「SUNNY 強い気持ち・強い愛」座談会|ルーズソックス、細眉、安室ちゃん!イマドキ女子がコギャル文化を通して深めた友情

前半はずっとあごがしゃくれてます(広瀬)

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

──広瀬さん演じる奈美は田舎から転校して来た女の子でした。徐々にコギャルに染まっていくという点では、奈美も広瀬さんも同じですね。

広瀬 はい。私のクランクインは、サニーのみんながワーッとしゃべってるのを圧倒されながら見てるシーンだったんです。だから、まずは様子を見てみようと。でもみんなのテンションにどんどん引きずり込まれていくのが自分でもわかって、その感覚がある意味楽しみでもありました。

山本 みんなが勢いよくしゃべってるとき、ちょっと引いてたよね?(笑)

広瀬 違う違う、がんばれ!って(笑)。コギャルの方々が使ってる言葉って、私たちが使う言葉と似てる部分もあるけど、今のほうがちょっととがってるというか。一言が強いんです。もっと軽い言葉があの時代にはあったんだなって感じられるから、おしゃべりのシーンはすごく好きです。

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」より、広瀬すず演じる奈美。 広瀬すず

──今回、広瀬さんが今まで見たことないような表情をたくさん見せている点も印象に残りました。特にサニーが鰤谷(ぶりたに)たちのチームと対峙するシーンでは……。

女子一同 あれはヤバい!!(笑)

広瀬 監督に「右目を右、左目を左に寄せてくれ」って言われたんです。「それが理想なんだよなあ」って言うんですけど、絶対に不可能なんですよね。でも意外とできていたかもしれません(笑)。

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」 監督からの指示を説明する広瀬すず(左)。

──転校してきたばかりの奈美が、クラスでコギャルたちに圧倒されている表情も面白かったです。

女子一同 しゃくれだ。しゃくれすず(笑)。

広瀬 奈美は緊張するとあごがしゃくれるという裏設定を勝手に作ったんです(笑)。だから前半はずっとしゃくれてます。

「ごっつ」の話題で持ちきりになるのがわかった(池田)

──そんな設定があったんですね。それとコギャル要素だけでなく「伊東家の食卓」ネタまで1990年代あるあるとして押さえていたことに、大根監督のテイストを感じました。

大根 ちょうど「伊東家の食卓」で観た記憶があるぞという場面だったので。でもみんなは知らないよね。

左から野田美桜、山本舞香、田辺桃子。

山本 名前は聞いたことあります。

広瀬 私は観てましたよ、小さい頃ですけど。すごく人気の番組だったことは知ってます。

池田 そう言えば撮影中、サニーの中で「ごっつ(ダウンタウンのごっつええ感じ)」が流行ったよね。移動中に観たり。

広瀬 そうそう。ものまねしようよ!って。

田辺 私、望生のものまねがツボだったな。

富田 あー、あれか! 「もっと! もっと! ハミングでー!!」

女子一同 「ふふふふふーん♪」(松本人志と今田耕司の掛け合いコント「兄貴」のワンシーンを再現する)

大根 (笑)

池田 これ観たら、確かに次の日は「ごっつ」の話題で持ちきりになるよね。面白いもん。当時の感覚がわかった気がするなあ。

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」より、池田エライザ演じる奈々。 池田エライザ

野田 「ごっつ」とか共通の話題ができてから、一気にサニーらしさが出てきたよね。親密度が高まっていくのもスクリーンに映ってるなって感じました。

安室ちゃんとオザケンは1990年代を代表する2大アーティスト(大根)

──圧巻のダンスシーンはオリジナルの韓国版よりスケールアップして撮影されてますね。

大根 みんなで踊るシーンは結局300人ぐらい参加したのかな。

──特に小沢健二さんの「強い気持ち・強い愛」が流れるシーンの盛り上がりは、曲の力も大きいと思いました。この曲名をタイトルに持ってくることは最初から決めていたんですか?

大根 そうです。この曲名がまさしく映画のテーマになっているし、歌い出しのコーラスのフレーズもこの映画のために作られたんじゃないかってぐらいぴったりで。

左から広瀬すず、池田エライザ。

広瀬 確かにぴったり!

大根 安室奈美恵と小沢健二は1990年代を代表する2大アーティストだと思うんです。俺の中では1990年代のテレビ文化において「HEY!HEY!HEY!(MUSIC CHAMP)」がすごく大きくて。いろんなタイプのミュージシャンがごちゃ混ぜになって出演していた中、その常連出演者の象徴的な存在が安室ちゃんとオザケンだと思う。

──安室さんの「SWEET 19 BLUES」も劇中で効果的に使われていました。

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

大根 「SWEET 19 BLUES」はカラオケに行くと、まるで演歌のように歌い上げるアムラー世代の女性たちがたくさんいるんです。この世代の人たちにとってアンセムというか、「天城越え」ばりに情念を込めて歌う曲。だからいつか作品の中で使いたいとは思っていました。

──1990年代のJ-POP界を牽引した小室哲哉さんは今年1月に引退を発表され、本作が最後の映画仕事となりました。さらに9月には安室奈美恵さんが引退を控えるなど、近年、1990年代を代表するアーティストに動きがありました。

大根 この企画が動き出したのが2012年頃で、安室ちゃんが40歳になる頃を目処に公開したいとはなんとなく思っていました。キャスティングについては当初まだ考えていなくて、そのとき出会える子たちに出てもらおうと。

きっと誰かに感情移入できるはず(広瀬)

──大人キャストと女子高生キャスト、皆さん絶妙にそっくりでした。

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」より、左から板谷由夏演じる芹香、篠原涼子演じる奈美。

大根 篠原さんとすずは、当初周りから「似てなくない?」と言われていたんですけど。でも僕からすれば同一人物。映画を観れば「なるほど」と思うはず。ほかの子たちのキャスティングにも自信があります。

山本 よかった! 監督ずっと現場で怖かったから。「はい違う、もう1回!」って(笑)。

大根 場によりけりだよ。試しに大人サニーたちに聞いてみて。「こんなに優しい監督はいない」って言うから。

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」より、後列左から篠原涼子演じる奈美、小池栄子演じる裕子。前列左からともさかりえ演じる心、渡辺直美演じる梅。

広瀬 確かに「大人と女子高生の現場では大根さんが全然違う」って聞きました。

池田 だって大人サニーといるとき、監督ちょっと耳赤いもん。篠原さんとか昔から大好きだったんだろうなって。

大根 それはさあ……いいじゃない(笑)。女子高生サニーの場合はチームのグルーヴ感を出すのが難しいから、厳しくならざるをえない。でもみんなよくやってくれましたよ。

女子一同 わーい!

左から田辺桃子、山本舞香、広瀬すず、大根仁、池田エライザ、野田美桜、富田望生。

──ありがとうございました。それでは最後に皆さんを代表して、広瀬さんから読者にメッセージをお願いします。

広瀬 笑って泣ける王道ですが、どの世代の方にも楽しんでもらえるのは間違いないし、いろいろな形の人間像が描かれているから、きっと誰かに感情移入できるはずです。絶対観ていただきたいです!

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」
2018年8月31日(金)全国公開
「SUNNY 強い気持ち・強い愛」
ストーリー

日本がコギャルブームに沸いた1990年代、青春期を過ごした仲良しグループ“サニー”の6人は、それから20年の時を経てそれぞれ事情を抱えながら生きていた。専業主婦の奈美は、ある日かつての親友・芹香と再会する。しかし芹香は末期ガンに冒されていて、壮絶な闘病生活を送っていた。「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」。そんな彼女の願いを叶えるため、奈美は仲間探しに動き出す。

スタッフ

監督・脚本:大根仁

音楽:小室哲哉

キャスト

奈美:篠原涼子 / 広瀬すず

芹香:板谷由夏 / 山本舞香

裕子:小池栄子 / 野田美桜

心:ともさかりえ / 田辺桃子

梅:渡辺直美 / 富田望生

奈々:池田エライザ

藤井渉:三浦春馬

中川:リリー・フランキー

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広瀬すず(ヒロセスズ)
1998年6月19日生まれ、静岡県出身。2012年にSeventeen専属モデルとして芸能界デビュー。主な出演作に「海街diary」「怒り」「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」「ラプラスの魔女」や「ちはやふる」シリーズなどがある。是枝裕和監督作「三度目の殺人」で第41回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝いた。2019年には岩井俊二の最新作「Last Letter」に出演。
池田エライザ(イケダエライザ)
1996年4月16日生まれ、福岡県出身。2009年にニコラモデル・オーディションでグランプリを受賞し芸能界デビュー。2011年公開作「高校デビュー」で映画初出演を飾り、その後「トリガール!」「一礼して、キス」「となりの怪物くん」などに出演した。主演作「ルームロンダリング」はドラマ化が決まっているほか、「億男」が10月19日より公開となる。
山本舞香(ヤマモトマイカ)
1997年10月13日生まれ、鳥取県出身。「鳥取美少女図鑑」に掲載された写真でスカウトを受け、2011年「三井のリハウス」14代目リハウスガールとしてデビューした。過去の出演作に映画「暗殺教室」「桜ノ雨」「ひるなかの流星」「恋は雨上がりのように」や、ドラマと舞台が展開された「漫画みたいにいかない。」など。現在、TBS金曜ドラマ「チア☆ダン」に出演中。TBS系「王様のブランチ」にもレギュラー出演している。
野田美桜(ノダミオ)
1997年4月2日生まれ、福岡県出身。2012年よりNHK Eテレ「Rの法則」にレギュラー出演していた。過去の出演作に「暗黒女子」「斉木楠雄のΨ難」「いぬやしき」など。9月14日に「3D彼女 リアルガール」が封切られる。
田辺桃子(タナベモモコ)
1999年8月21日生まれ、神奈川県出身。2013年にSeventeen専属モデルとして活動を始め、これまで「東京ガールズコレクション」「GirlsAward」といった多くのイベントに参加。女優としても活躍し、近年の出演作に「こどもつかい」「恋と嘘」などがある。
富田望生(トミタミウ)
2000年2月25日生まれ、福島県出身。2015年公開作「ソロモンの偽証」でオーディションを勝ち抜き、映画初出演を果たす。主な出演作に「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」「あさひなぐ」など。Netfilixオリジナルドラマ「宇宙を駆けるよだか」が配信中。
大根仁(オオネヒトシ)
1968年12月28日生まれ、東京都出身。2011年に映画監督デビュー作「モテキ」で第39回日本アカデミー賞話題賞作品部門を受賞。その後、監督・脚本を担当した「バクマン。」「SCOOP!」「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」、脚本を手がけた劇場アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が公開された。2019年放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に演出として参加する。