生田斗真×向井理×三池崇史「警部補ダイマジン」鼎談、ちょっと危険な香りがするドラマ!? TELASA完全版はやりたい放題 (2/2)

とにかく三池監督の振り切り方が半端じゃない(生田)

──生田さんは以前「皆さんが『これテレビでやっていいんだ!』と血を燃えたぎらせる、とんでもない作品を三池監督と生み出します」とコメントされていましたが、そう感じた理由を教えていただけますか。

生田 とにかく三池監督の振り切り方が半端じゃない現場でした(笑)。例えば、登場人物の衣装って日にちが変わると違う衣装に変わっているのが普通じゃないですか。だけど今回はすべてのキャラクターの衣装が第1話から最終話までずっと一緒で、それはある意味、登場人物をキャラクターとして捉えているからなんですよね。“これはフィクションですよ”とハンコを押している感覚っていうのかな。おかげで細かいことを気にせずに演じようという気持ちになれたので、そこはすごく大きかったです。

「警部補ダイマジン」第2話の場面写真。

「警部補ダイマジン」第2話の場面写真。

向井 最近はコンプライアンスの問題もあって、切れ味が鋭いものや毒のある作品を作りにくい世の中になっていますよね。そんな中、あえて忖度なしで自分たちが観たいものを作りたいと制作陣の方々がおっしゃっていて、そこに自分も参加できることが単純にうれしかったです。“悪をもって悪を制す”というのはよくないことかもしれませんが、それをエンタテインメントとして提示できるのがドラマの面白さだと思っています。三池監督の指揮のもと、こういうエッジの効いた作品を作れたことに感謝しています。

──警察組織や国家の暗部に斬り込んだ社会派なテーマを、エンタメ要素のあるドラマとして発信していくことについて、三池監督はどう感じていらっしゃいますか。

三池 極端な話、社会派なテーマをシリアスに描こうがコミカルに描こうが、伝えたいことは変わらないです。視聴者の方にドラマを楽しみながら何かを感じてもらうためには、シリアスな物語を、ときに軽妙に楽しく描く必要がある。このドラマにはユーモラスなシーンがたくさんあるので、クスクス笑いながらも、ふと“自分だったらこんなときどうするだろう”と考えながら観ていただけたらうれしいですね。

最終回はとんでもないセリフで終わる(三池)

──ちなみに、皆さんが思うダークヒーローは誰でしょうか?

生田 ダークヒーローと聞いてパッと浮かんだのは「仮面ライダーBLACK」。仮面ライダーってヒーローの象徴だと思うんですけど、そこにダークなテイストを取り入れたBLACKとBLACK RXの登場はとても衝撃的で。初めてダークヒーローの魅力に気付かせてくれた存在ですね。

向井 作品で言うと映画「セブン」。どこか「警部補ダイマジン」と通ずるものを感じました。悪人も自分なりの正義をもって行動していて、立場が違えば悪人からしたら警察組織こそが悪だったりする。そんなことを考えさせてくれるのがダークヒーローなのかなと思います。

三池 ダークヒーローではないけど(笑)、ブルース・リーはやっぱりかっこいいなと思いますね。有名な「燃えよドラゴン」は1973年に公開されましたが、ブルース・リーは同年の映画公開前に亡くなっているので、世界中がこの作品に熱狂した頃には彼はもうこの世にいなかった。だけど映像の中のブルース・リーは肉体が生き生きと炸裂していて、その姿を見て感動するしリスペクトもできる。それが映画の力なんだということを教えてくれたので、僕にとって彼は圧倒的なヒーローです。

「警部補ダイマジン」第3話の場面写真。

「警部補ダイマジン」第3話の場面写真。

「警部補ダイマジン」第3話の場面写真。

「警部補ダイマジン」第3話の場面写真。

── TELASAの「警部補ダイマジン完全版」では、未公開シーンを収録した本編に加え、毎話ラストにメイキングやインタビューを楽しむことができます。

生田 地上波版以上にやりたい放題やっていますので、ぜひご期待ください(笑)。

向井 完全版は尺を意識せずに編集されているはずなので、地上波版とは違う楽しみ方ができるんじゃないかなと思います。裏側が知れるメイキングも観れますので、ぜひ堪能していただきたいですね。

三池 地上波版との相乗効果でより楽しめる作り方をしていますので、ぜひ完全版もチェックしていただけたらと思います。このドラマはいくつかの話が並行していて、途中で頭の中が“???”になる方もいるかもしれませんが、台場と平安に付いて行けばどこかに行き着くだろうと気楽に観ていただけたら。物語が進むうちにみんなの目的が1つになり、テーマもはっきりと絞れてきて、最終回はとんでもないセリフで終わるので(笑)、ぜひ最後までお楽しみください。

「警部補ダイマジン」

「警部補ダイマジン」

「警部補ダイマジン完全版」

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プロフィール

生田斗真(イクタトウマ)

1984年10月7日生まれ、北海道出身。2010年に「人間失格」で映画初出演にして初主演を務めた。主な出演作は、映画「ハナミズキ」「僕等がいた」「彼らが本気で編むときは、」「先生! 、、、好きになってもいいですか?」「友罪」「渇水」、ドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。~」「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」「俺の話は長い」「書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」など。「オレステイア」「ほんとうのハウンド警部」「てなもんや三文オペラ」といった舞台作品にも参加している。

ヘアメイク / 豊福浩一スタイリング / 佐藤美保子

向井理(ムカイオサム)

1982年2月7日生まれ、神奈川県出身。2006年に「白夜行」でドラマ初出演を果たし、2009年放送の「傍聴マニア09~裁判長!ここは懲役4年でどうすか~」で主演を務める。そのほかの出演作はドラマ「ハングリー!」「S -最後の警官-」「神の舌を持つ男」「10の秘密」「先生のおとりよせ」、映画「僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.」「小野寺の弟・小野寺の姉」「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」など。主演を務めるドラマ「パリピ孔明」は2023年秋に放送される。

三池崇史(ミイケタカシ)

1960年8月24日、大阪府八尾市出身。今村昌平、恩地日出夫に師事し、1991年にオリジナルビデオ「突風!ミニパト隊」で監督デビュー。1995年の「新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争」で劇場公開映画の初監督を務め、以来ジャンルを問わず多種多様な作品を次々に手がける。主な監督作品は、映画「DEAD OR ALIVE」「ゼブラーマン」「土竜の唄」シリーズ、「オーディション」「十三人の刺客」「悪の教典」「藁の楯 わらのたて」「無限の住人」「初恋」など。亀梨和也(KAT-TUN)を主演に迎えた「怪物の木こり」が2023年12月1日に公開される。

TELASA(テラサ)

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