ナタリー PowerPush - 阿部真央
話題の片想いソング「貴方の恋人になりたいのです」ついにCDリリース
歌入れは超悩んだ
──歌のレコーディングはいかがでした?
これ、歌を入れたのが去年の夏ぐらいなんです。その当時って、まだやっぱりレコーディングをし始めたばっかりだったし、バンドアレンジでのバラードっていうのも初めてだったんで、すごく難しかった記憶はありますね。超悩んだ。歌い方とか、声のトーンとか。やっぱりデモを超えたいっていうのがあったし、しかもアコースティックバージョンを配信しちゃってるのもあったから、違ったものを出したいっていう気持ちでがんばりましたね。
──そこで一番大事にしたのは?
やっぱり歌の表情かなぁ。私がこの曲に込めた気持ちだとか、これを書いたときに思っていた切なさとかが、聴いてる人に共感してもらえたらなって思って歌いました。この曲はライブではけっこう歌ってきているので、もうすでに表情が変化してきている部分もあるんですよ。でも、このCDには当時の私の素直な歌声みたいなものがパッキングされてる感じなので、改めていい曲になったなって思いますね。
──曲の後半で、ちょっとサウンドが落ちるパートがすごくいい。切々とした感情がググッと出てますよね。
感情出ました(笑)。あそこはデモのときから全部アルペジオにして、そういう感情を出してました。私ってけっこう落ちサビ前とDメロが好きなんで、そこに本当に伝えたい感情を込めるクセがありますね。この曲でも「この季節が過ぎる前に一緒に花火を見たいです」っていう、一番重要なワードをそこに持ってきたりしましたし。花火大会は待ってくれませんからね(笑)。
──きっと今、同じ思いをしている人たちはたくさんいますよね、きっと。
うん。そういう恋愛をしている人もいるだろうなと思いながら歌いました。もちろん、曲の部分部分で、例えば一番初めのフレーズとか、そういうところに共感してくれるんでも全然いいなって思います。この曲がいろんな人たちに届いてくれたら幸せなことだなって思いますね。どんな曲を歌う場合でも、その気持ちは共通してるものではあるんですけど。
これは「~のです」シリーズの中の1曲なんです
──タイトルもいいなって思いました。すごくわかりやすい(笑)。そこにもこだわりがあったりするんですか?
特にタイトルにこだわりはないです。わかりやすいのが一番いいと思う。でも実は、この歌の前に、まだ全然発表してない曲なんですけど、「~のです」っていうタイトルのシリーズがあるんですよ。シリーズが好きなんですよね、私(笑)。実はこの曲は、そのシリーズの中の1曲。
──“彼氏”ではなく“恋人”にしているところも阿部さんらしい気がしました。
なんででしょうね。たぶん、高校の授業中に“恋人”っていう表現を誰かがしていたんだと思うんですよ。先生なのか、教科書の中の物語なのかわかんないんですけど、それを聞いて「すごい!」って思って(笑)。普通「私の恋人が……」なんて言わないじゃないですか。で、それを使おうと思ってメモしていたのは覚えてます。
──ちょっとノスタルジックなPVもいい仕上がりですね。
しっとりですね。私の素を切り取りたいなと思ったので、素直な感じになりました。今回は母校で撮ったんですよ。
──あんまり行ってなかった高校で?
アハハハ。そう。あの嫌いだった高校で(笑)! 今となっては卒業できてよかったなって思います。すべて担任の先生のおかげです。しかも、そこでPV撮影できちゃったっていう。いろんなこと思い浮かべて、撮影中は切なくなりましたね。
阿部真央(あべまお)
1990年1月24日生まれ。大分県出身。愛称は「あべま」。高校1年のときにギターを始め、地元・大分市を中心に弾き語りで路上ライブを開始。高校2年のときに「YAMAHA TEENS' MUSIC FESTIVAL 2006」に出場。大分県大会で優勝し、全国大会では奨励賞を獲得する。高校卒業後、2008年春に上京。2008年10月に「MY BABY(AG VER)」がiTunes Store「今週のシングル」に選ばれ、合計10万ダウンロードを記録。オフィシャルMySpaceのプロフィールビューは現在100万PVを突破。2009年1月にアルバム「ふりぃ」でポニーキャニオンからメジャーデビュー。