映画ナタリー Power Push - 「天の茶助」

SABU×弾丸ジャッキー・オラキオ インタビュー 運命を切り拓いた一歩

監督デビュー作「弾丸ランナー」の衝撃から19年。疾走感あふれる作風と独特のユーモアセンスで世界を魅了し続けてきたSABUが、天界と下界をめぐるファンタジー「天の茶助」を生み出した。原作は、自ら筆を執ったオリジナル小説。沖縄の街を舞台に、運命に立ち向かう個性豊かなキャラクターたちの熱い人間ドラマを、笑い、純愛、暴力、涙を交えて描き出す。

映画ナタリーでは本作のBlu-ray / DVD発売を記念して、SABU、そして本作の出演者である弾丸ジャッキー・オラキオにインタビューを実施。かねてよりSABUファンを公言してきたオラキオ念願の出演が叶った理由とは? 運命を切り拓くきっかけとなったある行動を明かしてもらった。

取材・文 / 金須晶子 撮影 / 笹森健一

 
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キャラクター紹介
早乙女茶助(松山ケンイチ)
過去の姿は…
天界で茶番頭として働く茶助(松山ケンイチ)。
暴走族土佐蛇鬼総長時代の茶助(松山ケンイチ)。
パンチパーマのヤクザ時代の茶助(松山ケンイチ)。
パンクバンド、ザ・リョーマーズでボーカルを務めていた茶助(松山ケンイチ)。
全国ウェイター選手権でチャンピオンに輝いた茶助(松山ケンイチ)。
早乙女茶助(松山ケンイチ)
天界の脚本家たちに茶を配る茶番頭。人間のユリにほのかな思いを抱いていたが、自分のせいで彼女が死ぬ運命に。下界へ降り立ち、ユリを救うべく奔走する。
新城ユリ(大野いと)
新城ユリ
(大野いと)
あるトラウマがきっかけで口がきけなくなった。茶助のせいで、“人生のシナリオ”を交通事故で死ぬ運命に書き換えられてしまう。
彦村ジョー(伊勢谷友介)
彦村ジョー
(伊勢谷友介)
天界の脚本家が書いたシナリオにより壮絶な人生を歩んできた。ホームレスの子として生まれ、現在はラーメン店主に。茶助と仲良くなり、手助けをする。
種田潤一(大杉漣)
種田潤一
(大杉漣)
天界の脚本のおかげで波乱万丈な人生を送る羽目に。もとは俳優志望だったが、夢を打ち砕かれて骨董品店を営む。地上に降りてきた茶助の世話をする。
早乙女茶子(玉城ティナ)
早乙女茶子
(玉城ティナ)
茶助の妹。土佐出身で、かわいらしい見た目とは裏腹に勝気な一面が。突然茶助の前に現れ、激しい土佐弁で兄を叱咤する。
康夫(今野浩喜)
康夫
(今野浩喜)
ユリを轢き殺す運命が“人生のシナリオ”に書かれようとしている。天界からやってきた茶助の秘密を知っていて、茶助とユリを付け狙う。
白塗警官(弾丸ジャッキー・オラキオ)
白塗警官
(弾丸ジャッキー・オラキオ)
ことあるごとに茶助とユリの命を狙う白塗り顔の危険人物。茶助の前に立ちはだかり、ユリの救出を阻止する。
黒竜会:黒木(寺島進)
黒竜会:黒木
(寺島進)
ヤクザの若頭。スゴ腕のスナイパーを雇い、茶助の殺害を依頼する。
SABU×弾丸ジャッキー・オラキオ インタビュー

10年経っちゃったんで、アクション起こしてみました(オラキオ)

──「天の茶助」はSABU監督の書き下ろし小説が原作ですが、執筆の段階でキャストは思い浮かべていたのでしょうか? 茶助役の松山ケンイチさんは「うさぎドロップ」に引き続き主演ですね。

左からSABU、オラキオ。

SABU この人かな?っていうのはうっすらあったんですけど、あまり考えないようにしてましたね。松山くんに関しても。ただ、オラキオさんの“白塗警官役”っていうのはわりと早い段階で考えてました。

オラキオ 早い段階で!? 理由とか聞いてもいいですか?

SABU いや、なんか前から「出たい」って言ってくれてたんで。

オラキオ ざっくり(笑)。実は僕、弾丸ジャッキー10周年の節目でSABU監督に手紙を書いたんですよ。

──どういう内容の手紙ですか?

オラキオ

オラキオ コンビ名の弾丸ジャッキーって、僕がSABU監督の「弾丸ランナー」が好きで、相方がジャッキー・チェンが好きっていうところから来ていて。そのことをいつか監督に言いたいなと思ってたんです。だから「SABU監督の映画を観て、この世界に入って、コンビ名も弾丸ジャッキーって勝手に名乗ってます。今度オーディションとかありましたらぜひお願いします」と。僕にとっては記念というか……1つの節目だというくらいの感じで出しました。

SABU もらいましたね、手紙。

オラキオ そしたらなんと……監督からお返事が来たんですよ! たまたま僕が出た番組を観てくださっていて。体操選手と戦うっていう内容で、2回転宙返りとかしてたんですけど。後日、「番組観ました」とお返事をいただいて。それと……。

SABU 「今度何かありましたら声かけますんで。そのときキャスティングしやすいように、もうちょっと有名になっておいてください」と(笑)。

オラキオ で、僕はもうとにかく「がんばろう!!」って。そして今回キャスティングしていただきました。

──思いが届いたんですね!

オラキオ いまだに夢みたいです。「手紙、書いてみるもんだなあ」なんて(笑)。いやでも、本当にただただ、何かつながればいいなってだけだったんで。純粋な気持ちで。本当はもっと早めに、芸人として売れれば(SABU監督作品に)出れるもんだと勝手に思ってたんですよ。過去にバナナマンさんやTKOさんも出演されてるし……。そうこうしてるうちに10年経っちゃったんで。アクション起こしてみました。

Blu-ray / DVD「天の茶助」2016年1月8日発売 / バンダイビジュアル
Blu-ray Disc / 5400円 / BCXJ-1099
DVD / 4104円 / BCBJ-4750
音声特典

コメンタリー:SABU×オラキオ×市山尚三(プロデューサー)

映像特典

メイキング The making of Chasuke's Journey / イベントダイジェスト映像集(初日舞台挨拶ほか) / 予告篇

あらすじ

天界──。そこでは脚本家たちが忙しく筆を動かし、地上で暮らす人間たちの“人生のシナリオ”をしたためていた。茶番頭として働く茶助は、ある日“斬新なアイデア”を求められ、いいかげんな助言をしてしまう。しかしそれがきっかけで、思いを寄せる女性・ユリのシナリオが書き換えられることに。交通事故死する運命となったユリを救うため、茶助は彼女が住む沖縄に降り立つ。邪魔すべく刺客を送り込む脚本家たちや、シナリオに翻弄される人間たちとの攻防の中、茶助はユリの運命を変えることができるのか。

スタッフ / キャスト

原作・脚本・監督:SABU

主題歌:Ms.OOJA「翼」

出演:松山ケンイチ、大野いと、大杉漣、伊勢谷友介、玉城ティナ、オラキオ(弾丸ジャッキー)、今野浩喜、寺島進ほか

SABU(サブ)

1964年11月18日生まれ、和歌山県出身。ミュージシャンを目指して上京後、俳優の道へ進む。1986年の森田芳光監督作「そろばんずく」で映画初出演。役者としての経験を積む一方、1996年に「弾丸ランナー」で監督デビューを飾る。以降「ポストマン・ブルース」「アンラッキー・モンキー」などを手がけ、「MONDAY」で第50回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞に輝いた。そのほか監督作に「幸福の鐘」「疾走」「蟹工船」「うさぎドロップ」など。2016年世界公開予定のマーティン・スコセッシ監督作「Silence(原題)」に出演している。

弾丸ジャッキー(ダンガンジャッキー)
オラキオ

1977年9月5日生まれ、佐賀県出身。学生時代は体操部に所属し、インターハイの九州地区予選優勝経験を持つ。元自衛隊の相方・テキサスと組み、2003年より現在のコンビ名で活動開始。運動神経を生かしたネタを取り入れ、“肉体派芸人”として「とんねるずのみなさんのおかげでした」「あらびき団」「爆笑レッドカーペット」など多くのバラエティ番組で活躍する。蛭子能収がMCを務めるWeb番組「シロウト女子のえびす裁判」にナレーターと“番組AD”役で出演中。11月より、子供を対象にした「オラキオ体操教室」を開催している。