アニメ「ゾンビランドサガ」シリーズは、突如ゾンビとして目覚めてしまった少女7人が、謎のアイドルプロデューサー・巽幸太郎によりアイドルグループ・フランシュシュを結成させられ、佐賀を救うため奮闘する物語。2018年に1期、2021年に2期「ゾンビランドサガリベンジ」が放送され、劇場版の制作も決定している。そんな「ゾンビランドサガ」シリーズより、2期の楽曲をたっぷり詰め込んだCD「ゾンビランドサガ リベンジ フランシュシュ The Best Revenge」が、9月28日に発売。2期オープニングテーマ「大河よ共に泣いてくれ」をはじめ、7月~9月に配信のオンラインライブで披露されたばかりの新曲「We are Fran Chou Chou!」「Beginning」「冒険ズンドコドン!」など、29曲が収録された。
コミックナタリーではCD発売を記念し、源さくら役の本渡楓、二階堂サキ役の田野アサミ、水野愛役の種田梨沙、ゆうぎり役の衣川里佳にインタビュー。「何が来ても大丈夫!」と語る「ゾンビランドサガ」への信頼から生まれた新曲の注目ポイントを聞いた。またアフレコ前から期待に満ちた2期の振り返り、「自己肯定感が上がった」というライブの思い出や、語り尽くせぬ“佐賀愛”も必読だ。
取材 / はるのおと文 / 佐藤希撮影 / 清水純一
「ゾンビランドサガ」は大人が変なことを真剣にやるコンテンツ
──アニメ「ゾンビランドサガ」は2018年に第1期、2021年に第2期が放送され、その後劇場版の制作も発表されました。多くのファンに愛され、大きく成長した「ゾンビランドサガ」プロジェクトですが、1期の頃と比べて作品への印象は変わりましたか?
種田梨沙 まず、ここまで長く関わらせていただけると思っていなかったですね……。オリジナル作品で2期まで作らせていただけるということがまずすごいことですから。誰も予想してなかったと思います。
田野アサミ アニメが“プロジェクト”と呼ばれるぐらい大きくなるとは思ってもみなかったです。作品の成長を大きく感じたのは、2019年に行われた品川インターシティホールでのライブ(参照:「ゾンビランドサガ」アイアンフリルも登場!ライブでアニメシーンを忠実に再現)ですね。あんなにたくさんの方々が応募してくれるとは思っていなかったですし、そのときに「これから先もこの作品が続いたらいいな」と思いました。
衣川里佳 PVに「MAPPA 10th Anniversary」と入れていただきましたし……。MAPPAの10周年を「ゾンビランドサガ」が飾っていいんですか!?とびっくりでしたけど。
本渡楓 そうでしたね。最初の頃は、ミスリードを誘うように、いろんな情報をあえて隠した状態でスタートでした。先行上映会のときにも、もし気持ち悪くなったら吐いちゃってもいいようなエチケット袋を配ったりとかしてましたね(笑)。
衣川 あったね。ミスリードを誘うように。最初はよくわからない内容だし、不安も大きかったんですが、今なら何が来ても平気ですね。「ゾンビランドサガ」ならなんでもできる!っていう安心感があります。
田野 でも驚くことが普通になってきちゃって、麻痺している自覚はあります(笑)。
種田 本当に(笑)。あとは、ここまでライブをさせていただくコンテンツになると想像していなかったよね。
本渡・田野・衣川 (うなずく)
種田 今ではライブのほうも楽しみにしてくださっている方が多いので、そこも2018年の頃には想像していなかった部分ですね。当時は「劇中歌がけっこうあるので、1回ぐらいはライブもやろうか」っていう程度だったと思います。人気が出るに従って、1回ではもったいない!と展望が見えてきたみたいですね。
本渡 すごいですよね……成長していくコンテンツです。
田野 そもそもゾンビがアイドルってなんなんでしょうって思いますよね。でも物語の謎が明かされていくのをファンの皆さんが待ってくれている感じがうれしいですし、ゾンビだからプレッシャーもないので求められるならやります!って(笑)。みんなでタッグを組んで、いい大人が変なことを真剣にやるコンテンツに膨れ上がっていきました。
ふるさと納税も佐賀県!キャストたちの“地元”愛
──物語の舞台となる佐賀県に対するイメージも変わりましたか?
衣川 めちゃめちゃ変わりましたね。最初は失礼ながら名前を知っている、ぐらいだったんですけど……えへへ(笑)。
田野 (サキの声色で)「ヘラヘラすんなよ!」……(笑)。でも、私たちも「地図のどーこだ」って当ててみようとしても誰もわからなかったし。本当に当時はごめんなさい!
衣川 みんなで佐賀に行ったしね。美味しいものや名所もたくさん知れて、今ではまた行きたい!と思える場所になりました。
田野 佐賀出身のキャストは誰もいないんですよ。なのに今では、「佐賀に行ったよ」「佐賀の物を買ったよ」って言われると、自分の故郷を褒められるぐらいうれしくて! 佐賀にふるさと納税をしたよっていうキャストもいたり。出身地じゃないのに佐賀を誇らしく思うようになりました。
本渡 うんうん。
種田 ふるさと納税した人、私です。
──返礼品は何を?
種田 お肉と苺と……本当にもういろいろですね。限定パッケージの「ゾンビランドサガ」Blu-rayも買いました。
本渡 そうでした! イベントなどで佐賀に伺うたびに、現地の方がどれだけこの作品を受け入れてくれているかっていうのを、空港からすでに感じます。キャラのスタンドがあったり、すれ違う人から「フランシュシュの人だ!」って声をかけていただいたり。そうして愛してくれる人たちのおかげでプロジェクトが成長できたのは間違いないと思います。
田野 うんうん。あと、嬉野を歩いていたら、町の商店さんが「ゾンビランドサガ」のポスターを貼ってくれていたんですが、それがもう日焼けしていて! まさしくゾンビみたいなポスターがたくさん貼ってあることにすごく愛を感じました。そのポスターの横に、さらに何枚も何枚も新しいものを貼りに行けたらいいなって思います。
──僕も以前、聖地巡礼したときにそのポスターを見かけました。
田野 心に沁みますよね? ポスターを見てこんなに泣きそうになることってあるかなっていうぐらいうれしかった。この先も何年も続いていくように、私たちは活動をしていかないとなって思わされましたね。
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開幕はまさかの社歌、反響を生んだ2期を振り返り