それぞれの理想のヒーロー像

──春に公開された「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」では、ドライブチームは歴代ライダーの先輩たちとたくさん共演しましたが、いかがでしたか？

竹内　やっぱり一番大好きな555の半田（健人）さんと共演できたのはうれしかったです。中村優一くんの変身も、見たら重みを感じましたし、自分がやってる作品を誰よりも大好きになることが一番大事なんだなって感じさせられました。1年間やってくると、どうしてもこなしてるふうになっちゃうこともあると思うんですけど、もう1回初心に返って、自分がやってるライダーを好きになれば大丈夫なのかなと。先輩たちにそう学んだ気がします。今回の映画はそういう気持ちで、欲張りすぎずに臨めました。

稲葉　僕は竹内涼真からも“先輩”としていろいろなものを受け取ってるんですけど、中村優一くんの作品に対するものすごく純粋な愛情を目の当たりにして、こうやって取り組まなきゃいけないなと思ったり。逆に半田さんの演技は飄々としてるんだけど、10何年経っても説得力がすごかったり。あと、よその現場で「あの人は戦隊だった、あの人はライダーだった」っていう人が結構いたり。そういうすごいと思う人たちみんな、ライダーや戦隊で培ってきたものがやっぱりあるんだと思いますし、「自分もこの1年でやることやっとかないとな」と思わせてくれる人たちがいっぱいいるので、すごくありがたい現場だと思います。

──これからも未来のヒーローたちが、皆さんの背中を見てまたいろんなことを学んで、バトンをつないでいくんだろうなと思います。最後におひと方ずつ、自分の理想のヒーロー像を教えていただいてもいいですか。

竹内　うーん……難しいんですけど、ヒーローって自分のことをヒーローとは思ってないと思うんです。周りにちょっと落ち込んでる人がいたとして、あからさまにではなく、その人の気持ちになって自然と助けられる人間になることがヒーローなのかなっていう。他人の気持ちに自然と寄り添える人間になることじゃないですかね。

稲葉　この撮影が始まったぐらいに、インタビューで「稲葉友にとってのヒーローは？」って聞かれて、そのときは「最終的に勝つことかな」って答えたんですけど、最近はそういうことでもねえな、っていう。自分の中の正義を貫けるか、それが折れてもひしゃげても、また立ち直れるか、その強さを持ってるかどうか。今の剛にとっての正義は姉ちゃんで、「市民を守ろう」みたいな気もあんまりなくて。っていうところに準じて言うと、誰もが持ってる「親が大事」だとか「友達が大事」だとか、そういう感覚を持ってればヒーロー。僕らはそれを肥大化させて変身するだけ。そういうことかなって、最近思います。

多和田　僕もいろいろ思うことはあるんですけれども、自分にとっての目標や志を、いつ何時でも曲げない強さだったり、例え100人に何かを言われても「自分はこうだ」って強い意志を持ってるのがヒーローじゃないかなと。それで何かを達成したときに、周りの人を自然と笑顔にできたりする人が、僕にとっては理想のヒーロー像かなって思っています。

西川　みんなの話を聞いてて「あ、そういうこともあるんだな」と思ったんですけど、やっぱり自分はまだ、一発逆転とか、助けるとか、そういうことしか考えられなくて。野球で喩えると「ピンチなときに逆転ホームランを打って、ヒーローインタビュー！」みたいな感じですけど、ここぞっていうときに強い、その場の空気をガラッと変える人がヒーローかなと。今のところはそう思ってますね。