「TENET テネット」特集|クリストファー・ノーラン最新作に迫る!岩田剛典のインタビューや著名人コメント、町山智浩による解説コラムをお届け

「ダークナイト」「インセプション」「ダンケルク」などで、世界中の映画ファンを沸かせたクリストファー・ノーラン。3年ぶりに満を持して放つ最新作「TENET テネット」が、9月18日に全国公開を迎える。

映画ナタリーでは、計3回にわたって特集を展開。第1弾ではいち早く映画を鑑賞したノーランの大ファン・岩田剛典(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)がその魅力を熱弁。第2弾ではアニメ監督やマンガ家など、日本を代表するクリエイターよる感想コメントをお届けする。締めくくりとなる第3弾では、ネタバレありで「TENET テネット」を徹底解説。映画評論家・町山智浩による解説コラムをお見逃しなく。

コメント取材・文 / よしひろまさみち

「TENET テネット」を大特集

  • 岩田剛典 インタビュー
  • “時間の逆行”を体感したクリエイターのコメント集
  • 町山智浩 解説コラム

CHARACTER & COMMENTS

名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)
名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)
ある偽装テロ事件に特殊部隊として潜入したことから、謎のキーワード「TENET(テネット)」を巡るミッションに巻き込まれる本作の“主人公”。その任務は未来に起こる第3次世界大戦を防ぐこと。
COMMENT
僕が演じた「主人公」は、ある試験をパスしてスカウトされ、この危険な任務に就いたわけだけど、それは彼自身が他者に対して優しいからだったと思う。彼は「人類はきっと前に進めるし、前進のためなら自分の命を犠牲にすることはどうでもいい」と思っているからだ。その信条を買われてのミッションだ。僕にとってこの撮影はチャレンジの連続。特にムンバイでのジャンプシーンは青ざめたね。実は高所恐怖症で(笑)。「ああ、とんでもない大作に出ている」っていう実感が湧いたのもそのときだ。また、あるアクションシーンでは、撮影監督に蹴りを入れてしまい「しまった!」と思ったんだけど、彼には「いいから続けて!」と言われた。プロに囲まれた幸せな現場だったね。
ニール(ロバート・パティンソン)
ニール(ロバート・パティンソン)
名もなき男の任務遂行を手助けする優秀なエージェント。相棒として、世界各国を旅する。
COMMENT
ニールはさまざまな側面を持ったキャラクターで、その多面性を妙に自覚している。それに、複雑に入り組んだ物語の世界のカオスを、どこか他人事のように楽しんでいる節もある。理由は物語の後半でわかるんだけど、演じるうえでもニールの気持ちになりきっていたんだよ。ほかのキャラクターは皆、このおかしな世界観に翻弄されているんだけど、ニールだけは楽しんでいるというのが特徴だよね。僕自身も演じていて楽しかったし、なんせクリスの映画だよ!?(笑) オーディションらしきミーティングでは、まったく新作の話にならなかったから、僕にはチャンスは巡ってこないんだってあきらめていたほどなんだ。クリスの映画の一ファンとして大興奮だったね。
アンドレイ・セイター(ケネス・ブラナー)
アンドレイ・セイター(ケネス・ブラナー)
天然ガスで富を築いたとされるロシアの富豪。裏の顔は武器商人で、未来と現在をつなぐ役割を持つ悪人。
COMMENT
セイターは悪役だけど、絶対悪というよりは、悪魔と契約を交わして、そのツケが回ってくるのを恐れ、それを弱点としている男。ツケが回ってこないよう、我欲のためにどんな犠牲もいとわない人間は実際にもいるんだよね。役作りでヒントになったのは、イギリスのある若手議員の記事だった。彼が政界入りを果たしたときに「手に入れたいものは、なんとしても手に入れるつもりだった」って言ったそうだよ。キャラクターをどう演じているかよく聞かれるんだけど、セイターに関してはまったく苦労しなかった。だって、人物像がすべて脚本に書かれていたから。完成した作品を初めて観たときに、スクリーンに映る自分の姿がめちゃくちゃ怖く見えたものだ。それもこれも、クリスのおかげだよ。
キャット(エリザベス・デビッキ)
キャット(エリザベス・デビッキ)
セイターの妻で一児の母。イギリスの貴族階級の生まれで美術品の鑑定士の顔も持つ。セイターの秘密を知るものの、夫から離れられない理由がある。
COMMENT
脚本を読んだときに、キャットが抱えているさまざまな葛藤を自分のことのようにリアルに感じたのを覚えているわ。時間の概念うんぬんはさておき、スパイ映画において、女性のキャラクターがキャットのように自分自身の自由のために闘い、主体性を持って行動するのは珍しいとも思った。それとともに、心理的にはかなり暗くなることは目に見えていたから、撮影前はプレッシャーと恐怖感ばかり感じていたわね。でも、ケン(ケネス・ブラナー)、ジョン・デヴィッドはいつも現場で笑わせてくれたし、監督が私たちのやりたいよう、ゆとりを持たせてくれたから、私は自分の限界に向けてやるのみって感じだったわ。お芝居のうえでは、ケンを毛嫌いしているのにね(笑)。