マーベルが放つクリスマスの新定番「ホークアイ」最終話の最速レビューをお届け、“クリスマス視聴会”へも潜入

マーベル・スタジオの最新ドラマ「ホークアイ」が、ディズニープラスで独占配信中。本作ではアベンジャーズの創設メンバーである弓の名手クリント・バートン / ホークアイが主人公に。舞台となるのは「アベンジャーズ/エンドゲーム」後の世界、クリスマスが迫る米ニューヨークだ。全6話でクリスマスまでの6日間を描くというドラマならではの新しい試みとなった本作。「クリスマスはどうしても家族と過ごしたい!」──ホークアイのそんな切実な叫びが聞こえてくる心躍る楽しいシリーズだ。本格的なアクションはもちろん、多くの仲間を失ったホークアイの現在を描く深みのある人間ドラマも見逃せない。

映画ナタリーでは、ライターのSYOによる最終話の最速レビューをお届け。また12月22日に東京都内で開催された、視聴会もかねたクリスマスパーティの模様もレポート。新しく生まれ変わったディズニープラスで今年のクリスマスは家族や友人、恋人と一緒に「ホークアイ」を楽しんでみてはいかが。

文 / SYO(レビュー)、小宮駿貴(レポート)撮影 / 奥富敏晴

「ホークアイ」キャラクター紹介

クリント・バートン / ホークアイ(ジェレミー・レナー)

クリント・バートン / ホークアイ(ジェレミー・レナー)

「アベンジャーズ/エンドゲーム」における戦いでナターシャをはじめ大事な仲間を失ったホークアイ。平穏な日々を取り戻しつつあった彼は、クリスマス休暇を家族と過ごすためニューヨークに来ていた。しかし、闇の世界の暗殺者“ローニン”として活動していた過去に関わるトラブルに巻き込まれてしまう。

ケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)

ケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)

「アベンジャーズ」で描かれた2012年のニューヨーク襲撃で父親を失った過去を持つ学生。そのときの命の恩人ホークアイに憧れ、弓矢、武術、剣術などを磨いてきた。夢はアベンジャーズの一員になること。正義感あふれる自信家だが、ホークアイの前では興奮と緊張を隠せない。

エレノア・ビショップ (ヴェラ・ファーミガ / 写真右)

エレノア・ビショップ(ヴェラ・ファーミガ / 写真右)

ニューヨークで大手警備会社を経営するケイトの母親。夫を失ってから、一人娘のケイトを大切に育ててきた。向こう見ずな性格の娘が心配で、いつも手を焼いている。

ジャック・デュケイン(トニー・ダルトン)

ジャック・デュケイン(トニー・ダルトン)

エレノアの婚約者。義理の娘になるケイトと距離を縮めようとしているが、いつも裏目に出てしまう。周りには隠したがっているものの、実は剣術の達人。ケイト・ビショップからは母親の資産を狙う怪しい男として目を付けられている。

マヤ・ロペス(アラクア・コックス)

マヤ・ロペス(アラクア・コックス)

“スポーツジャージマフィア”と呼ばれる赤いジャージを着たギャングたちのニューヨーク支部リーダー。聴覚障がいを抱えており、意思疎通は手話が中心。過去の因縁からホークアイとケイト・ビショップを狙う。

「ホークアイ」最終話“最速”レビュー
師弟関係を通して描く「ヒーローの在り方」

文 / SYO

「ホークアイ」

「ホークアイ」

ディズニープラスで配信中のマーベル最新ドラマ「ホークアイ」が、12月22日配信の第6話をもって完結。本作では「アベンジャーズ/エンドゲーム」後の世界を舞台に、クリント・バートン / ホークアイ(ジェレミー・レナー)の知られざるドラマや、彼に憧れるケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)の活躍が描かれた。

「ブラック・ウィドウ」に登場したナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)の“妹”エレーナ(フローレンス・ピュー)に加えて、第5話の最後にはニューヨーク裏社会を支配する一連の事件の黒幕が姿を見せ、視聴者を沸かせた本作。マーベルファンにとっては間違いなく必見のドラマだが、最終話ではどんなフィナーレが待ち受けていたのか?

大きな見どころは、ホークアイVSエレーナ、ケイトVS黒幕の対決。ホークアイが目の前でナターシャを失った喪失感を抱える一方で、エレーナは指パッチンで消えている間に姉が死んだ現実を受け止めきれずにいた。大切な親友と姉を失った2人の直接対決の行方は? そして、ヒーロー志望のケイトは、裏社会を牛耳る超格上の敵を食い止めることはできるのか? ラストバトルの舞台はニューヨークの冬の風物詩として知られるロックフェラーセンターのスケートリンクと巨大クリスマスツリー。イブの夜のおもちゃ屋も舞台になっており、ドラマ要素も十二分に内包した2大バトルの同時進行には目も心も引き込まれる。

「ホークアイ」より、ラストバトルの舞台となるロックフェラーセンターの巨大クリスマスツリー。

「ホークアイ」より、ラストバトルの舞台となるロックフェラーセンターの巨大クリスマスツリー。

また、ホークアイがついに「君は俺の相棒だ」と認めたケイトとの連携バトルも、本エピソードならではの魅力。決戦に備えてトリックアローを2人で開発し、おそろいのヒーロースーツで大量のスポーツジャージマフィアたちと戦うシーンは、シリーズを通して待ちに待った展開だ。磁力や凍結能力、麻酔針や拘束具が飛び出すなど、多彩すぎるトリックアローを駆使したバトルは予測不能で、マーベル作品の新たな可能性を感じさせる。随所にこれまでのエピソードの伏線回収が仕掛けられているのも、たまらない!

さらに、ホークアイとケイトの師弟関係を通して描かれる「ヒーローの在り方」にも要注目。最終話はホークアイを目標にし続けたケイトが到達する「ヒーローとは正しいことを勇敢にやり通せる人。特殊能力は必要ない」という定義が、エピソード全体に伝播していく構成になっているのだ。ヒーローは力ではなく、行動で決まる──。ホークアイとケイトはもちろん、消防士や警察官が多いライブRPG同好会の人々の見せ場も用意された。ニューヨークで生きる“持たざる英雄たち”の物語でもある点が、本作独自の特長といえるだろう。そこにしっかりと世界を救うためにブラック・ウィドウが体現した信念と気高さが絡んでくる流れは、流石というほかない。

第1話で登場した闇オークションの時計にまつわる秘密が明かされるなど、マーベルファンへのサプライズもうれしい限りだが、数々の人気映画を彷彿とさせる“遊び”も心憎い。ホークアイのタキシードで潜入する姿は「007」、超高層ビル×クリスマスは「ダイ・ハード」。さらに「ミッション:インポッシブル」「ホーム・アローン」味のある音楽、「ハリー・ポッター」好きをニヤリとさせるふくろうの演出、「ビッグ」に登場した有名おもちゃ屋の巨大ピアノ等々、ホリデーシーズンにぴったりなサービス満点の内容になっている。

おもちゃ屋の巨大ピアノの上を歩くエレーナ。

おもちゃ屋の巨大ピアノの上を歩くエレーナ。

ホークアイの人物像をかつてない密度で掘り下げつつ、ケイトというニューヒーローの誕生を描いた「ホークアイ」。続編が制作されるのか、ほかのマーベル作品に合流するのか──。いずれにせよ、視聴者が「早く続きが観たい!」と叫びたくなる“推しドラマ”になったのは、間違いない。

プロフィール

SYO(ショウ)

映画、ドラマ、アニメ、マンガ、音楽などのジャンルで執筆するライター。装苑、sweet、BRUTUS、GQ JAPANなどの雑誌のほか、多くのWeb媒体にも寄稿している。Yahoo!公式コメンテーターとしても活動中。MCUの推しキャラはバッキー。

この冬は“新ディズニープラス”で「ホークアイ」
パープルいっぱいのクリスマスパーティ潜入

文 / 小宮駿貴

「ホークアイ」クリスマス視聴会のフォトブース。

「ホークアイ」クリスマス視聴会のフォトブース。

マーベル・スタジオが贈るドラマシリーズ「ホークアイ」の最終話配信を記念して、去る12月22日、東京・青山のTHINGS Aoyama organic gardenで“クリスマス視聴会”が行われた。普段は白を基調とした結婚式場が、この日はホークアイとケイト・ビショップのイメージカラーである“紫”を全面に押し出したライティングに。入り口で出迎えてくれるのは、天井すれすれの高さはある巨大なクリスマスツリーだ。木を覆うオーナメントはもちろんパープルばかり。ところどころに飾られたターゲットマークの中心には矢が刺さっており、ツリーがホークアイに狙われている?と思わせる遊び心も楽しい。

「ホークアイ」クリスマス視聴会に設置されたクリスマスツリー。

「ホークアイ」クリスマス視聴会に設置されたクリスマスツリー。

この日の視聴会にはプレスのほか数多くのインフルエンサーたちが招かれた。ツリーの脇には、ポスタービジュアルを背景にしたフォトブースも。キャラクター気分を味わえるように弓と弓矢のレプリカも用意されており、記念撮影にはもってこい。中にはケイト・ビショップのコスプレをした人の姿も見られた。DJブースでは定番のクリスマスソングも選曲。この一角はミラーボールや天井へのプロジェクション、ホークアイのアイコンを描くレーザービームなど、めくるめく光の空間が演出された。

視聴ルームは10人以上がソファでくつろげるアットホームな雰囲気に。10月にコンテンツブランド「スター」が加わり、1万6000を超えるラインナップとなって新しく生まれ変わったばかりのディズニープラス。タイトル数の増加だけでなく、動画品質を高める4K UHDでの映像提供と、サラウンド面における5.1chやドルビーアトモスへの対応が日本のファンを大いに歓喜させた。この日は“新ディズニープラス”の魅力を思う存分楽しめるように、部屋には4Kテレビはもちろん、タブレットやスマホも複数設置。参加者はドラマをイメージした装飾に囲まれながら、5.1ch&ドルビーアトモス対応のヘッドフォンで臨場感たっぷりに「ホークアイ」を鑑賞した。

続くプレス向けのイベントには、マーベルファンの前田敦子と小野賢章が登壇。クリスマス休暇を家族と過ごすために奔走するホークアイだが、前田は最終話の視聴を前に「父親として重大な任務だと思うので、無事にハッピーエンドを迎えてくれることを期待します!」と笑顔を見せる。第4話「私たち相棒でしょ?」でクリントとケイトの距離がグッと縮まった2人だけのクリスマスパーティにも触れ「家族や友人とクリスマスに“ダサセーター”を着て作品を楽しんでほしい」と呼びかける。また、小野は家族を持つヒーローであるホークアイについて「市民に近い立場にいるからこそ、大切な人がいる者の気持ちがわかる。家族のもとへ行きたいけど、悪を見過ごすわけにはいかないホークアイの苦悩や葛藤がじっくりと描かれていますよね」と語った。

パーティの最後には、参加者に特製クッキーとクリスマスカードの配布も。カードにはクリントとケイトからのメッセージが記載されており、マーベル・スタジオからの素敵なクリスマスプレゼントで視聴会は幕を閉じた。

「ホークアイ」の視聴はこちらから