映画ナタリー Power Push - 「春夏秋冬物語」
葉山奨之×山崎紘菜インタビュー
みんなの着うただったHilcrhymeの“あの曲”を映画化!ファンからのQ&Aコーナーも
4、5年前はセリフもなかった2人が、相手役に(山崎)
──お二人の役作りについて聞かせてください。それぞれ学生時代と社会人時代を演じ分けていましたが、意識した部分はありますか?
山崎 私は、美由の修二くんに対する気持ちですね。幼なじみって、学生の頃と社会人になってからでは、どれくらい距離感が変わるのかな?ってことを考えました。あと学生パートでは、高校生ならではのキラキラした部分を出そうと思いました。
葉山 僕は自然に、その場の空気で演じていたような気がします。でもこの現場で1つ決めていたのは、今付き合ってる彼女(美麗)と幼なじみの美由に対する接し方の違いを意識しようということです。修二は美麗と付き合っているけど、美由のことを思って年齢を重ねてきたんだろうなって。だから撮影の合間も、山崎さんとはけっこうしゃべっていたんですけど、美麗役の小池由さんとはあまり話さないようにしていました。小池さんとは本当に「おはよう」くらいで。
山崎 葉山さんはけっこうおしゃべりが好きですよね。話さなくてうずうずしませんでした?
葉山 メイクさんとか、違う人としゃべって耐えてました(笑)。
──山崎さんとは、お話をされてたんですね。
葉山 そうですね。基本、僕がずっと適当にしゃべってたんですけど、山崎さんはそれに乗ってくれるので。まあ乗ってくれないときもあったんですけど(笑)。
山崎 私、もともとすごく人見知りなんですよ。
葉山 そうなんだ?
山崎 はい。葉山さんとは、共演するのが2回目なんです。4、5年ぶりくらいにお会いしたので、最初はかなり緊張していたし、うまくしゃべれなかったんですけど、葉山さんがすごくナチュラルに話しかけてくださって。私の人見知りの壁を壊してくださったんです。
葉山 ぶち壊した?(笑)
山崎 本当に、自然に壊れていたんですよ! 1度ご一緒させていただいたっていうのも大きかったかもしれないですね。
葉山 園田俊郎監督はわりと「自由にやって」っていうスタンスの方なので、僕らの会話がなかったら進まないんですよ。でも現場で仲良くできたおかげで、芝居も自然とできましたね。
──久しぶりに再会して、お互い変わった部分はありましたか?
葉山 前の作品ではあまり会話した覚えがなくて。僕らはデビューしたばかりの本当に駆け出しの頃で、メインキャストの後ろにいるようなセリフもない役だったんです。
山崎 そうですね。お互いセリフもない役だった2人が、相手役をやらせてもらえるようになったことが、すごくうれしかったです。
葉山 僕も、今回一緒にやるのが山崎さんでよかったなと思いました。
勘違いして「僕も小栗旬さんになれるかな?」って(葉山)
──続いては、お二人自身のお話を聞かせてください。「春夏秋冬」が発表された2009年、お二人はどんな中学生でしたか?
山崎 中学生の頃は、悩み事が何もなかったですね。単純に、毎日好きなことをしていました。食生活も今より気にしていなかったので、好きなものを食べて、好きなときに寝て。
葉山 身長は?
山崎 中学生で168cmありました。
葉山 でかっ!
山崎 それ女の子に言ったら絶対傷付くから! 言っちゃ駄目ですよ!(笑)
葉山 ごめんごめん(笑)。そういえばさっきの質問じゃないですけど、久しぶりに再会したときの僕の一言は「でかっ!」でしたね。こんなに背が高かったっけ?って思いました!
山崎 ひどいですよね(笑)。高かったですよ!
葉山 久しぶりに目線の高さが僕と同じ女優さんに会ったなって。「あ、おんなじ目線だ。でかっ!」って。
山崎 連発しなくていいです!(笑)
葉山 ごめん、話が脱線しちゃった!(笑) 中学時代の話ですよね。僕は、中学の頃にこの世界への興味をより強く持ち始めたんです。「クローズZERO」がすごく流行ってまして、僕らの中では小栗旬さん派か山田孝之さん派かで分かれて、勝負してましたね。「お前ら山田孝之派かよ! 俺らは小栗旬派だよ!」みたいな(笑)。中3くらいで周りのみんなは将来の夢も決まっている状況だったんですが、僕だけ進路志望書に何も書くことがなかったんです。そんなとき、なんか勘違いしちゃって、「僕も小栗旬さんになれるんじゃないかな?」って思ったんです。そこで小栗さんの事務所を探してオーディションに行って。受かってから、中学ではヒーローでしたね。小栗旬さんと同じ事務所に入れるなんて。
山崎 すごいですね(笑)。
──山田孝之さん派の友達も祝ってくれたんですか?
葉山 祝ってくれました! 「お前、すげーじゃん!」って(笑)。僕の人生、小栗旬さんに会えたことで1つ目標を達成しちゃったんです。そのくらい「クローズZERO」のカッコいい世界観が大好きで、影響を受けてました。
山崎 いいなあ。私は中学生の頃、夢もなかったですね。 将来のことも考えていなかったな。
葉山 そういうふうに見えないね。何事も計画的に行動する人なのかなって思ってた。
山崎 全然違いますね! この世界に入るきっかけになった「東宝シンデレラ」オーディションも、高1のときに友達に言われて応募したんです。
葉山 「シンデレラになりなよ!」って?
山崎 (笑)。「紘菜、やりなよ!」「じゃあ……やってみる?」みたいな流れでしたね。
葉山 ノリで!?
山崎 だって、受かると思わないじゃないですか! 本当に宝くじを買うような気持ちだったんです。
葉山 それはわかる! 俺もそう思ってオーディション受けたもん。
山崎 そうしたら審査員特別賞をいただけて……そこから人生が変わりました。
「春夏秋冬」がより多くの人に愛されればいいな(山崎)
──では、最後にこれからこの「春夏秋冬物語」を観る方に、メッセージや見どころをいただければと思います。
葉山 この映画は、Hilcrhymeさんのライブ映像がすごくきれいです。僕も、大きなスクリーンでもう1度観たいと思いました。それから、僕はこの映画を観て、懐かしい気持ちになったんです。当時「春夏秋冬」を聴いていた人たちも同じ気持ちになっていただけたらうれしいです。
山崎 まずHilcrhymeさんのファンの方にも絶対に楽しんでいただけると思います。そしてもともとファンである方以外にも、この映画を通して「春夏秋冬」に興味を持っていただきたいです。この曲がより多くの人に愛されればいいなと思います。
次のページ » 葉山奨之×山崎紘菜 Q&Aコーナー
「春夏秋冬物語」2017年4月8日(土)全国公開
ラップユニット・Hilcrhymeの音楽映画企画第2弾。彼らが2009年に発表した2ndシングル「春夏秋冬」をモチーフとしている。葉山奨之と山崎紘菜が主演するドラマパートと、Hilcrhymeのライブ映像パートが交互に展開する中で、ある男女の恋と“約束”が描かれる。
スタッフ / キャスト
監督:園田俊郎
脚本:CRG Kyse
主題歌:Hilcrhyme「アフターストーリー」
キャスト:葉山奨之、山崎紘菜、小池由、希志真ロイ、財田ありさ、東加奈子
©2017 UNIVERSAL MUSIC LLC.
葉山奨之(ハヤマショウノ)
1995年12月19日生まれ、大阪府出身。2011年にドラマ「鈴木先生」でデビュー。2015年のNHK連続テレビ小説「まれ」では主人公の弟・津村一徹役を好演し話題を集めた。2015年には「夏ノ日、君ノ声」で映画初主演を果たす。主な出演映画は「青空エール」「アズミ・ハルコは行方不明」「きょうのキラ君」など。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「突然ですが、明日結婚します」にも参加した。
山崎紘菜(ヤマザキヒロナ)
1994年4月25日生まれ、千葉県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞した。2014年に「神さまの言うとおり」でヒロイン役を務め、2015年にはドラマ「監獄学園-プリズン・スクール-」、映画「orange-オレンジ-」に出演。2016年に映画「MARS(マース)~ただ、君を愛してる~」「金メダル男」、ドラマ「カインとアベル」、2017年には「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」に参加した。