あのときの自分らを裏切らないように
──シングルにはカップリング曲としてアニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」の第2クールオープニング主題歌「スパートシンドローマー」と、Daigasグループの創業120周年記念CMソング「我主我主我主~Oh!Soccer!~」が収録されます。10-FEETは来年には結成30周年を迎えますが、タイアップ曲でシングルを1枚作れるくらい、人気を保ってずっとシーンを牽引し続けている状況を皆さんはどう捉えていますか?
KOUICHI うーん、あんまり意識していなくて。気が付いたら30年だった、という感じなんですよね。
──とはいえ「京都大作戦」を含めてシーンの先頭に立って旗を振り続けるのは、ただ走ってきただけではできないことだと思います。
KOUICHI それは僕らの力だけじゃなくて。ライブ観に来てくれるみんながいるから。僕らのがんばりもありますけど、それ以上に応援してもらっているから今があるんやと思います。
NAOKI 「京都大作戦」で言えば、僕らが出てほしいアーティストが出演してくれていることとか、いろんなアーティストに「あのフェスに出たい」と言ってもらえていることがうれしくて。僕ら自身がバンドマンとしてカッコよくないとそういう状況にはならないだろうから、なんとか踏ん張ってきた。これからも踏ん張っていかなあかんなと思っています。
TAKUMA 「旗を振る」って、要はシーンの最前線にいるということやと思うんです。それができるのは、ずっと成長していけるように、油断せず調子乗りすぎんようにという意識でいるからでしょうね。あと、バンドを結成してライブをし始めた頃から僕らはROTTENGRAFFTYとすごく仲がよくて。昔は2組とも全然有名じゃないけど、お互いにホンマにすごいカッコいいライブをしている自負はあったんです。「ロットンはホンマカッコええから世界で暴れ倒すべきや」って言っていたし、ロットンも「10-FEETはすごいね」と言ってくれていた。その頃、「もしどっちかが売れてフェスとかを開催できるようになったら、“自分はカッコええと思わへんけど売れてるバンド”じゃなくて、お互いを呼ぼうぜ」って言い合っていたんです。「10-FEETが先に売れたら、ロットンを呼ぶこと」「ロットンが先に売れたら10-FEETを呼ぶこと」って。そういう約束を今も大事にしています。
──バンドを数字で評価しない。
TAKUMA そう。例えば今は売れていなくてライブでの動員が10人、20人だとしても、「京都大作戦」で「あのバンドなんなん? カッコええやん」と言われて伝説になってくれるようなバンドをブッキングしていかなあかんと思う。僕らも、お客さんが100人も入らへんときに「Sky Jamboree」と「POP HILL」の大きなステージに出させてもらったことがあったんですよ。今考えたらめちゃくちゃ大抜擢なことなんですけど、そのおかげで名前が広まっていったところもあると思う。だから、もし僕らが旗を振っているように見えるんやとしたら、僕らがそういう思いを大事にしているからやと思います。もちろん、ブッキングは僕らだけでやっているわけではないので、すべてが叶うわけではないですけど、「あのときの自分らを裏切らないように」という思いは大事にしていますね。
自分も素直に熱いものを届けていきたい
──「あのときの自分らを裏切らないように」という話がありましたが、10-FEETがずっと人気を保っている理由の1つに、楽曲やライブで伝えているメッセージがずっとブレていないということも大きいと思っていて。
TAKUMA ありがとうございます。
──昨今は特に一生懸命な人を冷笑する風潮がありますが、その中でも10-FEETは必死で生きている人を応援し続けてくれるし、まっすぐでいることを肯定してくれる。時代に左右されない10-FEETの持つメッセージ性の普遍性について、どのように考えていますか。
TAKUMA 願いが叶わず失望したり、大事なものを失ったり、孤独になったりすることって流行り廃りじゃなくて、いつの時代も誰しも経験することだと思うんですよ。僕もおじいちゃんとおばあちゃんが死んでもうたし、そういう避けられない別れが必ずある。その中で、「自分はこうやって立ち直れた」というメッセージを伝えたいし、そういうメッセージはいつの時代も人を勇気付けられると思うんですよ。「そんな熱いメッセージはいらんねん」と思う人もいるだろうけど、自分はそういうものに助けられた。だから、自分も素直に熱いものを届けていきたい。そこはずっと変わらないと思います。
──ご自身の経験に基づくものなんですね。
TAKUMA 例えばSNSで熱いことや一生懸命な人を冷笑する人だって、何かしらで自分を勇気付けて、孤独やつらいことから立ち直ってきているはずなんですよ。酒飲んで友達と話すとか、何かの哲学を支えにしているとか。熱いことに勇気をもらっていた時期もあったけど今はそれを卒業しているのかもしれない。生きていたらつらいことやネガティブなことはたくさんあるし、誰にでもその助けになる言葉や音楽との出会いがあるはず。そういう人にも自分たちの考えが届くように、ちょっとギャグにまぶして真面目なことを言ってみたり、一見意味のなさそうな言葉遊びの中に熱いことを混ぜてみたり、シーケンスを使ったカッコいい電子音に思いを乗せてみたりして。10人に1人くらいしかそれに気付いてくれへんかったとしても、その1人がめちゃくちゃ羽ばたいてくれたらいい。そうやっていろんなものに、自分の気持ちを宿していけばいいと思いながらやっています。
──だからこそ、現代とは時代も境遇もまったく違う「ゴールデンカムイ」の世界にも、10-FEETの楽曲がハマるんでしょうね。
TAKUMA そうなっていたらいいなと思います。
公演情報
10-FEET “壊れて消えるまで” ONE-MAN TOUR 2026
- 2026年5月25日(月)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2026年6月2日(火)宮城県 SENDAI GIGS
- 2026年6月11日(木)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2026年6月15日(月)香川県 高松festhalle
- 2026年6月19日(金)北海道 Zepp Sapporo
- 2026年6月23日(火)新潟県 NIIGATA LOTS
- 2026年8月15日(土)富山県 クロスランドおやべ
- 2026年8月19日(水)群馬県 高崎芸術劇場 スタジオシアター
- 2026年8月26日(水)神奈川県 KT Zepp Yokohama
- 2026年9月2日(水)愛知県 COMTEC PORTBASE
- 2026年9月10日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2026年9月16日(水)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
プロフィール
10-FEET(テンフィート)
TAKUMA(Vo, G)、NAOKI(B, Vo)、KOUICHI(Dr, Cho)による3ピースバンド。メロディックパンク、ヘヴィメタル、レゲエ、ヒップホップ、ギターポップ、ボサノバなどのさまざまなジャンルを取り入れたサウンドで人気を集める。結成以来精力的にライブ活動を続け、その迫力満点のライブパフォーマンスや人間味あふれる深いメッセージが込められた楽曲、笑顔を誘い出すキャラクターで音楽ファンを魅了。2007年からはバンド主催の野外フェス「京都大作戦」を開催し、地元・京都から音楽シーンを盛り上げている。2022年12月公開の映画「THE FIRST SLAM DUNK」に提供したエンディング主題歌「第ゼロ感」が話題を呼び、2023年に「NHK紅白歌合戦」に初出場した。2024年4月から5月にかけて初のアリーナ単独公演を京都・京都市勧業館 みやこめっせ 第3展示場と神奈川・横浜アリーナで開催。2025年10月にアニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」第2クールのオープニング主題歌「スパートシンドローマー」を配信リリースした。2026年3月に映画「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」の主題歌「壊れて消えるまで」を表題曲としたシングルをリリース。5月からワンマンツアー「10-FEET “壊れて消えるまで” ONE-MAN TOUR 2026」を行う。



