周平が寂しそうに俺の部屋に来てた(矢本)
──「結び」では太一とほかのメンバーのすれ違いが描かれるため、野村さんは監督から「みんなとつるまないでほしい」と言われていたそうですが。
野村 そうですね。「会話するな」とかではなかったんですけど、「一緒にごはん食べに行かないで」とか。そんなことは言われました。
広瀬 だから回転寿司もいなかったんだよね。全然そんなの知らないから誘ったけど、来なかった。
上白石 そうだったんだ。
野村 知っといてくれよー!
矢本 でも周平、回転寿司のあと寂しそうに俺の部屋来てたよ。
一同 (笑)
矢本 「まだ食ってんの?」ってLINEも来たわ。めっちゃ来たがってたやん!
広瀬 いろんな取材で「俺だけ行きませんでした、役作りで」みたいに答えてたのに(笑)。
野村 言うな言うな! 矢本だけならいいかなって思ったんだよ。
矢本 「1人ぐらいはパイプ欲しい」とか言ってたな(笑)。まあ俺は、周平が監督に言われたことを知ってたっていうのもあるし。
──矢本さんだけは、野村さんから聞いていたんですね。このメンバーの中で、頼りにしたくなる、締めるときは締めてくれる存在というと……?
一同 (一斉に矢本を見る)
矢本 まあ……一応最年長っていうことで。みんな撮影中もずっとしゃべってるから、いつも「こら! 芝居するぞ!」って注意してましたね。
──広瀬さんと上白石さんが何か言いたげですが。
上白石 そんなこと言われたっけ?と思いました(笑)。
広瀬 絶対言ってない!
矢本 いやいや。まとめてましたよ、みんなを。圧倒的に歳上なので。
野村 やもっちゃんは芝居で泣けなくて苦労している人がいると、一緒に泣こうとしてくれるんです。そうするとラクになって自分も泣けてくる。さすが最年長だなって思います。
──いいエピソードですね。
矢本 (食い気味に)ちょっと待ってください……! 周平、嘘はよくないぞ。
──皆さん盛り上がっているので、先ほどからどこまでが本当の話かわからないです(笑)。
野村 ほとんど信用しちゃ駄目です!(笑)
舌をペロッと出す仕草で筑波になりきった(佐野)
──では続きまして、「ここに注目してほしい!」という自分の出演シーンをそれぞれ教えてください。まずは佐野さんからお願いします。
佐野 僕は、一番最初に千早とかるたを取り合うシーンですね。筑波というキャラクターを演じたんですけど、マンガの絵と僕は全然似てないんです。だから舌をペロッと出す仕草をまねしてなりきりました。
──あの仕草で、筑波くんはただ者じゃないなと感じました。優希さんはいかがですか。
優希 菫ちゃんと大江先輩が川沿いで話すシーンです。菫ちゃんのせいでかるた部みんなに迷惑をかけてしまって。どうしようってなっているとき、大江先輩が優しい言葉をかけてくれるんです。菫ちゃんがかるたに真剣に向き合おうと目覚めるきっかけになる大事なシーンなので、ぜひ注目してください。
上白石 そのシーンはセリフがとても長くて……。でも後輩を引っ張ってあげなきゃという奏の思いもあって、どうにかやりきりました。私もすごく好きなシーンです。
──続いて野村さん、お願いします。
広瀬 オールバックじゃない?
一同 (笑)
野村 走ってきたから髪がオールバックになってるところね(笑)。そのシーンは探してもらうとして。でも太一は全編通して見どころばかりですよ。「結び」は僕が裏で主役張ってるので、ぜひ注目してほしい(笑)。
──太一の目線で物語が進んでいきますもんね。
野村 今回もバリバリ成長しますからね、太一は。それに一番人間味のある役だっていうことは、シリーズ通して意識していました。
撮影テストで、すずが泣くっていう事件が(森永)
──では上白石さんは?
上白石 千早ちゃんと奏が屋上で言葉を交わすシーンです。2人の出会いの場所で、高校生活3年間の成長に思いを馳せながら気持ちを語り合う場面で。いいセリフをいただけてうれしかったです。
広瀬 2人ともセリフ言いながらグッと来てたよね。撮影前のリハなんて目うるうるしちゃって。
上白石 クランクアップみたいな気持ちになってたよね。ここで泣いちゃ駄目!と思いながらも、みんなの顔がどんどん浮かんできて。
矢本 誰が最初に浮かんできたの?
野村 そこ大事だぞ。
上白石 えーっと……(笑)。
矢本 まあ俺だよな! 肉まんくんの見どころはマニアックなシーンでもいいですか?
──もちろんです!
矢本 大会の会場で、負けた学校の人たちが泣いてるのを千早が見ているところがあって。その千早の背中越しで、なぜか俺が駒野の体をずっとさすってるんです。試写で観たとき、めっちゃ肉まんくんっぽいな!って自分で思った(笑)。だからあの細かい芝居にぜひ注目してほしいなと。
広瀬 えー、気付かなかったよ。もう1回観なきゃ。
森永 駒野としては、なんでスリスリされてたのかわからなかったけど(笑)。
矢本 でも映画に深み出たよな? 俺はあそこに懸けたと言ってもいい。映ってないところでも、しっかり肉まんくんなんだっていうのを知ってほしいですね。
──森永さんはいかがでしょうか。
森永 駒野は、最後の試合が終わったところです。勝敗は言わないでおきますけど、そこからの流れも含めて印象的だと思います。あと撮影テストで、すずが泣くっていう事件もあったし(笑)。最後に向けて、みんな気持ちがあふれ出ていました。じゃあ最後は、すずに託します。
「ちはやふる」は私たちがリアルに青春を感じて完成した作品(広瀬)
広瀬 みんなに好きなシーンをいっぱい言われてしまったんですけど……。あと思い付くのは、踏切のところかなあ。
──千早と太一のシーンですね。
広瀬 撮影ではお互い顔がほとんど見えなかったので、太一がどんな顔して、どんな目でしゃべっているのか全然わからなくて。でも声だけで伝わるものがあって、本当に胸が苦しくなったのを覚えています。
野村 あのシーン、太一の顔が映る直前でシーンが切り替わるんだよね。だから俺の肩の芝居だけ映ってる。肩俳優・野村周平です。
広瀬 あはは! 確かに。表情がわからないという点では、お客さんも千早と同じ感覚になれるから、それぞれ答えを見つけてもらえるシーンになったと思います。
──皆さんありがとうございました。それでは最後にメンバーを代表して、広瀬さんから一言お願いします。
広瀬 みんなで一緒にがんばる“青春もの”って、ほかにもたくさんあると思います。でも「ちはやふる」は私たち自身がリアルにそういう感情になって完成した作品なので。1人でも多くの人に私たちの気持ちが届いたらうれしいです。
瑞沢高校競技かるた部
- 綾瀬千早(広瀬すず)
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瑞沢かるた部を創設した張本人。小学生の頃、転校してきた綿谷新から競技かるたを教えてもらった。
- 真島太一(野村周平)
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瑞沢かるた部の部長。成績優秀な人一倍の努力家。千早に恋心を抱く。
藤岡東高校
- 綿谷新(新田真剣佑)
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千早と太一を競技かるたの世界に導いた。小学校卒業後、祖父の介護のため家族で地元・福井に戻った。
- 我妻伊織(清原果耶)
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新の高校の後輩で競技かるた準クイーン。新のことを「おにい」と呼び慕っている。
- 「ちはやふる -結び-」
- 2018年3月17日(土)全国公開
- ストーリー
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瑞沢高校競技かるた部1年生・綾瀬千早が史上最強のクイーン・若宮詩暢と全国大会で熱戦を繰り広げ、さらに強くなることを部員たちと誓い合ってから2年が経った。個性あふれる新入部員に手を焼きながら、高校生活最後の全国大会を目指す瑞沢高校競技かるた部の面々。しかし予選を前に、部長の真島太一が突然部を辞めてしまう。一方、千早と太一を競技かるたの世界に引き込んだ幼なじみ・綿谷新は、千早たちの情熱に突き動かされ、自身もかるた部を創部して全国大会で千早と戦うことを決意する。
- スタッフ
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監督・脚本:小泉徳宏
原作:末次由紀(講談社「BE・LOVE」にて連載中)
主題歌:Perfume「無限未来」(UNIVERSAL MUSIC) - キャスト
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綾瀬千早:広瀬すず
真島太一:野村周平
綿谷新:新田真剣佑
大江奏:上白石萌音
西田優征:矢本悠馬
駒野勉:森永悠希
花野菫:優希美青筑波秋博:佐野勇斗
我妻伊織:清原果耶
若宮詩暢:松岡茉優
周防久志:賀来賢人
宮内妙子:松田美由紀
原田秀雄:國村隼
©2018 映画「ちはやふる」製作委員会 ©末次由紀/講談社
- 広瀬すず(ヒロセスズ)
- 1998年6月19日生まれ、静岡県出身。2012年にSeventeen専属モデルとして芸能界デビュー。2015年公開作「海街diary」での演技が評価され、第39回日本アカデミー賞など多くの映画賞で新人賞を受賞する。近年の出演作に「怒り」「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」など。「三度目の殺人」で第41回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した。2018年には「ラプラスの魔女」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」の公開を控える。
- 野村周平(ノムラシュウヘイ)
- 1993年11月14日生まれ、兵庫県出身。2010年俳優デビュー。主な出演作に「日々ロック」「ライチ☆光クラブ」「森山中教習所」「帝一の國」「22年目の告白ー私が殺人犯ですー」など。2018年公開作「ラブ×ドック」「ビブリア古書堂の事件手帖」に出演している。主演ドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」がテレビ東京系で放送中。
- 上白石萌音(カミシライシモネ)
- 1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。周防正行監督作「舞妓はレディ」で映画初主演を務め、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。新海誠による劇場アニメーション「君の名は。」のヒロイン・三葉役に起用されるなど声優としても評価が高く、2016年には歌手デビューを果たした。2018年には出演作「羊と鋼の森」が6月8日に公開されるほか、4月から竹生企画 第3弾「火星の二人」、7月からミュージカル「ナイツ・テイル-騎士物語-」に出演する。
- 矢本悠馬(ヤモトユウマ)
- 1990年8月31日、京都府出身。2003年に「ぼくんち」で映画デビュー。2015年に「ブスと野獣」で連続ドラマ初主演。近年の出演作に「君の膵臓をたべたい」「トリガール!」「ポンチョに夜明けの風はらませて」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」などがある。そのほかCMや2018年公開の映画も多数待機中である。
- 森永悠希(モリナガユウキ)
- 1996年6月29日生まれ、大阪府出身。「しゃべれども しゃべれども」で注目を浴びる。2013年、出演作「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の劇中バンドMUSH&Co.のメンバーとして役名でCDデビュー。主な出演作に「プリンセス・トヨトミ」「あさひなぐ」や、ほかに数々の映画やドラマ、CMがある。2018年には「羊と鋼の森」が公開される。
- 優希美青(ユウキミオ)
- 1999年4月5日、福島県出身。2012年、第37回ホリプロタレントスカウトキャラバンにてグランプリを獲得。主な出演作に「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」「神さまの言うとおり」「でーれーガールズ」「暗殺教室」シリーズや、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」「マッサン」、ドラマ「デスノート」、Netflixオリジナルシリーズ「僕だけがいない街」などがある。4月27日公開作「ママレード・ボーイ」にはヒロインの親友・秋月茗子役で出演している。
- 佐野勇斗(サノハヤト)
- 1998年3月23日生まれ、愛知県出身。2015年公開「くちびるに歌を」で俳優デビューを飾る。その後、「高台家の人々」「ミックス。」やテレビドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」「トドメの接吻(キス)」などに出演。2018年に出演作「青夏 Ao-Natsu」「羊と鋼の森」「3D彼女 リアルガール」「走れ!T校バスケット部」の公開を控える。5人組ボーカルダンスユニット・M!LKのメンバーとしても活動中。
広瀬すず:ヘアメイク /菅野綾香
野村周平:ヘアメイク / NORI
上白石萌音:ヘアメイク /スズキミナコ
矢本悠馬:ヘアメイク / 青木理恵(SOUP)
森永悠希:ヘアメイク / ISINO
優希美青:ヘアメイク / RYO(ROI)
佐野勇斗:ヘアメイク / 中島愛貴(raftel)
2018年4月2日更新