音楽ナタリー Power Push - Masato(coldrain)×上田剛士(AA=)×Koie(Crossfaith)

世界照準の「MONSTER」コラボ

Masato(coldrain)×上田剛士(AA=)×Koie(Crossfaith)

内に秘めたるモンスターを解き放て

──「FREE THE MONSTER」という歌詞のテーマはどういうところから?

上田 時空を超えて、3人に共通して流れてる“もの”。ほかの奴らにはない“何か”。その壁を突き破れるような“もの”が、もともとのテーマで。それを「MONSTER」というワードにして2人に投げて歌詞を書いてもらったんです。

Masato オレらが普段歌詞で書いているような内容だもんな。内面にある怪物のようなエネルギーを解き放つ、というのは。

左からMasato(coldrain)、AA=、Koie(Crossfaith)。

Koie うん。テーマを投げてもらってからは、「内に秘めたるモンスターを解き放て」っていう歌詞がすぐできた。Masatoも方法は違うけど、一緒のことを書いてきてて。オレは言ってみれば昔は真面目な子だったんですよ。たぶんマサもそうだと思うんです。だけど、それぞれ内に秘めたるものがあって、それを表現するために内面的なものを書いたりすることが多い。そういう意味でも今回の歌詞のテーマは自分にすんなり当てはまったので、すらすら書けましたね。ライブをイメージして、ステージから自分の思いをオーディエンスに飛び火させるみたいな感覚を想像しました。

──ステージに立つと、普段の自分とは違うものが出てくるという感覚があるわけですか?

Koie 昔のほうがありましたね。今はもう、自分に自信が出てきたんで。昔はなんやろ……スイッチが切り替わるというか。いじめられっ子が突然爆発するみたいな感じだった(笑)。今はもう、自分をどう観客に見せるかってところに集中してるので。ただその中でも、自分の沸点が上がりきらないライブはよくないと思う。そのバランスが難しいですね。

──上がりきるときと、そうじゃないときってどういう違いがあるんですか?

Koie ええとね、オレの上がりきってないときのライブは、ライブ中に歌いながら頭とか痒くなって掻いちゃう。

上田Masato わははははは!(笑)

Koie 立川談春さんが、「何回舞台に立っても、うまくいくときといかないときがわからない。いろいろ試したけど正解がなくて、神のみぞ知る」っていうようなことを言ってて。その通りやなって。どんだけ準備しても、いいライブできへんときはできへんし。

日本でお金作って海外に投資する

──「こうやればいいライブになる」というセオリーはない?

Koie ないですね。ぶっ壊れたな、と思ったのは初めてUKツアーに行ったときで、転換でちょっと手間取ってたら、客席からビール瓶を投げられて。それでカーッ!となって、「殺す!」みたいな気持ちになったんですよ(笑)。そのときは100回以上歌ってる曲やのに1番と2番を間違えたりとか。ただ、そのライブ自体はめちゃくちゃよくて。そのときの映像も残ってるんですけど、お客さんもわーっと盛り上がってて。だからどうやればいいライブになるかはわからない。

Masato オレも最近アメリカで似たようなことがあったよ。機材トラブルとかいろいろあって、その日はSEもなくいきなり始めるしかなかったんですよ。けど「今日はもう開き直ってやるしかねえや」って思ってやったら、すげえ楽しかったんですよ。それまでは、海外でやるときは自分がこれまで8年間やってきたことを見せつけなきゃいけないとか気負ってたんですけど。そういうことじゃねえんだなと。

Koie うん。

Masato 1回全部忘れて、バンドをやってる楽しさや曲を演奏する楽しさを改めて知るために海外にいるんだなって、その瞬間思ったんですよ。普段のライブで構えて入る感じって、実は自分たちにプレッシャーを与えてるだけだった、と気付いて。そっから全部、どうでもよくなったんですよ。リハとかなくても全然いいし、自分の声がライブ中に聞こえなくてもいい。与えられた環境で精一杯やることにしたら、すごい楽しくて。アメリカではそのマインド1つで最高だったか最悪だったか変わるだろうな、と思いましたね。アメリカに行った周りのバンドは「アメリカは最悪だ」って言ってたけど、オレは逆に最高だった。

──アメリカツアーはすごく大変だと聞きますよね。ダメになるバンドもいるけど、逆にすごくたくましくなるバンドもいる。

Koie そうですね。まあ、現実的に考えたら海外で日本人が金銭的に成功するなんて、ほとんどないと思うんですよ。オレらけっこう行ってるけど、それでもとんとんぐらいですからね。渡航費用もかかるし、クルーも雇わなならんし。向こうでビジネス的な成功を目指すのは、言ってみればバンドとして賢い選択ではないというか。お金だけじゃなく体力的にも精神的にも疲れるし。テリトリーを広げて回ると、その分曲を作る時間も限られてくるし。ただホンマ、夢があるからやる、っていうだけ。

上田 言ってみれば日本でお金作って海外に投資する、みたいな感じだよね。

Masato でも、日本である程度成功してる人がさ、全部の国で同じぐらいの規模でできるってことがわかってれば、たとえお金にならなくても、みんな行くじゃん、きっと。

Koie うん、そうやな!

Masato みんな実はやりたいんだろうと思うんだよ。ただ保証がないから、リスクを冒せない。でもそこでオレたちは身を削っても、1から築き上げていきたいと思ったんだよね。

君たち日本にいないからさ

──今回の曲はライブでやらないんですか?

左からMasato(coldrain)、AA=、Koie(Crossfaith)。

上田 やりますよ。予定が合えば。

Koie やりましょうよ!

上田 でも君たち日本にいないからさ(笑)。

Koie これからヨーロッパに行って、4月まで帰って来ないですからね。

Masato オレらもこれからアメリカ行ってヨーロッパ行って……。

上田 いいですよね。海外ツアーが特別なことでもなんでもなく、ごく当たり前に生活の一部になってる。そういうバンドがどんどん増えてほしい。

──AA=は5月からの「TOUR #5」のスケジュールがすでに発表されています。ということは当然新作アルバムが発表されるであろうと我々は判断するのですが(取材は2月下旬に実施)。

上田 まあ……そのつもりで(笑)。

──現段階で何か発表できることはありますか?

上田 あのう……がんばります(笑)。

AA= ニューアルバム「#5」/ 2016年5月18日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
「#5」
初回限定盤 [CD+DVD] / 4644円 / VIZL-971
通常盤 [CD] / 3024円 / VICL-64574
Tour #5
2016年5月22日(日)
宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
2016年5月27日(金)
愛知県 APOLLO BASE
2016年5月28日(土)
大阪府 Shangri-La
2016年6月11日(土)
東京都 LIQUIDROOM
AA=(エーエーイコール)
AA=

THE MAD CAPSULE MARKETSの司令塔である上田剛士(Vo, B, Programming, Produce)のソロプロジェクトで、2008年に始動。アーティスト名はジョージ・オーウェルの小説「動物農場」に登場する言葉「All Animals Are Equal」に由来する。プロジェクトとしての活動の一方で、BABYMETAL、BiSなどの楽曲制作やプロデュースなどを担当したり、椎名林檎をはじめとするさまざまなアーティストの楽曲のリミックスをしたり、CM音楽や映画の劇伴を手がけたりと多岐にわたって活躍。2015年4月に0.8秒と衝撃。のJ.M.をボーカルに迎えた「→MIRAI→(ポストミライ)」をモード学園のCMソングとして提供して注目を集める。同年11月にKj(Dragon Ash)をボーカリストに迎えた「M SPECIES」、2016年3月にMasato(coldrain)とKoie(Crossfaith)をフィーチャーした「FREE THE MONSTER」を配信リリース。5月には「→MIRAI→(ポストミライ)」「M SPECIES」「FREE THE MONSTER」を収めた5thアルバム「#5」をリリースする。

coldrain(コールドレイン)
coldrain

2007年に名古屋で結成された、Masato(Vo)、Y.K.C(G)、Sugi(G)、RxYxO(B)、Katsuma(Dr)からなるラウドロックバンド。日米両国籍を持つMasatoによる英語詞、伸びやかな歌声と過激なスクリームを交えたボーカル、テクニカルでエモーショナルなツインギター、重低音でボトムを支えるベース&ドラムが絡み合うバンドサウンドが魅力。2008年11月にシングル「Fiction」でメジャーデビューを果たす。2012年7月にはデビッド・ベンデスをプロデューサーに迎えたミニアルバム「Through Clarity」をリリースした。2013年より海外でのライブ活動を本格化。2014年にはイギリスのロックフェス「Download Festival」に出演する。2015年10月に4thアルバム「VENA」を発表した。

Crossfaith(クロスフェイス)
Crossfaith

2006年11月にKenta Koie(Vo)、Terufumi Tamano(Programming, Vision)、Kazuki Takemura(G)、Hiroki Ikegawa(B)、Tatsuya Amano(Dr)により結成。2009年4月にリリースした1stアルバム「The Artifical Theory For The Dramatic Beauty」が国内メタルコア、スクリーモシーンを活気付ける起爆剤に。その後「Vans Warped Tour UK」「Soundwave Festival 2013」「Download Festival 2014」「Reading / Leeds Festival 2014」など海外の大型フェスにも多数出演し、各国のメディアに取り上げられる。2014年10月にキャリア初となるシングル「MADNESS」をソニー・ミュージックレーベルズからリリースするが、2015年1月にKazukiが脳内出血の治療によりライブ活動を休止。サポートギタリストを迎えてライブ活動を行う一方で新曲レコーディングを実施し、9月にメジャー1stアルバム「XENO」をリリースした。2016年には日本、ヨーロッパ、イギリスを含む世界ツアー「XENO WORLD TOUR 2016」を実施している。