「おっさんずラブ」は終わらない!眞島秀和インタビュー|2018年を代表する話題作の“愛される理由”は? この武川に注目!ドラマ全話プレイバック付き

かかとが刺さる勢いの壁ドン

──第6話では、武川が牧をお見舞いするシーンが……。

ああ、みかんゼリー?(笑)

──はい、ありったけのみかんゼリーや栄養ドリンクを抱えて。武川が牧の熱をおでこで測るシーンは、林さんとどんな打ち合わせを?

眞島秀和

どんな動きでいくかという段取りはリハーサルで初めてやったので、特別な相談はしてないんです。眼鏡は当たると危ないから外すとか。確かこのとき、きじPが撮影に立ち会えなかったんですよ。撮影後、監督に「武川さん、眼鏡外した?」とわざわざ連絡が入ったらしくて、「外してましたよ」って伝えたら「よかった……」って返事が来たそうです。そこ気になってたのか!って思いました。

──そして最終話。「相手の幸せのためなら自分は引いてもいいとか、どっかのラブソングかよ!」と牧に壁ドンする武川が、自分は身を引こうとしているのが切ないです。

ここ、台本に「ドーン!と壁に押し付ける」って書いてあるからドーンといったんですよ。そしたら、カットがかかったときに遣都が1人で「ふふふ」ってすごい笑ってて、「……眞島さん、僕の足見てください」と。「えっ、どこかけがさせちゃった?」って聞いたら、「や、そうじゃなくて。…………抜けない(笑)」って。遣都のかかとがセットの壁に刺さって、めり込んじゃったんです(笑)。美術さんに謝って、急いで直してもらいました。

──それだけ気持ちが入ってしまったってことですね。最終回でもう1つ。屋上のシーンで部長が武川の手をそっと握るくだりは吉田さんのアドリブだったとあとから知って、驚きました。

あれは本当にドキッとしました。そこで、ただびっくりするのもアリですけど、武川としてちゃんと受けて返さないとって思ったんです。

──真顔で一瞬見つめ合った2人が直後に思わず吹き出してしまうという、ベテラン俳優お二人の余裕が感じられるお芝居で。

いやいや、鋼太郎さんは余裕あるでしょうけど、鋼太郎さんにアドリブされるこちら側には全然、余裕ないですよ(笑)。

映画の準備稿を読んで、心の中で徳尾さんー!って叫びました

──以上、細かい振り返りをありがとうございました! どこまでも味わい深い「おっさんずラブ」ですが、眞島さんの俳優人生においてはどんな位置付けの作品になりましたか?

とても大切な作品になったことは間違いないですね。真剣に取り組む気持ちはどの作品でも変わらないですけど、やっぱり参加したドラマが話題になるのはうれしいので。先ほど化学反応という言葉も出ましたが、このチームの一員になれて本当によかったと思います。

──眞島さんはクランクアップの際、すでに「続編をやりたい」とおっしゃってました。

全7話は短い、もうちょっとやりたいなという感じで終わったんで。実際に映画化の話を聞いたときは、ドラマがとてもいい終わり方をしたので、この先どうするんだという不安もあった。ただ、打ち上げで徳尾さんに「もし続きを書くことになったらどうするの?」と聞いたら「いくらでも書けるよ」とおっしゃっていたんですよ(笑)。

──3月にクランクインする劇場版の台本はすでに上がってるんでしょうか。まだ内容は言えないかと思いますが、驚かれた部分などありました?

最近、準備稿が手元に来て、圭くんとどうだった、ああだったっていう話はしてますよ。詳しくは言えませんが、こんなすごいものを徳尾さんもよく書いてきたなという内容でした。心の中で徳尾さんー!って叫びましたから。

──楽しみです! これから劇場版に向けてドラマを観直すとしたら、どんなところに注目してほしいですか?

眞島秀和

劇場版の撮影に入る前に、僕らも1話から全部観直すと思うんです。だから劇場版を観に来てくださる前に、皆さんにも1話から全部観直してほしいですね。

──先ほど振り返った武川的見どころに注目したり、ほかの登場人物の気持ちになって観るのも楽しそうですね。

そうですね。連ドラが終わってけっこう時間が空いたので「おっさんずラブ」の空気感をもう一度思い出してほしいと思います。劇場版も間違いなく面白くなると思いますので、楽しみにしていてください!

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邦画

カメラを止めるな!

当初2館で封切られたのちに口コミを中心にヒットし、全国で拡大上映されたエンタメ作。300万円の低予算ながら興行収入は30億円を超え、第42回日本アカデミー賞で最優秀編集賞のほか7部門で優秀賞を受賞するなど、2018年の映画界を席巻した。劇場でのヒットの勢いがそのまま配信サービスでも持続。“ネタバレ厳禁”のフレーズに心をつかまれたユーザーも多かった。

洋画

デッドプール2

不死の体を持つ無責任ヒーロー“デッドプール”が活躍するマーベルコミックを、「アトミック・ブロンド」のデヴィッド・リーチが実写化。R15+指定の過激なアクションとブラックジョーク満載の内容が受け、視聴回数を稼いだ。ライアン・レイノルズが1作目に続きデッドプール役で出演したほか、忽那汐里がピンク色の髪を持つ暗殺者ユキオを演じている。

アニメ

ユーリ!!! on ICE

久保ミツロウと山本沙代による原案をもとに男子フィギュアスケート界を描いた作品。崖っぷちスケーター・勝生勇利とロシアの下克上スケーター、ユーリ・プリセツキー、そして王者ヴィクトル・ニキフォロフを軸に物語が展開する。2016年のテレビ放送から人気はいまだ衰えず、2019年に公開される劇場版の続報が出るたびに再生回数を伸ばしている。

特撮

仮面ライダージオウ

平成最後の仮面ライダーとなる本作の主人公は、“タイムトラベルライダー”の仮面ライダージオウ / 常磐ソウゴ。歴代平成仮面ライダーと出会いながら、過去、現在、未来を救うための戦いを繰り広げる。主演の奥野壮のほか、犬飼貴丈、飯島寛騎、半田健人、佐野岳、西銘駿、井上正大らシリーズ過去作のキャストが多数友情出演し、毎回話題に。

ドラマ「おっさんずラブ」
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ストーリー

運命の女性との恋を願いつつも、まったくモテない33歳の独身男・春田創一は、ある日、尊敬する部長・黒澤武蔵が自分の隠し撮り写真を持っていることを知り混乱。数日後、思い詰めた表情の部長から「はるたんが……好きです!」と愛の告白を受ける。ピュアすぎる部長の気持ちを受け止めきれず、パニック状態へ陥った春田に追い打ちをかけたのは、ルームシェアをしている後輩・牧凌太からのキス。予想だにしなかった“モテ期”の到来に動揺する春田だったが、やがて彼らの気持ちと真剣に向き合っていくことになる。

スタッフ

演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito

脚本:徳尾浩司

音楽:河野伸

主題歌:スキマスイッチ「Revival」(ユニバーサルミュージック)

キャスト

春田創一:田中圭

牧凌太:林遣都

荒井ちず:内田理央

栗林歌麻呂:金子大地

瀬川舞香:伊藤修子

荒井鉄平:児嶋一哉

武川政宗:眞島秀和

黒澤蝶子:大塚寧々

黒澤武蔵:吉田鋼太郎

「劇場版 おっさんずラブ(仮題)」
2019年夏 全国ロードショー
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眞島秀和(マシマヒデカズ)
1976年11月13日生まれ、山形県出身。2001年に「青~chong~」でデビュー後、「心中エレジー」「横道世之介」「るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編」「悼む人」「愚行録」のほか、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」など、映画・ドラマ・舞台で活躍。2018年には「蝶の眠り」やドラマ「隣の家族は青く見える」「おっさんずラブ」などに出演した。2019年には「そらのレストラン」「赤い雪 Red Snow」が封切られ、2月から3月にかけて出演舞台「CHIMERICA チャイメリカ」が東京、愛知、兵庫、宮城、福岡で上演。4月27日にWOWOWプライムで放送開始となる「連続ドラマW 坂の途中の家」、夏公開の「劇場版 おっさんずラブ(仮題)」にも出演する。現在テレビ朝日で放送中の「パーフェクトクライム」に出演中。