1000年刻みの日時計・牧野村物語

センネンキザミノヒドケイマキノムラモノガタリ

製作:1987年(日本) / 配給:小川プロダクション

解説 東北地方の一農村に惹かれた小川紳介監督による「ニッポン国古屋敷村」に続く長編ドキュメンタリー作品。とはいうものの単なる記録映画ではない。山形県上山市牧野村に13年間もこもり続け、稲の成長や自然との闘いをつぶさに捉え、また土地に伝わる民話をドラマ仕立てで再現。そこに住む人々の大らかな生き方を愛情を込めて描いた、画期的エッセイ映画である。日々野良仕事に携わるものの目とリズムで、土の表情・稲の表情を克明に捉えた前半の撮影成果。職業俳優に村の人々を交えた配役に牧野村伝承の物語が、遠い記憶の原石のように荒々しくシンプルなスタイルでよみがえる後半の演出成果。土とともに生きるという空間軸に“1000年刻み”の時間軸を掛け合わせていくという、ロング・レンジで対象と取り組む小川監督ならではの壮大な試みだ。真のユーモアあふれる人間讃歌。

情報提供:ぴあ

スタッフ

監督:小川紳介

キャスト

土方巽
宮下順子
牧野村の人々
田村高廣
河原崎長一郎
石橋蓮司