a flood of circleデビュー15周年記念ライブ特集|佐々木亮介×山中さわお×菅原卓郎×飯田瑞規が大放談 (3/3)

俺の中ではバンドブームがずっと続いてる

──山中さんはフラッドとの対バンに向けて、どんな思いがありますか?

山中 そうだな……まだ俺らに飽きてないんだなって(笑)。

佐々木 俺らは「付き合っていただいてありがとうございます」ですけどね。

山中 断ったことないからね。スケジュールが合えば必ずやってるんじゃない? 今回もそうで、楽屋に入って話して、お互いのライブを観て、打ち上げもやって。楽しいと思うよ。あとね、ウチのメンバーとフラッドのメンバーもちゃんとコミュニケーションを取れるんだよね。バンド同士でそうなるって、意外とないでしょ。

菅原 確かにそうですね。

山中 例えば9mmだと、俺がかみじょう(ちひろ / Dr)くんに「飲もうぜ!」とは言いづらい(笑)。

菅原 本人は言われたらすげえ喜ぶと思います(笑)。

山中 そうなの?(笑) とにかくフラッドとの対バンはみんなハッピーだからね。シンプルな話だよ。

左から菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)、山中さわお(the pillows)、佐々木亮介(a flood of circle)、飯田瑞規(cinema staff)。

左から菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)、山中さわお(the pillows)、佐々木亮介(a flood of circle)、飯田瑞規(cinema staff)。

佐々木 俺らとシネマもバンド同士で絡んでるけどね。同級生っぽいノリだけど。

飯田 そうですね。バンド同士の関係性とか空気感って、ライブにも出るだろうし。今思い出したんですけど、今年の3月にフラッドと対バンしたとき、亮介くんに「たまには瑞規の弾き語りでライブを始めてみたら?」と言われて。「OOPARTS 2024」で本当にやってみたら、めっちゃうまくハマったんですよ。

佐々木 よかった。

飯田 そのこともすごく印象に残ってるし、今回のツアーに参加できるのもうれしいです。野音でももちろんカッコいいライブをやるだろうし。俺らは2022年10月に2度目の野音ワンマンを開催したんですよ。野音ってバンドマンにとってある意味聖地だし、どうしても力が入るじゃないですか。終わったあとは力が抜けちゃうだろうなと思って、その月はほかにライブを入れてなかったんです。ただフラッドとのツーマンだけは入れていて。

佐々木 横浜のF.A.Dだよね。

飯田 はい。そのライブですごく助けられたんですよ。もう1回スタートが切れたというか、気合いを入れ直してもらった感じがあって。なので今回のフラッドの野音も「すげえカッコいいライブやるんだろうな」ということと同時に、その後どうなっていくかも楽しみです。

──野音のワンマンではこれまでで一番多い曲数を演奏すると宣言しています。

佐々木 そうなんです。ツアーもやるから同じようなメニューだとつまらないし、そこで1回出し尽くすくらいのことをやりたくて。気負ってるわけではなくて、面白いことをやりたいんですよ。さっきもバンドについていろいろ語っちゃいましたけど、単純に楽しいという気持ちで音楽をやってるし。それだけじゃ無理なんだけど、その気持ちは忘れたくない。お客さんが嫌がるくらいやって、みんなには酔っぱらってほしいです(笑)。ライブの時間も長くなるだろうし、後半はご愛敬ということで。

菅原 亮介は大丈夫でしょ。

佐々木 わかんないよ(笑)。メンバーが輝く曲もあるから、それも組み込んで。今までやってきたことも見せたいし、「もっともっとある」「まだ出してないものがあるんだぜ」というのも感じさせたいんですよね。さわおさんが言う通り、ロックンロールに古いも新しいもないし、俺らはこんなもんじゃないと思ってるんで。

──現在のフラッドを見せるのはもちろん、この先のビジョンも提示したいと?

佐々木 そうですね。俺らはもう若くないけど、ベテランでもなくて。中堅と呼べるほど売れてもないし、「この曲があればイケる」というヒット曲もない。そういうバンドがこの資本主義社会で生きていくこと、ロックンロールをやり続けるためにチャレンジすることって、すごいワクワクすると思うんですよ。ロックバンドは最高だし、俺の中ではバンドブームがずっと続いてるんで。

菅原 それは俺も同じだな(笑)。

飯田 確かに(笑)。

佐々木 そうでしょ? なんて言うか、俺は生い立ちで苦労したこともないし、そういう人が何を歌うんだ?って歌詞を書くときにいつも思うんですよ。それでも15年やってきた。今の自分から出てくる言葉に意味があるかどうかわからないけど、まだまだ研ぎ澄ませていけるなと思ってるんですよね。……話、長いですよね。

菅原 (笑)。でも普段もけっこうそういう話してるよね。

結局は人前で革ジャンを着たいだけの男・佐々木亮介

山中 まあ、いろいろ言ってるけどさ、こいつは人前で革ジャンを着たいだけの男だから。

佐々木菅原飯田 ハハハハハ!

山中 人の前で革ジャンを着る理由が欲しくて、ついでにバンドやってんだろ?(笑) ついに黄色の革ジャンまで手を出してさ。

菅原 「キル・ビル」のユマ・サーマンくらいですよね、黄色の革ジャン(笑)。

左から飯田瑞規(cinema staff)、山中さわお(the pillows)、佐々木亮介(a flood of circle)、菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)。

左から飯田瑞規(cinema staff)、山中さわお(the pillows)、佐々木亮介(a flood of circle)、菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)。

飯田 しかもマニキュアの色も合わせてて、それが似合うという(笑)。

佐々木 よく見てるな(笑)。

山中 まあ、俺もデカめのサングラスをするためにバンドをやってんだけど(笑)。

菅原 野音では何色の革ジャン着るの?

飯田 セクションごとに着替えるのもいいかも(笑)。

佐々木 大喜利みたいになってるな(笑)。

菅原 革ジャン着てるのがナベちゃんだったとかね。

山中 ハハハ。まあ、ライブはいつも通りやるしかないからね。

佐々木 そうっすね。なんか前向きな気持ちになりました(笑)。

山中 おまえは革ジャンのことだけでいいよ。余計なことは考えないほうがいい。

菅原 ライブのときって、ちょっとでもほかのこと考えると間違えますからね。コンマ何秒も考えてないはずなのに、フレット2つ分くらい違うところ弾いてたり。特に亮介は思考するタイプだから、気を付けたほうがいいんじゃない?

山中 亮介は“逃れる方法”って決めてる?

佐々木 余計なことを考えないようにするってことですか?

山中 そう。俺、自分で書いた歌詞なのに、ライブ中に泣きそうになることがあるんだよ。そこから逃れる方法を決めてるんだけど、そんなに親しくもない、お好み焼き屋のナカガワさんっていうおじさんを思い出すようにしてて。

佐々木菅原飯田 ハハハハハ!

山中 そのおじさん、チキンラーメンのヒヨコのバンダナしてるんだけど、グッときすぎたときもナカガワさんを思い出せば絶対に泣かない(笑)。

菅原 集中してるかどうか微妙ですけど(笑)、それはヤバいですね。

佐々木 俺は酔っぱらう以外、対処の方法がないんですよね。でも、俺にとってのナカガワさんを探せばいいのか(笑)。

左から飯田瑞規(cinema staff)、山中さわお(the pillows)、佐々木亮介(a flood of circle)、菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)。

左から飯田瑞規(cinema staff)、山中さわお(the pillows)、佐々木亮介(a flood of circle)、菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)。

ライブ情報

a flood of circle「CANDLE SONGS -日比谷野外大音楽堂への道-」

ワンマンライブ

  • 2024年4月12日(金)宮城県 仙台MACANA
  • 2024年4月14日(日)北海道 cube garden
  • 2024年4月18日(木)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2024年4月25日(木)京都県 磔磔
  • 2024年4月26日(金)広島県 SIX ONE Live STAR
  • 2024年5月10日(金)長野県 LIVE HOUSE J
  • 2024年5月11日(土)石川県 vanvanV4
  • 2024年5月23日(木)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2024年6月5日(水)香川県 DIME
  • 2024年6月7日(金)福岡県 LIVEHOUSE OP's
  • 2024年6月9日(日)大阪府 umeda TRAD
  • 2024年6月13日(木)東京都 LIQUIDROOM

対バンライブ

  • 2024年7月11日(木)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
    <出演者>
    a flood of circle / the pillows
  • 2024年7月18日(木)愛知県 THE BOTTOM LINE
    <出演者>
    a flood of circle / cinema staff
  • 2024年7月21日(日)神奈川県 Yokohama Bay Hall
    <出演者>
    a flood of circle / 9mm Parabellum Bullet

a flood of circleデビュー15周年記念公演 “LIVE AT 日比谷野外大音楽堂”

2024年8月12日(月・祝)東京都 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)


チケット完売につき、機材席・後方立ち見チケットの販売を調整中(7月2日現在)。
追加チケットの詳細は、a flood of circleホームページ・SNSで後日発表。

チケットぴあで購入

ローチケで購入

イープラスで購入

プロフィール

a flood of circle(アフラッドオブサークル)

佐々木亮介(Vo, G)、渡邊一丘(Dr)、HISAYO(B)、アオキテツ(G)による4人組ロックバンド。2006年に結成され、2009年4月に1stフルアルバム「BUFFALO SOUL」でメジャーデビュー。ブルース、ロックンロールをベースにしつつ最新の音楽要素を吸収したサウンドと、佐々木の強烈な歌声や観る者を圧倒するライブパフォーマンスで話題を集める。結成10周年を迎えた2016年には初のイギリス・ロンドン公演や海外レコーディングを行ったほか、主催フェス「A FLOOD OF CIRCUS」を立ち上げた。2021年8月に提供曲のみで構成されたアルバム「GIFT ROCKS」を、12月にオリジナルアルバム「伝説の夜を君と」をリリースした。2022年7月に初のホールワンマンライブを東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催。2023年2月にアルバム「花降る空に不滅の歌を」を発表した。2024年にデビュー15周年を迎え、その記念公演を8月12日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で行う。

the pillows(ピロウズ)

山中さわお(Vo, G)、真鍋吉明(G)、佐藤シンイチロウ(Dr)の3人からなるロックバンド。1989年に結成され、当初は上田健司(B)を含む4人編成で活動していた。1991年にシングル「雨にうたえば」でメジャーデビュー。2004年の結成15周年にはトリビュートアルバム「シンクロナイズド・ロッカーズ」がリリースされる。結成20周年を迎えた2009年9月には初の東京・日本武道館公演を行い、大成功に収めた。2012年にはバンドを一時休止し、山中と真鍋はそれぞれソロアルバムを発表。2013年の再始動後は再び精力的な活動を展開し、2014年2月には結成25周年を記念した2枚目のトリビュートアルバム「ROCK AND SYMPATHY -tribute to the pillows-」がリリースされる。30周年を迎えた2019年には初の横浜アリーナ公演を行う。今年2024年9月には結成35周年を迎える。

9mm Parabellum Bullet(キューミリパラベラムバレット)

2004年3月、横浜にて結成。2枚のミニアルバムをインディーズで発表したのち、2007年10月に「Discommunication e.p.」でメジャーデビュー。パンク、メタル、エモ、ハードコア、J-POPなどさまざまなジャンルを飲み込んだ音楽性と、激しいライブパフォーマンスで人気を博している。2016年には自主レーベル・Sazanga Recordsでのリリースプロジェクトを始動。2019年4月に結成15周年を記念した日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)、大阪城野外音楽堂で「東西フリーライブ」を行った。“9mmの日”として知られる9月9日には8thアルバム「DEEP BLUE」をリリース。同日に凛として時雨とのツーマンライブを実施した。2020年9月に初のトリビュートアルバム「CHAOSMOLOGY」を発表。2024年3月の結成20周年記念日には東京・Billboard Live TOKYOにてライブ「カオスの百年 vol.20」を開催。同年7月にはベストアルバム、秋にはニューアルバムをリリース予定。

cinema staff(シネマスタッフ)

飯田瑞規(Vo, G)、辻友貴(G)、三島想平(B)、久野洋平(Dr)からなる4人組ロックバンド。2003年に飯田、三島、辻が前身バンドを結成し、2006年に久野が加入して現在の編成となる。愛知、岐阜を拠点にしたライブ活動を経て、2008年11月に1stミニアルバム「document」をリリース。アグレッシブなギターサウンドを前面に打ち出したバンドアンサンブルと、繊細かつメロディアスなボーカルで着実に人気を高めていく。2012年6月にメジャーデビュー作「into the green」を、2013年5月にメジャー1stフルアルバム「望郷」を発表した。同年8月、テレビアニメ「進撃の巨人」の後期エンディングテーマに提供した「great escape」がスマッシュヒットを記録。同曲を含むニューアルバム「Drums,Bass,2(to)Guitars」を2014年4月にリリースした。2019年9月にはベストアルバム「BEST OF THE SUPER CINEMA 2008-2011/2012-2019」を、2021年11月に7枚目のアルバム「海底より愛をこめて」をリリース。主催フェス「OOPARTS」を地元・岐阜にて毎年開催中。