「ロン 僕のポンコツ・ボット」|友達はアクセサリーじゃない ラランドが語る、SNS時代の人間関係

イギリスのCGアニメーションスタジオであるロックスミス・アニメーションが制作し、ウォルト・ディズニー・ジャパンが配給を担当する「ロン 僕のポンコツ・ボット」が10月22日に公開される。

「ロン 僕のポンコツ・ボット」の舞台は、あらゆるデジタル機能を備えたロボット型デバイス<Bボット>が普及した世界。友達のいない少年バーニーと、彼のもとに届いた“ポンコツボット”ロンの友情が描かれる。現実世界での温かな交流をテーマにした本作は、SNSに疲れ気味な現代人にもお薦めできる1本だ。

映画ナタリーでは、お笑いコンビ・ラランドのサーヤとニシダに本作をひと足早く鑑賞してもらい、インタビューを実施。SNSとの付き合い方や2人の関係性について話を聞いた。

取材・文 / 小澤康平撮影 / 須田卓馬衣装協力 / Ryusuke Natsubori

スマホが進化したデバイスが生まれたらこうなるんだろうな(ニシダ)

──マネージャーさんからお二人は映画好きだと伺いました。

サーヤ ニシダ、映画好きなの?

ニシダ 好きって言っていいのかな? それなりには観ます。

サーヤ 一番好きな映画なんだっけ?

ニシダ 「MEG ザ・モンスター」。

サーヤ いつもそれ言ってるよね(笑)。

ニシダ サメとか恐竜とか、実在しないものがCGで動いているのが一番面白いんじゃないかって。

──今作に当てはめて考えると、実在しないロボット型デバイスがCGで動いています。

ニシダ ロン、かわいかったです! サーヤさんは?

サーヤ

サーヤ 私は「ジュマンジ」「スパイキッズ」「ホーム・アローン3」が好きです。「塔の上のラプンツェル」「アナと雪の女王」「モアナと伝説の海」などディズニーの作品もよく観ています。今回の「ロン 僕のポンコツ・ボット」は、童心に帰って楽しむことができました。

──ロンは製造元のバブル社に危険な不良品とみなされ、廃棄処分されそうになります。アドベンチャー映画のような手に汗握る展開もありますよね。

ニシダ 物語の世界がすごくリアルじゃなかった? Bボットのような、スマホが進化したデバイスが生まれたらこうなるんだろうなと。

サーヤ うん、近い未来マジでこうなりそう。実際今もスマホがないと生きていけないし、オンラインの世界が軸足になってる。友達と会って遊ぶことはもちろんあるけど、SNSに写真や動画を上げて、リアクションして、DM送ってやり取りが完結することもあって、そういう“あるある”が映画に盛り込まれていたのでスッと入れました。

ニシダ 大学生のとき、インカメラで撮った写真に俺が写ってるとスタンプで顔を消すやついたなあとか。

サーヤ あはははは。

ニシダ スクールデイズを思い出しました(笑)。

書く側の人生じゃなくて、書かれる側でよかった(サーヤ)

サーヤ 「ロン 僕のポンコツ・ボット」では、Bボットを通して広がる人間関係が描かれてますよね。SNSを日常的に使っている方々が映画を観てどう思うか、気になります。

「ロン 僕のポンコツ・ボット」

──お二人はSNSとどう付き合っていますか?

サーヤ 暇さえあればTwitterを見ちゃいますね。大して深く読むこともせず、流し見しています。友達と旅行に行ったりして、SNSに触れていない時間が長ければ長いほど、幸福度が高いなと感じるときもありますし。SNS自体が悪いとは思わないですけど、疲れるときはあります。

ニシダ 俺はそんなに考えずに使って、見たくないものを見て後悔したり。ヘコむことはあまりないんですけど、見えないストレスが積み重なっている可能性はあります。

ラランド

サーヤ ……そう?

ニシダ ……まあ今はテキトーに言ったけど。

サーヤ 繊細なフリして。前「俺は気になんない」って言ってたよ?

ニシダ 取材だからそう言わないほうがいいだろ!(笑) 「気にしてます」でいいんだよ!

──後悔するとおっしゃっていましたが、実はしてない?

ニシダ してないです。すみません。

サーヤ 取材に寄せるなお前! 主人公のバーニーは「ありのままでいい」って言ってたぞ!

ニシダ 確かにな、そういう話だったもんな(笑)。

「ロン 僕のポンコツ・ボット」

──(笑)。SNSで自分をよく見せたいという気持ちはないですか?

サーヤ 残るものだからきれいに見せたい思いはありますし、Instagramはちょっとおしゃれにしたい気持ちはあります。

ニシダ アピール合戦みたいな側面もあるしな。

サーヤ そうそう。高級ホテルのケーキバイキングみたいな投稿しかしない友達もいて、ちょっと感化されていたときもありました。

「ロン 僕のポンコツ・ボット」

──芸能人の方だと、匿名で嫌な書き込みをされることもあると思うのですが、それは気にならないですか?

ニシダ 俺は気にならないです。

サーヤ 私もたぶん気にならない。書く側の人生じゃなくて、書かれる側でよかったなと思うんですよね。スピードワゴンの小沢(一敬)さんが、物語の主人公だったら匿名で人を傷付けるようなことはしないと言っていて、確かにと思いました。

ニシダ いいこと言いますね。

サーヤ ニシダは引用リツイートでアンチに返信してたよね。

ニシダ 晒し上げてたんですけど、「大人げないですよ」と言われてやめました(笑)。