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デビュー11年目の進化 移籍後初アルバム「INDEPENDENT」

企業の人もわざわざ私に頼む理由がある

──今回はコカ・コーラ 2011クリスマスキャンペーンソング「ハピネス」や、映画「ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵」の主題歌「ウツクシキモノ」、森永製菓「1チョコ for 1スマイル」のCMソング「One Love」など、タイアップ曲も多いですね。

うん。タイアップ曲の歌詞は、自分の気持ちだけじゃなくてほかの人の思いも大事にしましたね。

──ほかの人というと?

何かのCMひとつ取ってもさ、企画する人がいて、提案する人がいて、資料作る人がいて、イベント運営する人がいて、いろんな人の協力によってできてるでしょ。1個の企画を実現するためにみんなすごいがんばって、いろいろ考えて……。だから曲も、そのお手伝いができたらという。

──タイアップであるが故にいろいろなしがらみや要望が出ることは、面倒には感じませんか?

それによって、自分の考えと違うものを作れって言われたときには思いますね。だったらやりたくないし、自分にウソついて作った作品だとしたら、こういう取材でも「作れって言われたから作ったんですよ」って言うしかないしね(笑)。だけど、なんらかの理由があって私にオファーしてくれるっていうのは、その時点でありがたいことで、私にできることだったら全力を尽くしてやりたいと思ってます。今回は「ハピネス」のコカ・コーラさんも、「ウツクシキモノ」の映画「ベルセルク」の方々も、頼んできたときになんで私なのかっていう話や、どういうコンセプトでどういう曲を出してほしいかっていう話をしっかりしてくれて、その熱にすごい感動したんですね。だから私も応えたいなと思ったし、自分も相手も納得する形で出そうと思った。

──なるほど。確かに、AIさんがいいっていう理由があっての依頼ですもんね。

うん、そうじゃなければ最初の話でわかるよ。アーティストなんてほかにもいっぱいいるんだもん。私なんかよりもっと歌のうまい人、売れてる人は何万といるんだから、そういう人に頼めばいいじゃん? だけどわざわざ私に頼むってことは、きっとその人たちなりの考えがあって「AIでいってみよう」って決めたと思うんですよ。その人たちにしてみても私の曲を起用するっていうのはチャレンジだったと思うし、それを思ったら、お互い全力でいいものを作りましょうっていう気になるんですよね。

曲数があんまりあってもみんな大変じゃない?

──今回のアルバムは全10曲と、オリジナルアルバムとしては少なめですよね。

そうですね。

──1月に今作の完成披露プレミアムライブがありましたが、そのステージで「みんなアルバムを全曲聴いて(ライブに)来てるわけじゃない気がして」と話していたのが今でも気になってるんです。14曲なら14曲、15曲なら15曲、アルバム全部は聴き込まれてないんじゃないかという気持ちがAIさんの中にあったんですね。

まあ、それは毎回ありますね。私も人のライブに行くとき、その人のCDを全部聴いていかないときもあるし、特定の曲が好きだから観に行きたいというのもわかるし。

──例えばAIさんの場合だったら、「Story」だけを求めて来ているお客さんも中にはいますよね。

そう。特にファンじゃないけど付き添いで来た人なんかは、そういう気持ちが強いかもしれないですね。でも、1曲1曲魂を入れ込んだアルバムだから、好きな人にはぜひ何度も聴いてからライブに来てもらいたいんですよ。そしたら新しい発見があったり、全然違うふうに聴こえたり、面白いことがいっぱいあるだろうから。そう考えると、曲数があんまりあってもみんな大変じゃない? 聴きたいかな? どうなんだろうね。

──うーん、どうなんでしょうね。

昔は曲数多いほうがいいと思ってたときもあったけど、シンプルにいい曲を10曲入れたこのアルバム、すごく気に入ってるんですよね。これは、ほぼ毎年アルバム出すみたいなローテーションの中で「締切に間に合わない」とか「あと1曲作らないと」とか思って追われて作った10曲じゃなくて。1曲1曲時間をかけて魂を込めて作れたし、さらに聴く時間もあったから、いらない曲を省いたり残った曲を磨いたりもできて、すごい良かったなと思います。

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CD収録曲
  1. DANCE TOGETHER
  2. INDEPENDENT WOMAN
  3. ハピネス
  4. アンバランス
  5. FUTURISTIC LOVER
  6. w / u
  7. ユメノムコウ
  8. One Love
  9. ウツクシキモノ
  10. Letter In The Sky feat. The Jacksons
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AI(あい)

1981年アメリカ・ロサンゼルス生まれ、鹿児島育ちのR&Bシンガー。歌とダンスを本格的にレッスンするために10代でLAに渡ったのち、1999年にジャネット・ジャクソン「ゴー・ディープ」のPVにダンサーの1人として出演。帰国後、2000年にシングル「Cry, just Cry」でメジャーデビューを果たす。圧倒的な歌唱力やリアルな言葉で綴られたリリック、普遍的なメロディで多くのリスナーを獲得。数々のヒット曲を発表し、2009年に発表したベストアルバム「BEST A.I.」はオリコンウィークリーチャート1位を記録する。2011年に入ってからEMI Music Japanに移籍し、同年12月に移籍第1弾シングルとして「ハピネス / Letter In The Sky feat.The Jacksons」をリリース。2012年2月に移籍後初のアルバム「INDEPENDENT」を発表する。