a flood of circle「CENTER OF THE EARTH」 PR

a flood of circle|フラッドの“王道”を鳴らす スタンダードかつストレートな入魂作

a flood of circleがニューアルバム「CENTER OF THE EARTH」を3月6日にリリースした。

アオキテツ(G)の加入から1年が経ち、4人編成でのスタイルが定着してきた彼ら。メンバー間の良好な関係性を表すように、新たなアルバムはアグレッシブかつほどよく肩の力が抜けた作品に仕上がった。音楽ナタリーでは、現体制では初となる全員インタビューを行いバンドの現状を探った。

取材・文 / 中野明子 撮影 / 新元気

うまくやらんかったら首が飛ぶかもしれん

──テツさんの加入発表から1年が経ちました。現編成のa flood of circleはいかがですか?

佐々木亮介(Vo, G) どう、テツ?

アオキテツ(G) 人間関係もできてきて、最近は「何かあったら失踪するぞ」という軽口も叩けるようになり……。

HISAYO(B) あははは(笑)。

アオキ あと、ライブのときに胸を張っていられるようになったのはあるかな。

a flood of circle

──前はほかのメンバーに対して遠慮気味だった?

アオキ そうですね。以前より変な肩の力は抜けました。前のアルバム(2018年2月リリースの「a flood of circle」)のときは、「うまくやらんかったら首が飛ぶかもしれん」と思ってたんで(笑)。

渡邊一丘(Dr) そう言われるとめっちゃシビアなバンドだな(笑)。まあ、いろんなギタリストと一緒にやることに対してはほかのバンドより俺らは優位に立ってるんで。

HISAYO うん。慣れてる。

渡邊 これまでもサポートメンバーは多々いましたから、そういう土壌があって俺たちはテツを迎え入れることができたというか。これまでのことに無駄なことはなかったんじゃないかなと思ってます。

HISAYO サポート期間を含めると2年経つの?

アオキ 今年で3年目ですね。はえーな。

HISAYO テツも入った頃は右も左もわからない状態だったと思うんですけど、かなりプレイも佇まいも変わってきて。20代のときってもう成長しかないじゃないですか。テツの成長がバンドの成長につながってるところがあるんです。サポートメンバーだったら佐々木が「このフレーズを弾いてくれ」と伝えるだけだったのが、今はa flood of circleに合うような音をテツに弾いてもらうことが大事になった。テツ以外の3人は、長くやってる分、安定してきちゃってるんですよ。だからテツに新しい風を吹き込んでもらってる感じ。

──具体的にどういう変化を感じていますか?

HISAYO 佐々木の考えるギターのフレーズって手癖というか独特で、それがこれまでのフラッドのオリジナルの音でもあったんですけど、テツは「これしか弾けません!」「これが俺なんです」という音を出してくる。だから過去の曲もどうやってもテツの音になるんです。今も全力を出してもらってるけど、まだできあがってる感じじゃない。成長段階だから今後は引き出しが増えていくと思うんです。

渡邊 なんか常に「to be continued...」みたいな感じがあるよね。

HISAYO 佐々木が何度も「もうちょっとこうして」と言って、なかなかOKを出さないから。「もっとできるでしょ、テツ」みたいな感じでいるし、かなり鍛えられてるよね。

渡邊 そのおかげか今回のアルバムでは、テツのギターの音がくっきり堂々と大きくなったよね。

HISAYO うん。テツに頼ってます(笑)。

アオキ 荷が重いなー(笑)。

佐々木 確かにサポートで入ってもらってる頃に比べたら、今は意見交換しながら同じものを作ってる感じがしてて。俺のイメージがある曲もあるけど、そうじゃない曲はテツの思い通りにやれるよう“空けて”おくようになりました。俺の考えてるイメージと合ってるときもあれば、想像してないフレーズが出てきて「いいな」と思うときもあるし。もちろん意見は伝えるし、同じモノを作る人として、違うと思ったら「違う」とメンバーに対して言える喜びが出てきた。別に鍛えてるって感覚はないんですけどね(笑)。

左からHISAYO(B)、佐々木亮介(Vo, G)。

テツがいることで安心できる

──そういうメンバーの関係性の変化は、今作の音に反映されていそうですね。

左から佐々木亮介(Vo, G)、アオキテツ(G)。

佐々木 うん。「NEW TRIBE」(2017年1月リリースのアルバム)と「a flood of circle」(2018年2月リリースのアルバム)に関わってくれたザブ(ザビエル・ステーブンソン)は、バンドの音を1つの素材として捉えるタイプのエンジニアだったので、生で叩いたドラムをパーツの一部として組み合わせていく作り方だったんです。ギターも俺とテツ同時にソロを録って、あえて音をごちゃごちゃにしてた。でも、今回は日本のロックバンドの“王道”とも言える、ギターソロをちゃんと聴かせることに立ち返ったんです。それによってテツの持ち味が出されているし、ほかのみんなの武器が生きる音ができた。

──なるほど。アルバムを聴いたときに、佐々木さんが今までより歌に集中している印象を受けました。実際にライブでもハンドマイクで歌うことが増えましたし。

佐々木 そうですね。

HISAYO やっぱりサポートだと、佐々木がハンドマイクで歌ってるときも、ちょっとバランス的に不安定だったんです。今はテツがいることで安心できるというか。

──個人的には再び結成時と同じ4人編成に戻ったことで、本来のa flood of circleになったという印象です。

佐々木 なるほど。

HISAYO 私は3人時代が長かったんで、実はあまりその感じはわからないんですけど、結成時のa flood of circleのバランスはこういう感じだったのかな?という気持ちを味わっております。

佐々木 はははは(笑)。