バグスターとして生きる意味(小野塚)
──今回の映画は「トゥルー・エンディング」というタイトル通り、本編の“真のエンディング”と謳われています。撮影順は映画のほうが先だと思いますが、難しかった部分はありますか。
甲斐 本編では39話から40話にかけて、パラドが人間の心を理解する過程が描かれたんです。39話ではパラドが消滅して、次回予告でもパラドは完全にいないものとなっていて……その後復活したんですけど、皆さん信じてくれましたかね(笑)。
瀬戸 コンティニューしたね!
甲斐 2話かけてやった意味があるくらい大事な展開なんですけど、それを撮る前に映画で改心したパラドを演じないといけないのが難しかったですね。
飯島 映画を撮ったのは、まだ35話くらいの時期だったもんね。
甲斐 そう。だからどういう意気込みでいけばいいのか、作中でどういう在り方を目指せばいいのかわからなくて、苦労しました。正直撮り直したい気持ちもあるけど、それだけあの2話を通して自分がパラドを深く理解できたっていうことですかね。
小野塚 僕が映画の撮影に参加したのは、本編で復活してからすぐの時期だったんですよ。しかもその頃本編では敵(正宗)側にいたので、そっちの気持ちも入っていて。仲間としての感覚を取り戻していないまま、クランクインの日にエンドロールを撮るのは大変でした(笑)。
瀬戸 エンドロールが一番最初だったよね!
飯島 あれ、僕らも難しかった。
小野塚 でもみんな、それまで演じてきた流れがあるからまだわかるじゃん。僕、久々に登場したばっかりだったから。
瀬戸 でも復活前も、いつも出演されてましたよね? 回想シーンで(第12話で九条貴利矢が消滅したシーン)。
一同 (笑)
小野塚 オープニングクレジットに名前載ってないもん(笑)。
──医療とゲームがテーマの本シリーズでは、本編やこの映画でも“人間の命”と“コンティニュー可能なデータ”が比較されます。貴利矢はバグスターとして復活しましたが、自分の演じる役が人間からバグスターに変わることで、意識の変化はあったのでしょうか。
小野塚 すべてを永夢に託してゲームオーバーになってはいるんですけど、貴利矢の個人的な思いとしてはやっぱり死にたくなかったでしょうね。生きて帰ってこれたと思ったらバグスターで、人間ではなくなっていて。寿命や老いっていう概念もないし、血も出ない。本人としてショックな部分もあると思います。でも今の貴利矢には、悲しみよりも医療の進歩に力を貸せる存在になりたいっていう気持ちが強いんだろうな。
飯島 うん。
小野塚 僕的には、復活してからの貴利矢を演じるうえで裏テーマがあって。でもそれをここで言っちゃうと、皆さんに情けの目を向けられそうで嫌なんです。あえて言わないほうがいろいろ想像して楽しんでくれるかな。
──劇中に隠されたヒントはありますか?
小野塚 今後、第42話(8月6日放送)のオンエアでバグスターとして生きる意味や本当の思いが明らかになります。さらに最終話で「実はこいつ、こんなこと思ってたんだ」ってより深く理解できるようなことを言っているので、それを知ったら映画の中の貴利矢を見る目も変わってくると思いますね。まあ最終話で伏線が回収されなかったら、僕の芝居のせいなので反省します(笑)。
一同 (笑)
大我は言葉足らずなところがあるから(瀬戸)
──映画撮影当時の35話以降の大きな展開としては、飛彩と大我の和解というトピックもありましたね。
松本 飛彩からはずっと恨まれていましたからね。
瀬戸 当初から、大我は言葉足らずのところがあったので、そのせいで関係がこじれていた部分もあるんですよね。和解したからといって「これからよろしく」っていう会話があったわけでもないので、演じるうえで大げさに切り替えたということはないです。
飯島 でも飛彩は最初、大我に敬語を使うことによって変化を表そうとしたじゃん。結局接し方は今までと同じになったけど、気持ちの面では変わったでしょ?
瀬戸 そうだね。もともとギクシャクしていたのは、小姫が消滅してしまったのは大我のせいだっていう気持ちがあったから。本当はそんなことないって気付いていたけど、認めたくない部分が大きかったんだろうね。だから恨む恨まないではなく、それを認めたというのが飛彩の気持ちの変化かな。
小野塚 視聴者の方たちからしたら、「エグゼイド」始まって以来のわだかまりが溶けたんだから、そこはやっぱり大きかったと思うよ。
松本 大我としては、別に飛彩を恨んでいたわけでも、嫌っていたわけでもなく、ただ1人で背負い込んでいたんです。和解したと言っても、飛彩に自分を選ばせたことによって、小姫のデータを失わせてしまったという後ろめたい思いはありますよね。
小野塚 大我って、考え方が男前すぎない?
甲斐 そうだね。
松田 ね。なんで彼女いないの?
松本 そうだよね。大我に彼女欲しいよね。
飯島 永夢にも彼女欲しいよ。こんな水晶のような青年、ほかにいないよ?
一同 (笑)
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このエグゼイドチームで、また共演したいね(小野塚)
- 「劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング」
- 2017年8月5日(土)より全国ロードショー
- ※「宇宙戦隊キュウレンジャー THE MOVIE ゲース・インダベーの逆襲」と同時上映
- ストーリー
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仮面ライダーエグゼイド / 宝生永夢たちの前に、現実の世界を滅ぼし、VR(仮想現実)空間で支配しようと企む忍者集団が現れる。“永遠の天国”の創造を企むその男は、仮面ライダー風魔 / 南雲影成。そこで永夢は、檀黎斗が開発した「幻夢VR」を駆使して仮面ライダーエグゼイド クリエイターゲーマーに変身する。永夢たちドクターは、次々と襲い来る脅威に打ち勝ち、運命を変えることができるのか?
- スタッフ / キャスト
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原作:石ノ森章太郎
監督:中澤祥次郎
キャスト:飯島寛騎、瀬戸利樹、松本享恭、松田るか、岩永徹也、小野塚勇人、甲斐翔真、黒崎レイナ、藤本美貴、森山のえる、ブラザートム、博多華丸、堂珍嘉邦ほか
©劇場版「エグゼイド・キュウレンジャー」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 ©2017 テレビ朝日・東映 AG・東映
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- 飯島寛騎(イイジマヒロキ)
- 1996年8月16日生まれ、北海道出身。2015年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にてグランプリに輝く。「仮面ライダーエグゼイド」にて、ドラマ初出演ながら主役に抜擢される。
- 瀬戸利樹(セトトシキ)
- 1995年10月7日生まれ、千葉県出身。2014年にドラマ「弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」にて俳優デビューした。映画では「ストレイヤーズ・クロニクル」「PとJK」などに出演。
- 松本享恭(マツモトウキョウ)
- 1994年12月27日生まれ、福岡県出身。2015年にドラマ「ウルトラマンX」でデビュー。舞台「武士白虎 もののふ白き虎」「黒子のバスケ THE ENCOUNTER」などに参加した。
- 松田るか(マツダルカ)
- 1995年10月30日生まれ、沖縄県出身。主な出演作に「内村さまぁ~ず THE MOVIE エンジェル」、NHK BSプレミアムのドラマ「初恋芸人」などがある。
- 岩永徹也(イワナガテツヤ)
- 1986年10月16日生まれ、長崎県出身。2009年から2014年までMEN'S NON-NOの専属モデルを務め、その後もモデルとして雑誌などで活躍。認定薬剤師、カラーセラピストトレーナーなど数多くの資格を持つほか、「JAPAN MENSA」会員でもある。テレビドラマ出演は「仮面ライダーエグゼイド」が初となる。
- 小野塚勇人(オノヅカハヤト)
- 1993年6月29日生まれ、千葉県出身。劇団EXILEメンバー。主な出演作に「HiGH&LOW THE MOVIE」、ドラマ「碧の海~LONG SUMMER~」「ガリレオ」「朝が来る」などがある。
- 甲斐翔真(カイショウマ)
- 1997年11月14日生まれ、東京都出身。「仮面ライダーエグゼイド」でドラマ初出演を果たした。2017年冬には「写真甲子園 0.5秒の夏」の公開も控えている。