音楽ナタリー Power Push - 「50TAクリスマスLIVE2016」開催記念特集 50TA

クリスマスに生まれる新たな伝説

ラルクやSOPHIAのマネが50TAに生かされてる

──さまざまな活動をされていますが、ご自分にとって50TAとはどんな存在でしょうか?

やっぱり芸人の自分とは全然別ですね。50TAって、すごく力を入れてるけど抜いてるというか。一番違うのは……一応アーティストなのでスベってもいいという楽さですね。

──なるほど(笑)。堂々としたライブパフォーマンスも印象的ですけど、影響を受けているものはありますか?

5月に行われた「金曜★ロンドンハーツ 50TAプレミアムLIVE in JAPAN」東京・EX THEATER ROPPONGI公演の様子。

小学校高学年のときに音楽に目覚めて、その頃にCDだけじゃなく、お小遣いをはたいて大好きなラルク(L'Arc-en-Ciel)やSOPHIAのコンサートビデオやPV集を買うようになったんです。それで部屋でビデオを観てたときに、窓ガラスをパッと見たら自分が映ってたので、ボーカルの手つきをマネしてみたりとか。その表現の仕方とかが今50TAにまんま生かされてるんですよね。

──そうだったんですね。斬新な歌詞にもルーツがあるのでしょうか?

個人的にはあまり斬新とは思ってないんですよね。音楽の学校に行っていたわけではないし、誰かに作詞作曲を習ったわけでもないから、本当に感覚だけで作ってるんです。だから普通に作ってるだけで、悪く言えば無茶苦茶、よく言えば型にハマらないものができてるのかなあと。たぶん知識があったらしっかり作ろうとしちゃうと思います。

──すごくキャッチーで耳に残りやすい楽曲群ですし、配信曲はトータルで70万ダウンロードを突破しています。

ありがたいですね。ライブをやらせてもらう中で、「初めて買ったCDは50TAです」っていう言葉をいただいたりするんですよ。「聴き始めた当時は中学生で、今は成人してます」とか、そういうお客さんもいてすごくうれしいなって思ってます。感動してますね。

──リスナーをあっと驚かせるような楽曲構成も魅力ですよね。

うーん……あ、もしかしたら芸人をやってることが影響してるのかもしれないです。例えば「ファイティングポーズ」の「奥歯」っていう歌詞は、ネタで言ったらオチだと思うんですよ。芸人としてずっとコントを作ってきたので、“振って振って落とす”みたいなことが自然に生かされてるのかもしれないです。「涙」で「ここで口笛吹こう」って思ったのは、起承転結の「転」を入れなきゃって自然に思ったからなので。

心は完全に折れてる

──ご自身の中で、狩野英孝と50TAの一番違う部分ってどんなところだと思いますか?

狩野英孝だとネタをやってウケたら安心して力が抜けるんですけど、50TAとしてステージに立ってるときは最初から最後までずっと緊張しっぱなしなところですかね。よく「あんなに大人数の前でライブをやって、気持ちいいでしょ?」とか、「楽しいでしょ?」って言われるんですけど、意外とそんなことはなくて、ずっと緊張してますね。ステージに立ってるときは気持ちよくなって歌ってる姿を演じてます。全力でいかないと、あんな大人数の歓声に勝てないですからね。

──50TAさんは2009年に放送されたテレビ朝日系「ロンドンハーツ 50年に1人の勘違い男 ボク芸人やめますSP!」のドッキリ企画の中で生まれたアーティストですが、そこから千葉・幕張イベントホールで単独公演を2度開催したり、ドッキリの中ではありますが、台湾公演を実施したり活躍の幅を広げています。これまでの活動を振り返ってみていかがですか?

5月に行われた「金曜★ロンドンハーツ 50TAプレミアムLIVE in JAPAN」東京・EX THEATER ROPPONGI公演の様子。

こっちは与えられたものに対して100%でやるだけなので、正直それがドッキリとかでも別にいいんですよ。いや、「ドッキリかーい!」とは思いますけど。

──2009年に初めてドッキリにかかりましたが、その後も2回、3回と50TAとしてドッキリにかかっていますよね。ちょっと心が折れそうになったりすることは……。

いや、折れてますよ完全に!

──あはは(笑)。

完全に心が折れて、「いや、ちょっと待ってくださいよ……」って落胆して、ネタばらしがあって終わってもずっと折れっぱなしです。それでオンエア観たら面白くなってて、SNSだったり街で「この前観ましたよ。面白かったです」って声をかけてもらって、やっと復活。応援してくれるファンの方々の声がなかったら2回、3回はないですから。

──ファンの方の声が本当に支えになっているんですね。

なりますね。実際にライブを何回もできているのだって、ロンハーのサイトとかにファンの方が「ライブやってください」っていう声をくれて叶っていることですからね。CDとかも絶対出さないってなってたのに、それもお客さんの「出してください」があって実現して。僕が「CD出したい」「ライブやりたい」って言っても周りは一切動かないですから。

ハードルを軽く飛び越えて新たな伝説を

──ライブ前には「こういうライブにしよう」って想像したり、練習したりしますか?

練習はします。スタジオを借りてカラオケを何度も流して。50TAって生バンドじゃなくて全曲カラオケなので、そこが難しいところで。けっこう僕も音楽のライブとかちょくちょく行きますけど、やっぱ生バンドってカッコいいし、僕的には生バンドだから1時間半持つみたいなところあると思うんです。でも僕のステージにはダンサーさんはいてくれるけど、バンドじゃなくてカラオケなんで、「カラオケでどうやって持たせよう?」みたいなプレッシャーがあるんです。

──「自分1人でどうにかしなきゃいけない」というような?

そうですね。だからもう、「この曲は動き回って端っこのお客さんの近いところに行こう」とか、「このMCは後ろに振ろう」「このMCではこの話しよう」とかけっこうきっちり決めて。そこから脱線していくパターンはもちろんありますけど。狩野英孝と違って50TAはロックンローラーなので、僕のイメージではあたふたしちゃダメなんです。何かトラブルが起こっても「関係ねーぜ」みたいな。

──だからきちっと動きを決めて挑んでるんですね。5月に東京・EX THEATER ROPPONGIでライブをした際には、「50TAの世界観はひと言でいうと“宇宙”です!」というコメントを出されてましたが、「宇宙」という言葉にはどのような意味合いが込められているのでしょうか?

50TA

“無限の可能性”です。これまで、コール&レスポンスやラップが入った楽曲、ヘビメタや今回のバラード調のクリスマスソングなど、けっこういろんな楽曲を作ってきて。もちろんアレンジャーの方の力もありますけど、やっぱりなんとなく飽きずに聴かせられる曲が作れてきましたし、「まだいけるな」とは思ってます。ライブに関しても、前に来てくれた方がまた来てくれたりして、どんどん広がってるなと思うので。

──12月22日に東京・豊洲PITで行われるワンマンライブ「金曜★ロンドンハーツ 50TAクリスマスLIVE2016 Support by au ビデオパス」では、どんなステージを見せたいですか?

Twitterとかで「ライブやります」「新曲作ります」ってどんどん振ってるんですよ。だからだからガンガンハードル上げて来てもらって大丈夫です! 軽く飛び越えますから。また新たな伝説を作りたいですね。

──ライブはビデオパスで生配信されますね。

配信って、観覧応募に漏れてしまった人にもライブを観てもらえるのでめちゃめちゃうれしいんですよね。「配信をご覧の皆さんも一緒に!」って、画面の向こうの皆さんもどんどん盛り上げて、楽しんでもらえるようなライブにしようと思います。

──最後に50TAさんの今後の展望を教えてください。

今回もそうなんですけど、今までほとんどライブは無料でやってるんですよね。お金取っても来てくれるような……有料ライブをやりたいです。

「金曜★ロンドンハーツ 50TAクリスマスLIVE2016 Support by au ビデオパス」をauビデオパスで生配信! 会員登録なしで誰でも無料で楽しめます

「金曜★ロンドンハーツ 50TAクリスマスLIVE2016 Support by au ビデオパス」

2016年12月22日(木)東京都 豊洲PIT
<出演者>
50TA

「auビデオパス」とは?

auビデオパスは、auの動画配信サービス。月額562円(税抜)で映画(洋画・邦画)やドラマ、アニメなどさまざまなジャンルの映像作品が見放題となり、さらに追加料金なしで毎月1本の新作も視聴できる。初回登録時は30日間無料。なお今回のライブ配信ではau利用者以外の方でもスマホ・タブレットにGoogle Play、App Store、au Marketより「ビデオパス」アプリをダウンロードするだけで、会員登録不要・無料でライブの模様を視聴することができる。

「金曜★ロンドンハーツ 50TAクリスマスLIVE2016 Support by au ビデオパス」をauビデオパスで生配信! 会員登録なしで誰でも無料で楽しめます

50TA(フィフティーエー)
50TA

狩野英孝扮するアーティスト。2009年2月に放送されたテレビ朝日系「ロンドンハーツ 50年に1人の勘違い男 ボク芸人やめますSP!」にて、テレビ朝日の放送50周年企画として田村淳(ロンドンブーツ1号2号)が仕掛けたドッキリ企画から誕生。「50TA」には「50周年テレビ朝日」という意味が込められているが、本人には「GO TOP ARTIST」という意味だと伝えられた。番組終了後に50TAが作詞作曲した楽曲群が配信リリースされると、その独特の歌詞の世界観やメロディが話題を集め、放送後の2日間で10万ダウンロードを突破した。10月には千葉・幕張イベントホールにて単独公演を開催し、約5000人の観客を集める。2010年2月にはオリジナルアルバム「50TA」を発表。オリコン週間 CDアルバムランキングでは初登場9位を獲得した。2012年9月には2度目の幕張イベントホール公演を実施。2016年4月に放送された特番「金曜★ロンドンハーツ&アメトーーーーク!姉妹番組4時間スペシャル!!」では、「金曜お引越し記念・ドッキリスター狩野英孝in台湾」と銘打ったドッキリ企画を仕掛けられ、その中で新曲「Over the rainbow」「ファイティングポーズ」を披露。この2曲は放送終了後に配信リリースされた。12月には東京・豊洲PITにてライブイベント「金曜★ロンドンハーツ 50TA クリスマスLIVE 2016 Support by au ビデオパス」を開催する。