全国各地を回って得たものとは。
──チーム8のコンセプトは全国各地のファンに「会いに行くアイドル」です。実に3年以上をかけてツアーを行っています。
宮脇 えっ、3年以上!? 信じられない……。
岡田 すごすぎますよ! もうちょっとで47都道府県を制覇できちゃうじゃないですか!
小栗 まずチーム8の私が思うのは、これだけいっぱいコンサートをやらせていただけること自体、本当にありがたいお話だということです。1公演ごとにチームの団結力が高まっていくのを実感できますし。長くやっていると「最近、団結力が薄れてきちゃったんじゃないかな」って不安に思うこともあるんですけど、そういうときも……ねえ?(困惑した表情で倉野尾を見つめる)
岡田 ほら、助け船を求められているよ(笑)。
倉野尾 またこのパターン(笑)。このツアーは、チーム8がデビューして8カ月くらいのタイミングで始まったんです。チーム8の場合、活動の中心が全国各地を公演で回ることですし、それによって初めてファンになってくださったという方がすごく多いんです。ツアーをやること、それからツアーの練習をすること。この2つがチーム8の基盤を作っているのは間違いないです。
小栗 実際、全国を回っていると、いろんなことが起こるんですよ。この前、秋田公演でも大変なことがあって……。
倉野尾 あれはすごかった! あの日は秋田出身の谷川聖ちゃんがセンターだったんですけど、公演の途中で倒れてしまって、病院に直行することになって。だけどコンサート自体はそのまま続行することが決まって、「じゃあ誰がセンターやるんだ?」って話になったんです。
宮脇 うわー! どうするかを公演中に全部決めていったの?
倉野尾 そうです。アクシデントだから、リハーサルもなしで。MCをしている間に、後ろのほうでほかのメンバーがヒソヒソと打ち合わせをしていたんです。「この曲のセンターはあなた、その次はあなた」とか。
岡田 想像するだけでもゾッとするね。しかし、そのときにMCを仕切っていたメンバーもすごいよ。
向井地 確かに(笑)。状況を横目で見ながら、臨機応変に対応しなきゃいけないもんね。
倉野尾 MCは私もやっていて、何かあったんだろうなとは思いつつ、探り探りでしたね。秋田のファンの方にその公演を最後まで観せられたことは、私たちにとっても大きな自信になりました。
岡田 その対応力は、ツアーを長いこと続けているからこそ発揮できたんだろうね。チーム8って本当によくまとまっていると思う。
倉野尾 あの日はみんなのことが誇らしくなりました。「チーム8でよかった!」と思いました。
──チーム8の絆が強いことはメンバーのコメントからも伺い知れますが、そもそもなぜそんなに結束するようになったんですか?
倉野尾 AKB48とチーム8では、昔から楽屋が別だったんです。意外にこれが大きかったんじゃないかと私は思います。チーム8のメンバーは「AKB48さんにご迷惑をおかけしないようにしなくちゃ……」みたいな考えがあって。
岡田 AKB48“さん”って、そんな……(笑)。
小栗 でも、本当にそんな感じだったんです。あとチーム8の絆が強いのは、みんな個々が同じ方向を向いているという意識の面も大きいと思います。
倉野尾 チーム8はスタッフさんに怒られることが多かったんです。合宿とかもけっこうやったし、厳しく育てられました。だから常に「自分たちはダメなんだ」と考えていたし、それがプラスの方向に作用したっていうのはあるかもしれない。「できないんだから、もっと一生懸命やらなきゃ」って感じで。
小栗 チームワークではほかのところに負けたくないと思いますし、これからもそこは大事にしたいです。
TOPIC #05岡田奈々シングル初センターは“AKB流ソウル・トレイン”
ニューシングルの表題曲「ジャーバージャ」は岡田が初のセンターを務め、倉野尾が初選抜された楽曲。作曲をAkira Sunsetと遠藤ナオキ、編曲をAPAZZIという、乃木坂46の楽曲でも知られる布陣によって制作されたトラックは、アメリカのダンス音楽番組「ソウル・トレイン」の世界観をトレースしたかのようなファンキーな仕上がりとなっている。メンバーは能天気にも思える歌詞に強いメッセージ性を感じ取っていると話す。
──新曲の聴きどころを、センターを務める岡田さんから聞かせてください。
岡田 AKB48の歴史上、これまでなかったレベルでファンキーさが炸裂しています。とにかくイケイケだし、「パリピ!」っていう感じ。「嫌なことは忘れて、ハジけよう!」というテーマなので思いっきり楽しんでいただけたらなって思います。
──このシングルは岡田さんがセンターになるとあらかじめ決まっていたので、もっとロック寄りのテイストの曲か、季節的に桜ソングが来ると予想していました。
向井地 私もそう思っていました!
岡田 曲をいただいたときにびっくりしました。1月にリリースしたアルバムでセンターをやらせていただいたときもカッコいい曲だったし、ソロコンもクールに決める感じでしたし。自分にこの曲の明るい感じを表現できるのか最初はすごく不安でした。パリピっぽくワイワイ騒ぐのは自分にない要素ですから(笑)。でも逆に言うと、自分の殻を破るチャンスと言うか、新たな岡田奈々をお見せできる機会だとも思っています。
──なるほど。次に今日のメンバーだと倉野尾さんが初選抜となります。
倉野尾 選抜されたこと自体もうれしかったですけど、私としては「奈々さんの記念すべき初センター曲で選ばれた」ということに大きな意味があるんです。奈々さんが一時期、選抜に入れなくて悩んでいたのを知っているから……そんな奈々さんが選抜メンバーに返り咲き、今ではこうして堂々とセンターに立っている。すごくストーリー性があって、考えると泣けてきちゃうんですよ。
岡田 そんな……。
倉野尾 でも、これは本気です。私が目指すべき人は、奈々さんじゃないかなって最近は思っていて。私自身、選抜されるまでに時間がかかったけど、奈々さんのように前を向きながらがんばっていきたいです。
宮脇 「ジャーバージャ」を聴くと、歌詞が響くんですよね。「いいことも悪いこともあるけど、とにかく今を楽しんでいこう!」というメッセージに、私自身がすごく励まされるんです。やっぱりアイドルをやっていると悩むこともいろいろありますしね。
──宮脇さん自身、悩みがちなタイプ?
宮脇 そうですね。常に考えすぎちゃうところがあるかもしれないです。ただ、先ほども言いましたけど、考えていても何も生まれないことって多いんですよね。それよりはまず行動だし、無駄に考えすぎないようにする。そんなクヨクヨ考えている暇があるんだったら、目の前の人生を全力で楽しむべきだなって最近は思うようになりました。それは「ジャーバージャ」の影響もあると思います。私、秋元(康)先生の歌詞で人生観が変わることがけっこうあるんです。歌っていて、その歌詞に影響されるんです。
岡田 すごくわかるな。だから聴いている人にも明るく前向きになってほしいです。それだけのパワーがある曲だと思います。
- AKB48「ジャーバージャ」
- 2018年3月14日発売 / キングレコード
-
Type A初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90539~40 -
Type A通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-539~40 -
- CD収録曲
-
- ジャーバージャ
- ペダルと車輪と来た道と / STU48
- 愛の喪明け / SKE48
- ジャーバージャ(off vocal ver.)
- ペダルと車輪と来た道と(off vocal ver.)
- 愛の喪明け(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
- 「ジャーバージャ」Music Video
- 「ペダルと車輪と来た道と」Music Video
- 「愛の喪明け」Music Video
-
Type B初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90541~2 -
Type B通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-541~2 -
- CD収録曲
-
- ジャーバージャ
- ペダルと車輪と来た道と / STU48
- 下手を打つ / NMB48
- ジャーバージャ(off vocal ver.)
- ペダルと車輪と来た道と(off vocal ver.)
- 下手を打つ(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
- 「ジャーバージャ」Music Video
- 「ペダルと車輪と来た道と」Music Video
- 「下手を打つ」Music Video
-
Type C初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90543~4 -
Type C通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-543~4 -
- CD収録曲
-
- ジャーバージャ
- ペダルと車輪と来た道と / STU48
- ぶっ倒れるまで / HKT48
- ジャーバージャ(off vocal ver.)
- ペダルと車輪と来た道と(off vocal ver.)
- ぶっ倒れるまで(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
- 「ジャーバージャ」Music Video
- 「ペダルと車輪と来た道と」Music Video
- 「ぶっ倒れるまで」Music Video
-
Type D初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90545~6 -
Type D通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-545~6 -
- CD収録曲
-
- ジャーバージャ
- Position / AKB48若手選抜
- 友達でいましょう / NGT48
- ジャーバージャ(off vocal ver.)
- Position(off vocal ver.)
- 友達でいましょう(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
- 「ジャーバージャ」Music Video
- 「Position」Music Video
- 「友達でいましょう」Music Video
-
Type E初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90547~8 -
Type E通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-547~8 -
- CD収録曲
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- ジャーバージャ
- Position / AKB48若手選抜
- 国境のない時代 / 坂道AKB
- ジャーバージャ(off vocal ver.)
- Position(off vocal ver.)
- 国境のない時代(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
- 「ジャーバージャ」Music Video
- 「Position」Music Video
- 「国境のない時代」Music Video
- AKB48「ジャーバージャ」
-
入山杏奈 / 太田夢莉 / 岡田奈々 / 岡部麟 / 荻野由佳 / 小栗有以 / 小畑優奈 / 柏木由紀 / 加藤玲奈 / 倉野尾成美 / 小嶋真子 / 込山榛香 / 指原莉乃 / 白間美瑠 / 須田亜香里 / 高橋朱里 / 瀧野由美子 / 田中美久 / 中井りか / 馬嘉伶 / 松井珠理奈 / 松岡はな / 宮脇咲良 / 向井地美音 / 村山彩希 / 山本彩 / 横山由依
- STU48「ペダルと車輪と来た道と」
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石田千穂 / 石田みなみ / 磯貝花音 / 市岡愛弓 / 今村美月 / 岩田陽菜 / 岡田奈々 / 門脇実優菜 / 佐野遥 / 瀧野由美子 / 田中皓子 / 土路生優里 / 福田朱里 / 藤原あずさ / 森香穂 / 薮下楓
- SKE48「愛の喪明け」
-
江籠裕奈 / 大場美奈 / 小畑優奈 / 鎌田菜月 / 北川綾巴 / 北野瑠華 / 熊崎晴香 / 末永桜花 / 菅原茉椰 / 須田亜香里 / 惣田紗莉渚 / 高柳明音 / 竹内彩姫 / 日高優月 / 古畑奈和 / 松井珠理奈
- NMB48「下手を打つ」
-
岩田桃夏 / 植村梓 / 沖田彩華 / 加藤夕夏 / 小嶋花梨 / 渋谷凪咲 / 城恵理子 / 上西怜 / 白間美瑠 / 谷川愛梨 / 三田麻央 / 村瀬紗英 / 安田桃寧 / 山本彩加 / 山本彩 / 吉田朱里
- HKT48「ぶっ倒れるまで」
-
岩花詩乃 / 神志那結衣 / 駒田京伽 / 指原莉乃 / 田島芽瑠 / 田中美久 / 冨吉明日香 / 朝長美桜 / 豊永阿紀 / 松岡菜摘 / 松岡はな / 宮脇咲良 / 村川緋杏 / 本村碧唯 / 森保まどか / 矢吹奈子
- NGT48「友達でいましょう」
-
荻野由佳 / 小熊倫実 / 柏木由紀 / 加藤美南 / 北原里英 / 佐藤杏樹 / 菅原りこ / 高倉萌香 / 太野彩香 / 中井りか / 西潟茉莉奈 / 長谷川玲奈 / 本間日陽 / 村雲楓香 / 山口真帆 / 山田野絵
- AKB48若手選抜「Position」
-
浅井七海 / 岡部麟 / 小栗有以 / 川本紗矢 / 久保怜音 / 倉野尾成美 / 後藤萌咲 / 坂口渚沙 / 谷口めぐ / 千葉恵里 / 西川怜 / 樋渡結依 / 福岡聖菜 / 向井地美音 / 山内瑞葵 / 山邊歩夢
- 坂道AKB「国境のない時代」
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今泉佑唯 / 大園桃子 / 岡田奈々 / 岡部麟 / 小栗有以 / 加藤史帆 / 久保史緒里 / 小林由依 / 齋藤飛鳥 / 菅井友香 / 長濱ねる / 堀未央奈 / 松井珠理奈 / 宮脇咲良 / 向井地美音 / 山下美月 / 与田祐希 / 渡邉理佐
- AKB48(エイケイビーフォーティエイト)
- 秋元康プロデュースのもと、2005年に始動したアイドルグループ。劇場に足を運べばメンバーに会える「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にある専用劇場(AKB48劇場)で公演を行っている。楽曲の作詞はすべて秋元康が担当。2006年2月にシングル「桜の花びらたち」をインディーズからリリースし、オリコンウィークリーチャートでトップ10入りを果たす。同年10月にはシングル「会いたかった」でメジャーデビュー。2007年春には初の全国ツアーも開催されたほか、同年末の「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たすなど、着実に知名度を上げていった。2011年 8月に22ndシングル「フライングゲット」をリリース。以後、10月に東日本大震災復興応援ソング「風は吹いている」などでミリオンセールスを連発。2011年オリコン年間シングルチャートで1位から5位をAKB48が独占する結果となり、“国民的アイドル”と呼ばれる地位を確立した。2017年8月に指原莉乃がセンターを務める49thシングル「#好きなんだ」をリリースし、11月に渡辺麻友の卒業シングル「11月のアンクレット」を発表。12月に約2年9カ月年ぶりの組閣が発表され、姉妹グループのメンバーによる兼任解除が決定した。2018年1月に9thアルバム「僕たちは、あの日の夜明けを知っている」をリリース。3月には岡田奈々が初のセンターを務める51枚目のシングル「ジャーバージャ」を発表した。組閣による異動は今春を予定している。