「ロン 僕のポンコツ・ボット」|友達はアクセサリーじゃない ラランドが語る、SNS時代の人間関係

不良品でありがとう(サーヤ)

──友達のいないバーニーは疎外感を抱えていて、Bボットを駆使して人生を謳歌している周りの人々をうらやましいと思っています。

サーヤ バーニーは、自分以外の人間がなんでもうまくやっているように感じているのかなと。SNSに自分のキラキラした部分しか載せない人もいるので、実際には苦労があったとしても、バーニーにはそれが見えていない。

「ロン 僕のポンコツ・ボット」

──バーニーのように、周りの人をうらやましいと思ったり、嫉妬したりすることはありますか?

ニシダ 嫉妬はなかったんですが、大学生のとき、SNSに飲み会の写真をたくさん上げてる人が偉いとされている空気は感じていました。

サーヤ ヒエラルキーはあったよね。私たち、アカペラサークルの新歓でなじめなかった同士なんです。「青春しに来てます」みたいな人が多くて、温度差が浮き彫りになって(笑)。

ニシダ そうだね。

──共同監督のジャン・フィリップ・ヴァインは、バーニーとロンの関係性を“厄介な友情”と表現しています。お二人の関係性を言葉で表すとしたら?

サーヤ 完全にバーニーとロンの関係性だよね?

ニシダ 何が?

サーヤ 不良品だし。

ニシダ 人に対して不良品って言うな!

サーヤ (笑)。でも、不良品のままでいいよ、不良品でありがとうって話なんです。それで仕事が増えたりするわけなので。

ニシダ なるほどね(笑)。確かに手足の長さはロンくらい……。

サーヤ あはははは、ロンの拡大版みたいな(笑)。まあ私もニシダも世間から浮いていますし、映画を観ていてバーニーやロンに近いものを感じました。

「ロン 僕のポンコツ・ボット」

あのスタッフさん嫌だったなっていうのはだいたい合います(ニシダ)

──人間とデバイスというそもそもの違いはありますが、バーニーとロンにはまったく共通点がありません。サーヤさんとニシダさんも違うタイプに思えるのですが、いかがですか?

サーヤ まったく違いますね。性格や働き方など、全部の項目が真逆です。私はギャンブルとかビビってできないけれど、ニシダは豪快にお金を使ったり。それが面白くて、なおかつ楽なのかもしれないですけど。たぶん、私に近い人が隣にいたらうまくいっていないと思います。

ニシダ 近いと違いが目立つもんね。バーニーとロンも、似た者同士じゃないからこそいい関係を築けたんだと思う。

サーヤ 似ている部分で競っちゃっても嫌だし。ニシダとは違いすぎて、もう見放せると言いますか。

「ロン 僕のポンコツ・ボット」

──逆に似てるところはありますか?

サーヤ なんだろう。ほくそ笑む部分というか、性格が悪いところは似てるかもしれないです。

ニシダ 人としてよくない部分が似てる(笑)。

サーヤ あとは何を嫌いかが一緒かもしれないですね。人がくっつくときって、共通の敵がいたら仲良くなりやすいじゃないですか。例えばバイト先で同じように店長を嫌っていたりとか、その人にとって何がNGかが近いと仲良くなれる。

ニシダ それはあるかもな。

ニシダ

──お二人が共通して嫌いなものってなんですか?

ニシダ 仕事現場からの帰り、あのスタッフさん嫌だったなっていうのはだいたい合います(笑)。

サーヤ あはははは。「ヤバくね、あれ!?」「超失礼なこと言われたよね!?」みたいな。芸人に対してそういう立ち居振る舞いは寒いでしょうって思うポイントは合いますね。角が立つので具体的には言えないですけど(笑)。

──では、お互いの好きなところは?

サーヤ 好きなところ……。

ニシダ 俺は全部好きですけどね。

サーヤ まつ毛……?

ニシダ ハゲ治療の副作用でめっちゃ伸びたまつ毛はいいんだよ!

サーヤ こんなギャルみたいなまつ毛のやついないもん。

ニシダ ラクダとか、砂漠に住む哺乳類みたいなまつ毛。

サーヤ 気持ち悪いですね。

ニシダ 好きなところじゃなくて気持ち悪いところじゃねーか。

サーヤ あはは(笑)。あとは常識がないというか、まともじゃないところですね。どうやったらこんな人間になるんだろうっていう。

ニシダ 自分じゃわからない。まともだと思ってるから。

サーヤ かわいそう(笑)。

友達はアクセサリーじゃない(サーヤ)

──「何がNGかが近いと仲良くなれる」というお話もありましたが、人間関係においてお二人が許せないと思うことはありますか?

サーヤ 私は高校を卒業するときに友達を精査したことがあって。過去に1回でも嫌なことをされたり、嘘をつかれたりした人を切ってみようと思って切ったら、1人しか残らなかったんですよ。でもその友達とは今でもずっと仲が良くて。それ以外の同級生が「テレビ観たよ!」とかDMで送ってきても、読まずに全部スワイプして削除してます(笑)。そこで返してまたつながっても、絶対こっちにメリットないし。

ニシダ それが正しいやり方だよな。

サーヤ 自分が蝕まれていくだけだし。

──お二方ともに、損得勘定がにじみ出ている人は嫌いそうですね。

サーヤ そんなに仲良くないのに写真を上げてタグ付けして、それってプレゼン道具として使ってるだけだよね?っていう。友達はアクセサリーじゃないですからね。有名な方との写真ばかり上げる人もいて、そういうのを見ると「いやいや」って。

ニシダ めっちゃわかる。

サーヤ ……同じ人かもね(笑)。

ニシダ そうかもしれない。待って、こんなにいい映画を観たのによくない話してるよ(笑)。

──(笑)。先ほどおっしゃっていた、顔をスタンプで消すというのも失礼ですよね。

ニシダ ちょうど俺が写らない角度で撮るとかもあったなあ。

サーヤ そんなことされてたんだ。最悪ですね。親しき仲にも、相手を傷付けないという当たり前の姿勢があるかどうかは大事だと思います。

──では、今後お二人の関係性はどうなっていくと思いますか?

サーヤ 大学生のときから変わらないと思います。所有者と所有物。

ニシダ おい!(笑)

サーヤ あはは。でもニシダは、ロンのように完璧じゃないからこそ好かれている面があるのかなと。これからも変わらずにやっていきます。

ラランド
サーヤ
1995年12月13日生まれ、東京都出身。漫才コンビ・ラランドのボケ担当であり、同コンビの個人事務所・レモンジャムの社長を務める。2021年5月、川谷絵音のソロプロジェクト・美的計画にCLR名義で参加し、歌手デビューを果たした。
ニシダ
1994年7月24日生まれ、山口県出身。漫才コンビ・ラランドのツッコミ担当。趣味・好きなものはギャンブル、マッチングアプリ、たばこ、夕方まで寝ること、コーラ、大食い、バレーボール、IQOS。