ナタリー PowerPush - 4D-PIANO ANIME Theater!

4人のピアニストが織りなす四次元アニソンプレイ

昨夏、まらしぃと紅い流星という、ニコニコ動画「演奏してみた」カテゴリで人気を博す2人のピアニストが、H ZETT Mと強力タッグチーム“3D-PIANO"を結成。3台(3D)のピアノによるアニソンカバーアルバム「3D-PIANO ANIME Theater!」を発表し、インスト作品としては異例のロングセールスを記録した。

そしてこの6月、“3D-PIANO”は“4D-PIANO”にパワーアップ。事務員Gを迎え入れ、実力派プレイヤー4人が「鉄腕アトム」から「太陽曰く燃えよカオス」まで11曲の新旧アニメソングを大胆にアレンジし、エモーショナルにプレイするアルバム「4D-PIANO ANIME Theater!」をリリースした。

「3台のピアノアンサンブルですら前代未聞」と口を揃える3人が事務員Gを迎え入れたのはなぜか? そして前代未聞すらも飛び越える4D-PIANOを成功裏に収められたのはなぜか? 4D-PIANOの面々に話を聞いた。

取材・文 / 成松哲 撮影 / 小坂茂雄

 
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4人になればもっとすごいことをやれるはず

左からまらしぃ、事務員G、H ZETT M、紅い流星。

──以前まらしぃさんを取材したときに前作「3D-PIANO ANIME Theater!」制作の舞台裏は伺ったんですよ。まらしぃさんと紅い流星さんが「~ANIME Theater!」シリーズをリリースしているレーベル、ドワンゴ・ユーザーエンタテインメントにH ZETT Mさんを紹介してもらったのをきっかけに始まったプロジェクトなんですよね。

まらしぃ そうですね。

──そして今回は「4D-PIANO ANIME Theater!」。3D=3台のピアノが4D=4台に増えました。

事務員G ほら、同じことばっかりやってると(売り上げ)枚数が下がっちゃうから(笑)。

紅い流星 そこで「演奏してみた」界No.1プレイヤーである事務員G大先生のお力をお借りしよう、と(笑)。

──で、本当のところは?(笑)

紅い流星

紅い流星 まず天の声というか、レーベルの方から「また『~ANIME Theater!』をやりましょう」「今度は事務員Gさんを入れて4人で」っていうお話があって。そして確かに僕ら3人としても「またやるんなら新しいことを」っていう気持ちはあって。ピアノ三重奏っていうだけでも十分新しかったんだけど、4になればもっとすごいことをやれるんじゃないか。というか、やってやるっていう気持ちがあって、お引き受けしたっていうのが正直なところですね。

まらしぃ 僕や流星さんにしてみたら、事務員さんとは腐れ縁って感じの関係でしたし。

事務員G 私とまらしぃさんはずっと一緒にピアノデュオで盤を作ったりライブをしたりしてきた仲だったし、流星さんにはボカロPの40mPさんと私の企画「虹色オーケストラ」に参加していただいていたので。

紅い流星 それ以前、それこそ2008年頃から友達ではあったので「~ANIME Theater!」に入ってくることはある意味自然だったんです。

3D-PIANO、4D-PIANOはホントに頭の悪い企画!

事務員G ただ私自身は「~ANIME Theater!」の話を最初に聞いたとき、断ろうと思ってたんですよ。

紅い流星 おっ、秘話だ。いいね、インタビューっぽい(笑)。

事務員G

事務員G 1年前、まらしぃさんは「3D-PIANO ANIME Theater!」の制作のために名古屋から上京してきてたんですけど、レコーディングが中1日とか空くと私と一緒に遊んでいたんですよね。で、言うんですよ。「3D-PIANOは楽しいんだけど、カロリーを使う」と。僕がドラを引き当てたりしているときに「3人のピアノをうまく融合させるところがすごく難しい」って話をしていて(笑)。それを聞いていたもんですから、悩んだんですよね。これだけのプレイヤーですらいろんな苦労をしている現場に私が飛び込んでいったら、話がさらに複雑なことになってしまうんではないか、って。

──ピアノ三重奏ってやっぱり大変なものだったんですか?

まらしぃ ソロなら全部自分でお尻を拭けるというか、全責任を負えるんですけど、3人でやるとなると……。

事務員G 流星さんのケツなんか拭けねえよ、と?(笑)

まらしぃ ……はい。

紅い流星 あはははは(笑)。自分のケツを拭いた上でほかの人のケツの心配、ほかのパートのことも考えなきゃならないからね。

H ZETT M それに機種によって音色は違うっちゃあ違いますけど、大枠で捉えてしまうと、結局のところ3台とも同じピアノじゃないですか。その中でそれぞれのキャラクターを出しつつ、でも一体感のあるアンサンブルをしなきゃいけないっていうのはやっぱり大変ですよね。

まらしぃ はっきり言ってホント頭の悪い企画だと思うんですよ、ピアノ三重奏、四重奏でアルバムを作ろうって!

一同 あはははは(笑)。

H ZETT M

H ZETT M そういう苦労があるからこそ「3Dを4Dに」って話をいただいたとき、僕はもう即座に「新しいメンバーは事務員Gじゃなきゃイヤだ」と。

事務員G あれっ? お目にかかるまで私の名前ご存じなかったですよね(笑)。

紅い流星 いや、3Dのレコーディングのときから、H ZETT Mさんは事務員さんの名前をチョイチョイ出してましたよ。ニコニコ動画上でもそうだし、リアルなイベントなんかでもそうだけど、やっぱり「演奏してみた」界隈の目立つところにいたからだと思うけど。

H ZETT M うん。いつの間にか自然と知っていた感じですね。

H ZETT M × 紅い流星 × 事務員G × まらしぃ「4D-PIANO ANIME Theater!」 / 2013年6月19日発売 / 2000円 / apart.RECORDS / 気球舎 / DPCA-1009

収録曲
  1. 太陽曰く燃えよカオス(這いよれ!ニャル子さん)
    / 事務員G、紅い流星、H ZETT M、まらしぃ
  2. ドラえもんのうた(ドラえもん)
    / 事務員G、紅い流星、H ZETT M、まらしぃ
  3. おどるポンポコリン(ちびまる子ちゃん)
    / 事務員G、まらしぃ
  4. 鉄腕アトム(鉄腕アトム)
    / H ZETT M
  5. おジャ魔女カーニバル!!(おジャ魔女どれみ)
    / まらしぃ
  6. めざせポケモンマスター(ポケットモンスター)
    / 事務員G、紅い流星、H ZETT M、まらしぃ
  7. 魔訶不思議アドベンチャー!(ドラゴンボール)
    / 紅い流星、H ZETT M
  8. 葛飾ラプソディ(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
    / 紅い流星
  9. アシタカせっ記(もののけ姫)
    / 事務員G
  10. ハレ晴レユカイ(涼宮ハルヒの憂鬱)
    / まらしぃ、事務員G
  11. ジョジョ~その血の運命~ (ジョジョの奇妙な冒険)
    / 事務員G、紅い流星、H ZETT M、まらしぃ
H ZETT M×紅い流星×事務員G×まらしぃ「4D-PIANO LIVE Theater!」ライブ

2013年9月13日(金)東京都 下北沢GARDEN
OPEN 18:00 / START 19:00

※本特集ページの最後にナタリー先行販売の情報あり

H ZETT M(えいちぜっとえむ)

生年月日不詳、青鼻が特徴のピアノマジシャン。1999年よりヒイズミマサユ機名義でPE'Zの一員として活動を開始し、2004~2005年にはH是都Mの名前で第1期東京事変に参加する。2007年、アルバム「5+2=11」(ゴッタニ)でソロデビューを果たし、以来4枚のオリジナルアルバムと、まらしぃ、紅い流星とともに3台のピアノでアニメソングをカバーする「3D-PIANO ANIME Theater!」など3枚のコンセプトアルバムをリリース。2011年には台湾でのワンマンホールライブを行うなど、その高い技巧と唯一無二のパフォーマンスは国内外で大きな注目を集めている。そして2013年6月、まらしい、紅い流星に加え、事務員Gとともに「ANIME Theater!」シリーズ第2弾「4D-PIANO ANIME Theater!」をリリースした。

紅い流星(あかいりゅうせい)

ニコニコ動画の「演奏してみた」カテゴリなどで活躍するキーボーディスト。2008年、ゲーム「ファイナルファンタジーV」のBGMをアレンジした「演奏してみた」動画「俺らぁビッグブリッヂさ行ぐだ」が注目を集めて以来、ソリストとしてさまざまな楽曲をジャズアレンジした「演奏してみた」動画をニコニコ動画などに投稿する。2009年にはインストバンド[Mint]を結成し、ニコニコ超会議、ニコニコ超パーティといったニコニコ動画の公式イベントなどのステージを踏むかたわら、数多のボカロPや歌い手のバックバンドも務めている。また、東方Projectの楽曲を爆音ジャズアレンジする「東方爆音ジャズ」シリーズや、ボーカロイド曲をアレンジする「ボカロ爆音ジャズ」なども制作する。2012年にはH ZETT M、まらしいとともにアニソンカバーアルバム「3D-PIANO ANIME Theater!」をリリースし、2013年には事務員Gと40mPが企画した「虹色オーケストラ」にキーボーディストとして参加。

事務員G(じむいんじー)

ニコニコ動画の「演奏してみた」カテゴリで活躍する演奏者。ピアノをメインにさまざまな楽器を同時に演奏する動画がネット上で大きな反響を呼んだ。2008年よりニコニコ動画でのパフォーマーを集めたイベントを企画し始め、2010年からは台湾・香港を始め海外でのイベント制作も精力的に行う。2012年にはボーカロイド楽曲214曲をつなげて弾いた映像がニコニコ動画「動画アワード」の「演奏してみた」カテゴリでMVDを受賞。2013年6月にはH ZETT M、紅い流星、まらしぃとともに4台のピアノでアニメソングをカバーするアルバム「4D-PIANO ANIME Theater!」に参加している。

まらしぃ

2008年よりニコニコ動画の「弾いてみた」動画などで活動しているピアニスト。ボカロPとしてもオリジナル曲を投稿している。2010年にDMEから1stアルバム「V.I.P(Marasy plays Vocaloid Instrumental on Piano)」をリリース。その後H ZETT M、紅い流星とのコラボでアニメソングをカバーするアルバム「3D-PIANO ANIME Theater!」を発表したり、クレモンティーヌとのライブ競演、武部聡志&鳥山雄司とのセッションなどピアニストとして幅広い活躍を見せている。2012年10月には初の全編ピアノソロアルバム「V-box」を発表。2013年6月、H ZETT M、紅い流星、事務員Gとともに「ANIME Theater!」シリーズ第2弾となる「4D-PIANO ANIME Theater!」をリリースした。