憧れていた魔法界に!「ホグワーツ・レガシー」をライターSYOが体験、霜降り明星せいやのインタビューも

オープンワールド・アクションRPG「ホグワーツ・レガシー」のPlayStation®5(PS5™)版、 Xbox Series X|S版、PC版が販売中。PlayStation®4(PS4™)版、Xbox One版は5月5日、Nintendo Switch版は7月25日に発売される。

「ハリー・ポッター」「ファンタスティック・ビースト」シリーズでは描かれることのなかった、1800年代のホグワーツを舞台とする「ホグワーツ・レガシー」。映画ナタリーでは、魔法ワールドのファンである映画ライターのSYOによるプレイレビューと、本作の日本版CM「あの頃の僕たちへ篇」に出演したせいや(霜降り明星)のインタビューを紹介する。彼らは未知の冒険が待っている「ホグワーツ・レガシー」をどう見たのか? せいやは少年期に遊んでいたという“ハリポタごっこ”の思い出も語ってくれた。

レビュー / SYO(P1)撮影 / 金山寛毅(P1)取材・文 / 小宮駿貴(P2)

※記事初出時より、一部発売日に変更がありました。

「ホグワーツ・レガシー」とは

これまで「ハリー・ポッター」や「ファンタスティック・ビースト」の世界を舞台にしたゲームはさまざまなハードで展開されてきた。「ホグワーツ・レガシー」はシリーズ初のオープンワールド・アクションRPGで、プレイヤーは古代魔術を操るホグワーツ魔法魔術学校の5年生となって、未知の歴史を体験し、魔法界の隠された真実を明らかにする危険な冒険へと誘われる。

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

操作するキャラクターは性別や肌の色、ヘアスタイルや傷跡など自在にカスタマイズすることが可能だ。プレイヤーはホグワーツ、ホグズミード村、禁じられた森、辺境を自由に散策したり、魔法動物を手懐けたり、マスターした呪文でトロールや闇の魔法使いといった強敵と対峙したりと、“なりたい魔法使い”を目指すことができるファン待望の作品となっている。

映画ライターSYOが「ホグワーツ・レガシー」をプレイ

憧れていた魔法界の住人に

1987年生まれの自分は、小学校の高学年で小説「ハリー・ポッターと賢者の石」と出会い、中学生のときにリアルタイムで映画館で「賢者の石」を鑑賞できたドンズバ世代。以降、「ハリー・ポッター」「ファンタスティック・ビースト」シリーズとともに人生を歩んできた。社会に出て映画を生業とするようになり、どれだけたくさんの作品と出会っても、2001年の12月に映画館のスクリーンで“灯消しライター”(編集部注:「賢者の石」で初めて登場した魔法道具)を観たときの興奮が色あせることはない。フィクションの枠を超えて、“魔法界”というもう1つの世界が自分の心に生まれた瞬間だった。

SYOが「ホグワーツ・レガシー」をプレイしている様子。

SYOが「ホグワーツ・レガシー」をプレイしている様子。

自分が生きる現実と魔法界が接続しているような感覚。理屈ではなく心でそう信じてしまっているため、これまで何度も夢想だけでなく実際に体感してみようと試みてきた。小説や映画はもちろんのこと、アトラクションや展示に足を運んでみたり、コスプレに手を出してみたり。そんな重度の魔法ワールドファンである自分に、ある日ビッグニュースが届く。そう、ゲーム「ホグワーツ・レガシー」の制作発表だ。

1800年代のホグワーツが舞台で、しかもオープンワールド・アクションRPG。オープンワールドはプレイヤーが広大なフィールド内を自由に探索できるもので、よりゲームの世界観に没入することができる。つまり、憧れていた魔法界の住人になれるのだ! しかも、1990年代後半以降が舞台の「ハリー・ポッター」シリーズ、1920年代以降が舞台の「ファンタスティック・ビースト」シリーズよりもさらに前の、1800年代の未知なる魔法界に飛び込めるなんて。自分が待っていたのはこれだ……と小躍りしながら、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒になった。

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

映画ともリンクした世界観に冒頭から引き込まれる

さっそく発売日当日にプレイしたわけだが、このゲーム、いきなり我々を泣かせにかかってくる。細部にまでこだわることのできる主人公のキャラメイク、ホグワーツの入学許可証、そして“あの音楽”。冒頭のムービーでは、とある魔法使いがイギリス・ロンドンに“姿現し”で登場し、魔法動物セストラルが引く馬車がビッグ・ベンの脇を駆け抜けて空へと舞い上がる。まるで魔法ワールドの映画を観ているような気分で「さあホグワーツへ向かうぞ!」と童心がくすぐられた。

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

空を旅する主人公一行は謎のドラゴンに突如襲われるのだが、プレイしながら「うわわわ、うわあ!」という感嘆の声が次々に口をついて止まらなくなってしまった。セストラルの馬車が空中で襲われるのは「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」のネタだし、序盤からいきなり緊迫感MAXの空中戦が繰り広げられるのは「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」を想起させる。そして、馬車から投げ出された瞬間に主人公が掴んだアイテムが“ポートキー”だったという演出は「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」にも通じている。

主人公と恩師のフィグ先生がポートキーによって飛ばされたのは、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」に登場した絶海に浮かぶ孤島を彷彿させる場所。フィグ先生が修復の呪文「レパロ」を使って壊れていた橋を直すのだが、これは「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」でも使われていた印象的な魔法だ。主人公のデフォルトの衣装がニュート・スキャマンダー風なのもたまらない。ほかにも「賢者の石」で描かれたようなグリンゴッツ銀行内のシーンや、「炎のゴブレット」に登場した魔法道具ペンシーブ(憂いの篩)……と、プレイを始めてからものの数分で完全に「ホグワーツ・レガシー」の世界観に引き込まれていた。

組み分け帽子の儀式に参加「スリザリンだけは……」

何とか危機を脱した主人公とフィグ先生は、ホグワーツへと到着。組み分け帽子の儀式に参加するのだが、組み分け帽子の問いかけに対し、あの小さかった頃のハリーに倣って「スリザリン以外のところにして……スリザリンだけは……」とつぶやきながら回答して楽しんだ。ファンにとってはたまらない瞬間である。

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

またホグワーツにはさまざまなキャラクターがいるのだが、中でも気になったのは校長のフィニアス・ナイジェラス・ブラックと副校長で教授のマチルダ・ウィーズリーの2人……そう、ブラック家とウィーズリー家! 魔法ワールドでは“苗字”が非常に重要。魔法使いの家柄がわかるからなのだが、ブラックとはハリーの名付け親シリウス・ブラックと同じ苗字であり、先祖であることをうかがわせる。赤毛のウィーズリー先生も同様に。驚きはほかにも「談話室が映画のまんま!」「ピーブズやほとんど首なしニックがいる!」といった映画とのリンクはもちろん、「こんな部屋もあるのか」「こういう構造になっているのか」「小説や映画で描かれたホグワーツの内部はほんの一部なんだ……」という新しい発見もあった。

SYO

SYO

ホグワーツで会おう!

プレイしていくうちに、ホグワーツで闇の魔術に対する防衛術「レヴィオーソ」や呼び寄せ呪文「アクシオ」を習得した。これらの呪文はバトルや謎解きに使用するのだが、「ホグワーツ・レガシー」では杖をはじめとする魔法道具が数多く存在する。ホグズミード村には、ゾンコの店やハニーデュークスといったおなじみの店から、バタービールなどのご当地名産品もある。ここには、あの杖職人オリバンダーの“支店”まで存在し、杖を選ぶことができるのだが、ハリーと同じ体験ができてニヤニヤが止まらない!

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

「ホグワーツ・レガシー」場面カット

ここまで述べたが、これはまだ「ホグワーツ・レガシー」のほんの始まりに過ぎない。主人公を待ち受ける魔法界の隠された真実、ホグワーツでのたくさんの授業や呪文の修得、そして箒に乗って自由に冒険できる世界……と、書ききれないほど盛りだくさんな内容がプレイヤーを待ち受けている。それら1つひとつを紹介したい気持ちは山々だが、そろそろ魔法界に戻って冒険を再開させたい欲求にはどうしてもあらがえそうにない。この先は、ホグワーツで会おう!

プロフィール

SYO(ショウ)

映画、ドラマ、アニメ、マンガ、音楽などのジャンルで執筆するライター。トークイベントへの登壇実績も多数。装苑、sweet、BRUTUS、GQ JAPANといった雑誌のほか、多くのWeb媒体にも寄稿している。

2023年3月13日更新