映画「
2021年の本屋大賞を受賞した町田そのこによる同名小説をもとにする本作は、自分の人生を家族に搾取されてきた三島貴瑚が、母親から虐待され「ムシ」と呼ばれている少年と出会い、自身の“声なきSOS”を聴き救い出してくれた安吾との日々を思い出す物語。貴瑚を杉咲、安吾を志尊が演じた。
初日を迎えた心境を杉咲は「感慨深いです。本当に、今日まで長い道のりでした。1年半くらい前に成島監督と初めてお会いして、そこからゆっくりと時間をかけて、たくさんの方たちが集まり始めて、議論を重ねながら作っていきました」と伝える。志尊は「大袈裟な言葉になってしまいますが、命を懸けて向き合わないとできない作品でした」と述懐し、「杉咲花を始め、みんなでぶつかって、時には苦しい思いもして作った作品なので、こうしてたくさんの人に観ていただけることが何よりの救いだなと思います」と言葉をつないだ。
本作のクランクイン前には、準備のための長いリハーサル時間が用意されたという。宮沢は「皆さんとシーンへの向き合い方、感情の作り方を準備できたからこそ、撮影当日にすっとシーンに入り込めた気がします」と振り返る。小野は「成島監督による役1人ひとりの人生表があったんです。血液型は何型で、どこで生まれて、何歳でどういうことがあって、それが役のコアな部分になって......というのを配ってくださいました」と明かした。
原作小説の大ファンであり、杉咲とは親友の仲である小野は「(オファーに)本当にびっくりしました。たくさんの人に読んでほしいと思った原作でしたし、それが10年以上も前から知っている杉咲花が主演で、こんなに素晴らしいキャストの皆様がいて、まさか自分がその一員になれると思っていなくて」と喜びを語る。杉咲も「いつか花梨と深く交わるような役で共演したいという目標があったんですけど、花梨にお薦めの本としてこの『52ヘルツのクジラたち』を紹介してもらって、購入したくらいのタイミングでオファーをいただいて、花梨のもとに美晴役のオファーがあって。こんな巡り合わせってあるんだなと」と笑顔を見せた。
本作が映画初出演となった桑名は「皆さんがすごく優しくしてくれて、現場に行くのが毎回楽しかったです」と口にする。杉咲は桑名との共演について「『ルールを作ろう』って話を2人でして、桃李は『思ったことをなんでも言いたい』と言ってくれました。『よかったら敬語をやめて“花”って呼んでいいよ』と言ったんですが『それはちょっとできないです』って言われて(笑)。でも、撮影の日々を紡いでいく中で桃李が『花って呼んでいい?』と聞いてくれた日があって、気付いたら敬語も外れていて、一緒に過ごしてきた時間が心を解放してくれたかと思うと本当にうれしかったです」とエピソードを披露した。
成島は、貴瑚が住む家のロケーションについて「シナリオハンティングで大分に行ったとき、大分のスタッフが原作と脚本を読んで『貴瑚の家はこんな感じじゃないですか?』と言ったのが、ドンピシャでした。家に上がったら『あの向こうに7年くらい前に迷いクジラが来たんです』という話を聞いて。予算削減で、近場の伊豆とか千葉で撮るとかということがよくあるんですけど、『これはもう逃げられない』と思って『大分に行かせてください』とお願いしました」と述べる。
イベントでは、3月5日に誕生日を迎える志尊をサプライズで祝福する一幕も。彼はクジラが乗ったケーキをうれしそうに眺め「手作業で作っていただいたので、 最後まで1人で食べたいと思います。どんな味がするか楽しみです」とほほえむ。最後に杉咲は「私たちはこの映画を撮り終えて、完成させたことに対して、清々しくやり切ったと手放しで思ってはいません。きっと議論が起こると想像していますし、その皆様の声を真摯に受け止めていきたい」と呼びかけ、イベントを締めた。
「52ヘルツのクジラたち」は全国で公開中。
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杉咲花が親友・小野花梨との“巡り合わせ”明かす、志尊淳はクジラケーキを前に笑顔 - 映画ナタリー
2024.3.1
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