ショートドラマ時代劇「戦国サウナ」に挑んだキャストの藤森慎吾、水橋研二、笠原秀幸、窪塚俊介、宮﨑香蓮にインタビュー (2/2)

笠原秀幸(豊臣秀吉役)インタビュー
ショートドラマ「戦国サウナ」で豊臣秀吉を演じた笠原秀幸。

ショートドラマ「戦国サウナ」で豊臣秀吉を演じた笠原秀幸。

秀吉との不思議な縁を感じながら演じています

──本作で笠原さんが演じる豊臣秀吉はどんなキャラクターですか?

秀吉はいろんな人がいろんな形で重厚に演じられてきたと思うんですけど、今回の「戦国サウナ」に関しては、わりとライトなキャラクター。それでも裏ではしっかりと画策したりするので、真面目なところとコメディ部分を意識して芝居に取り組みました。秀吉というキャラクターがもともとすごい好きで。

──何か思い入れがあるんですか?

親が最初、僕に“秀吉”って名付けようとしていたみたいで。生まれた瞬間に秀幸になったらしいんですけど、“秀吉だったかもしれない”っていう人生をずっと考えてるんですよ。それで興味がありました。不思議な縁を感じながら演じています。

笠原秀幸

笠原秀幸

──今回は戦国時代とサウナがテーマですが、笠原さんは普段サウナには行きますか?

サウナーってほどではないんですけど、月に1、2回くらいは入ります。まずは体を全部洗って、汗がどれぐらい出るのか気になるので一度タオルで全部拭いて、乾いた状態で1回目は5分ぐらい。水風呂もしくはシャワーで体を流してちょっと休んで、2回目も5、6分入りますね。

──このドラマでは歴史上の出来事が決まっていく大事な場所だと思うのですが、笠原さんにとってのサウナはどんな場所ですか?

1人で行くことが多いので、考えごとをしたり、あるいは“無”ですね。ぼーっとしている時間かもしれない。「戦国サウナ」みたいに会話はできないと思います。

笠原秀幸

笠原秀幸

笠原秀幸

笠原秀幸

普通の撮影よりも仲良くなるスピードが速い

──ドラマの中で、ご自身の好きなセリフはありますか?

秀吉が大きなことを成し遂げたあとに言うセリフがすごい好きで。阪神の岡田監督のまねをするんです。「戦国サウナ」のバカバカしさと、真剣に史実にもとづいているバランスがすごく面白いなと思いました。

──縦型でショートドラマを作るうえでの面白さはどんなところに感じていますか?

1話まるっと長回しで撮るんですけど、終わったら「今80秒でした」「75秒でした」って報告されるんです。“1分半以内”と決まっているので、ゆっくりやるところとリズムよくやるところを、みんなで試しながらやっています。撮影はさっき始まったばかりですけど、距離も近いし、裸の付き合いもあるので、普通の撮影よりも仲良くなるスピードが速いかもしれないです。

──最後に、読者へのメッセージをお願いします!

まったく深く考えて観なくていいんですけど、観終わったら知識が深まっちゃう不思議なドラマです。戦国時代ってシリアスに描かれることが多いですが、サウナに集めちゃうのは現代ならではの新しい切り口ですし、信長を中心に起こる今までに見たことのない物語を楽しんでいただけるかなと思っています。

笠原秀幸

笠原秀幸

プロフィール

笠原秀幸(カサハラヒデユキ)

1983年4月29日生まれ、東京都出身。趣味は読書、特技は司会。1995年、NHKの日中共同制作ドラマ「大地の子」で主人公の少年時代を演じてデビュー。主な出演作はドラマ「夏の恋は虹色に輝く」「獣医ドリトル」、映画「GTO」「斉木楠雄のΨ難」「月」「キリエのうた」など。

窪塚俊介(徳川家康役)インタビュー
窪塚俊介

窪塚俊介

まさか自分がやるとは思ってない役柄だった

──まずこの企画のオファーが来たとき、どう思われましたか?

家康役? 大丈夫?と思いました。

──家康というキャスティングにまず反応されたんですね。

そうですね。まさか自分がやるとは思ってない役柄だったので。台本読んで「そういうことか」みたいな感じでした。1分半を51話っていうのも今っぽくて面白いなと思いましたね。

──設定がサウナ内なので、皆さん同じ格好で、髪型にしか家康の要素がないと思いますが、役作りなどはされましたか?

役作りよりも、信長を筆頭にした全体のバランスのほうが、演じるうえで大事なんだろうなと思いました。1人だけがちがちに作り込んでも面白くないだろうし。段取り確認して即本番!みたいな感じなんだけど、時間がないっていうより、それをうまく利用して勢いで撮っちゃうほうがきっと面白くなるなとも思いました。ぷっと笑っちゃうような面白い本だから、楽しんで撮影しています。

ショートドラマ「戦国サウナ」より、徳川家康役の窪塚俊介。

ショートドラマ「戦国サウナ」より、徳川家康役の窪塚俊介。

窪塚俊介

窪塚俊介

“笑かしにいかない”というのはすごく大事

──縦型ショートドラマというのは、窪塚さんにとってどんな印象ですか?

やっぱり画角として新しいですよね。(顔の前でスマートフォンを持って)こうやって観るものじゃないですか? 縦型・横型っていう形よりも、画面と観てくれる人の距離感が違うことのほうが大きい気がします。

──本作の舞台であるサウナを、家康としてはどういう場所と捉えているんでしょうか。

リビングであり、寝室であり、食堂であり、とにかく何かが起こる場所。ただ、コントではなくあくまでお芝居のライン上にないと、きっと面白くないだろうなあと思ってやっていますね。

──コントと、コメディのお芝居は違うと。

僕なんかは全然コントをやったことがあるうちに入らないですけど、“笑かしにいかない”というのはすごく大事だと思う。リアリティがない設定の中でも、その場でちゃんとリアクションを取って、あくまでその場で起きているという状態にみんなで持っていけたら、それだけで面白いだろうと思います。

窪塚俊介

窪塚俊介

──ドラマでは家康を演じられていますが、窪塚さんの好きな武将はいますか?

この中で言ったら、一番惹かれるのは明智光秀。歴史好きからするといろんな史実があると思うんですけど、素人からすると彼が表舞台に出てきたのは本能寺の変ぐらいなのに、それが(信長の遺体がないなど)日本史最大の謎になっているということに魅力を感じます。

──最後に作品をご覧になる方へアピールをお願いします!

一視聴者として面白い作品だと思います。1分半ってすごく短く感じるけど、電車に乗っているときとか、テレビのCM中とかでも観れちゃう。だからちょこちょこっと、生活の隙間をひと笑いで埋めてもらえたらうれしいです。そうなれるキャッチーな登場人物が出ているので、僕も楽しみです。

窪塚俊介

窪塚俊介

プロフィール

窪塚俊介(クボヅカシュンスケ)

1981年11月6日生まれ、神奈川・横須賀市出身。大学在学中に米国へ留学し、The Lee Strasberg Instituteにて演劇を学ぶ。主な出演作に映画「ガチバン」シリーズ、「花筐/HANAGATAMI」「エリカ38」「青すぎる、青」など。主演作「未帰還の友に」は2023年12月15日に公開を控えている。気象予報士資格を保持。

宮﨑香蓮(帰蝶役)インタビュー
宮﨑香蓮

宮﨑香蓮

本物の熱波師の先生から教えていただきました

──宮﨑さんは、信長の妻であり熱波師の帰蝶を演じられました。まずは、この作品の台本を読んだ感想を教えてください。

最初はどういうことだ?と思いましたが、サウナの魅力と信長の天下人としての目覚めがうまく組み合わさっていて、このテーマでドラマができるんだ!と驚きました。一連の歴史が面白かったです!

──撮影はいかがですか?

面白くするのって難しいなと感じて、芸人さんがどんな間でしゃべってるんだろうと観察しています。モニタには(縦型のサイズを示す)線が貼られているんですけど、配信されたドラマが流れたときにスクロールされちゃわないように、縦型に収まるサイズで印象に残る動きをしたほうがいいなと思いながら演じています。あとは、台本は読んでたんですけど、現場に来て「そっか、(武将たちは)裸か」と思って。でも慣れました(笑)。

ショートドラマ「戦国サウナ」より、帰蝶役の宮﨑香蓮。

ショートドラマ「戦国サウナ」より、帰蝶役の宮﨑香蓮。

──帰蝶にとってサウナは、どういう場所だと捉えているんでしょうか?

帰蝶さんはここの熱波師なので、仕事をするシーンや、夫婦水入らずで会話するシーンもある。仕事では信長様に怒っているときや追い詰めるときに熱波を送っているんですけど、夫婦水入らずのときはお互い心を開ける場所なんですかね。演じてると慣れてくるんですが、撮影中ふと「あ、サウナか」って我に返る瞬間もあります。

──帰蝶がアウフグース(※水をかけたサウナストーンから出た蒸気をタオルなどであおぐこと)をする場面もたびたび出てきますね。

1日だけ熱波練習があって、本物の熱波師の先生から教えていただきました。いくつか技があって、(タオルを)2つ回す技もできるようになったので、どこかのシーンでできたらなと思っています。

宮﨑香蓮

宮﨑香蓮

宮﨑香蓮

宮﨑香蓮

ナダルさんを意識して「家臣に寝床燃やされて終わっぞ!」

──帰蝶の好きなセリフはありますか?

信長に対して「家臣に寝床燃やされて終わっぞ!」っていうセリフが、ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)さんの「やっべぇぞ!」みたいだなと思って、自分でもちょっと意識してやってみました(笑)。とにかく怒るところが多いので、いろんな怒り方ができればいいなと思います。

──口調の話もそうですし、サウナ・戦国武将・時事ネタ・最近の作品のパロディなどが同時に扱われていましたね。

“サウナ”と“戦国”っていう時点でなんでもありなのかなって。こういう世界線もあったよね、というパラレルワールド。その中でも、信長といえば本能寺の変だと思うので、どう描かれるのか、結末はいかに!? 注目していただければと思います。

──最後に本作のアピールをお願いします!

サウナ好きと戦国好き、両方の方に観てほしいなと思います。怒られないといいな(笑)。楽しんでいただけるとうれしいです。

宮﨑香蓮

宮﨑香蓮

プロフィール

宮﨑香蓮(ミヤザキカレン)

1993年11月20日生まれ、長崎県出身。2006年、第11回全日本国民的美少女コンテストにて演技部門賞を受賞。主な出演作に映画「チェスト!」「晴れのち晴れ、ときどき晴れ」「祈り ー幻に長崎を想う刻ー」「零落」、ドラマ「遺留捜査」シリーズなど。出演舞台「死ねばいいのに」が2024年1月20日より東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演される。

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