中国ドラマ「尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~」を叶恭子さんが紐解く──“グッドルッキングガイ”シュー・カイד目で語る”ウー・ジンイエンが贈る宮廷エンタテインメント (2/2)

朱瞻基は静寂の中にも鋭さを兼ね備えた美しい男性

──姚子衿と身分違いの恋に落ちるのは、のちに明朝第5代皇帝・宣徳(せんとく)帝となる朱瞻基です。明を最盛期に導き、文武両道で書画や琴もたしなむ風流人でもあったと言われる朱瞻基ですが、恭子さんはシュー・カイ演じる朱瞻基をどんな人物だと捉えましたか?

“能ある鷹は爪を隠す”といったような静寂の中にも鋭さを兼ね備えた美しい男性ですね。どんなに優れた英才教育を受けようとも土台の本体である本人がそれにそぐわなければ生かすことができないでしょう。しかし朱瞻基は、その教育を10倍の能力として発揮されたのでしょう。

シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

──シュー・カイは日本でも人気が高く多くのファンがいる俳優さんです。アジアドラマの1つの入り口として“かっこいい俳優”との出会いというものがあると思いますが、恭子さんが考える、“かっこいい俳優”の定義とは?

まず、“かっこいい”という言葉をほぼ使いません。なぜならば、“かっこいい”は漠然としており、わたくしの考える絶対的な“グッドルッキング”ではないことがあるからです。わたくしはそもそも内面的な性格などよりは見た目至上主義ですので。今やハリウッドをしのぐ身長185センチは当たり前で、ボディーデザインも背が高いだけではなく首が長く手も長く足も長い。それに沿った肩幅のデザイン性も重要です。このご質問以前からずっと「どのような男性がタイプですか?」と聞かれた時には「グッドルッキングガイ」と答えておりましたので。そういう意味ではシュー・カイさんはそれに当てはまりますよね。

しかしわたくしの著書にもありますが、人間は外見ではない内面こそが大切なんだと多くの人が言うでしょう。ですが「外見」とはその方の生き方と精神が100%表れる場所でもあるのです。

人様の心の神聖な領域には土足で踏み込まない

左からシュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)、ウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)。

左からシュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)、ウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)。

──姚子衿と朱瞻基の恋愛描写も本作の注目ポイントです。印象的だったロマンスのシーンはありましたか?

4日間料理の仕込みでほとんど眠っておらず、朱瞻基のお部屋の前で姚子衿が眠ってしまった時、朱瞻基が担いで自分の寝所に寝かせてそっとキスをしていたシーンです。

左からウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)、シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

左からウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)、シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

──とても素敵な場面でした。ロマンスはもちろん、宮中で育む女性同士の友情や嫉妬、張り巡らされる策略など、人間模様も本作の魅力の1つですが、恭子さんが人間関係を築くうえで大切にされていることはなんですか?

叶のポリシーのひとつ「人様の心の神聖な領域には土足で踏み込まない」ですが、いくつかありますが、ながくなりますので。

──キャラクター、お料理以外で例えばファッションなど印象に残ったポイントはありましたか?

やはりわたくしが知る「武則天」や「如懿伝」などは、豪華絢爛な8mはあるであろうマント(他に類をみないものですので、時代背景や皇后、女帝という立場も含めて何と呼ぶのかがわたくしでもわからない為マントと表現いたしました)に金糸で登り龍の幾重にも重なる見事な刺繍などと、宝飾品の重ねづけが豪華であることに位の高さが表れ、身分差の証でもある浮世離れした衣装にとても注目しておりました。「尚食」はむしろ食について重きを置いているからこそ、特に食のシーンの衣装は煌びやか過ぎない、食が浮き立つ色調のものなのだと。計算された演出で素晴らしいと思いました。もちろん、刺繍や飾り、ボトムに凝ったデザインは何度も観たくなる感じです。

左からウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)、シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

左からウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)、シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

──恭子さんの率直な感想を読んで、「尚食」で映し出される美食の数々、姚子衿や朱瞻基、そして演じる俳優さんたちに興味を持つ人も少なくないと思います。

何事においてもわたくしたちはお勧めやアドバイス等はしておりません。わたくしたちが感じたことや、書いたことによって自然と導かれることが理想的だと考えるからです。

──最後に「尚食」を観てみようと思っている方へメッセージをお願いいたします。

医食同源の源である考えが、食べる事は生きる事ということ。中国料理のみならず広い意味で食材の効果効能など、ドラマで描かれるものは、漢方をある程度知るわたくしも納得できるものでした。料理教室に通っている方やお料理にとても興味のある方、男女問わず食材のより良き扱いやクオリティにこだわりのある方々も新しい発見があると思います。そしてすべてにおいてアートのような美しい作品だと思います。

左からウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)、シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

左からウー・ジンイエン演じる姚子衿(ようしきん)、シュー・カイ演じる朱瞻基(しゅせんき)。

「尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~」第1回特別公開中


Spotifyオリジナルポッドキャスト番組「叶姉妹のファビュラスワールド」メインカット

Spotifyオリジナルポッドキャスト番組「叶姉妹のファビュラスワールド」メインカット

プロフィール

叶恭子(カノウキョウコ)さん

天才的なプロデュース力と類まれなセンス、ハイパーゴージャスなボディを持ち、老若男女問わず圧倒的な支持を得る。「叶恭子の心の格言 ~あなたの心にファビュラスな魔法を~」「知のジュエリー12カ月」「トリオリズム」など著書多数。また、配信中のSpotifyオリジナルポッドキャスト番組「叶姉妹のファビュラスワールド」は、飾らない本音トークに「癒やされる」「前向きになれる」と話題沸騰。