VIDESTA ハライチ岩井|「氷菓」「コードギアス」「攻殻機動隊」「カウボーイビバップ」コーデで新しい自分に

ハライチ岩井 インタビュー

服は“自分が好きだから着たい”でいい

──撮影お疲れさまでした。岩井さんがファッションのモデルをする機会って普段あまりないのかなと思うのですが、いかがでしたか?

モデルとしての撮影はやったことないかもしれないですね。やっぱり、どっか客観視してる自分がずっといて恥ずかしかったです(笑)。キメ顔が難しいんですよ。写真を撮った後、みんな集まってモニタで確認するじゃないですか。マネージャーがニヤニヤしててちょっとムカつきました(笑)。

──(笑)。今日は「氷菓」「コードギアス 反逆のルルーシュ」「カウボーイビバップ」「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」のアイテムを取り入れた4つのスタイリングを撮影させていただきましたが、1つずつ着用してみた感想を伺っていければと思います。まず青が爽やかな「氷菓」のTシャツはどうでしたか?

京都アニメーションが好きなので純粋にテンション上がりましたね。「氷菓」ってわりと温度的にしっとりとした作品だからか、こういうTシャツとかのグッズになっているのをあまり見かけないんですよ。だから貴重だなと思いましたし、デザインもオシャレで日常に取り入れやすい気がしましたね。

──「コードギアス」のTシャツはナイトメアフレームが大胆にプリントされていますけど、モノトーンなのでコーデにもなじんでいますよね。

そうそう。一見、ただのオシャレな模様に見えるというか。たぶんこれを手に取る人って、「コードギアス」のTシャツを着ているところを見せたいというより、純粋に自分が好きだから着たいっていう気持ちのほうが強い気がするんですよね。

──好きなものを身に着ければ自分の気分も上がる、と。

はい。僕、服ってそれでいいと思ってて。だからほかの人にはただの模様に見えていたとしても、自分だけが「コードギアス」ってわかるのはすごくいいなと思いました。

──では赤色のジャケットと合わせた「カウボーイビバップ」のTシャツはどうでしたか?

岩井勇気

「カウボーイビバップ」はどのシーンを切り取ってもめちゃめちゃカッコいいんですよ。今の人たちからするとレトロな絵柄でオシャレに見えるかもしれないですけど、あの時代は「カウボーイビバップ」って何もかもが最先端だったんです。僕は今でも純粋にそういう気持ちでカッコいいなと思いました。菅野よう子さんが手がけられた劇伴も最高だったんですけど、こういうTシャツの場面カットを見るだけで音が聞こえてくるような感じがしますね。

──なるほど。「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」のTシャツは全身をプラグにつながれた素子がデザインされていましたね。

「攻殻」も「カウボーイビバップ」と同じように、近未来が舞台になっているので、そもそもどこを切り取っても絵になるんですよね。特に「GHOST IN THE SHELL」は劇場版の1作品目ですけど、絵柄にこのシリーズならではカッコよさがあるなと思いました。

──それはどんなところで感じたんですか?

「GHOST IN THE SHELL」はやっぱり最新の「攻殻機動隊 SAC_2045」とかフル3DCGになっているシリーズと比べると、現代っぽくないキャラクターデザインというか手描き感があるんですよね。だからこそ、そのヴィンテージっぽさがオシャレだなと僕は思いました。

──目の付けどころが「攻殻」をずっと追っているファンという感じがしますね。

確か「VIDESTA」のラインナップに「STAND ALONE COMPLEX」と「2nd GIG」も入っていたと思うんですけど、僕はその2作品も好きなんです。「GHOST IN THE SHELL」と比べると絵柄が少しスッキリしていて、また違うよさがあるなと思います。「攻殻」の中でどのシリーズのTシャツを選ぶかで、「あなたはそれが好きなんですね」っていう会話の糸口になりそうです。

「攻殻」は大人の世界を見せてもらっている気分だった

──岩井さん、「VIDESTA」で取り扱っている作品はほぼご存知だとか。普段アニメはどれくらいのペースで観られているんですか?

1クールだと大体40本程度を第3話ぐらいまで見て、最終話まで追うのは25本くらいですね。倍速再生にすると全然頭に入ってこなくなるタイプなんで、通常の速度でしっかり観てます。

──その中で好きなジャンルはどれになるんでしょう。

僕は硬派なジャンルが好きですね。だからテレビ番組とかでアニメ好きって紹介されて、「何が好きなの?」って聞かれたときに困るんですよ。自分が本当に好きなアニメを答えても、たぶん番組側が求めてるアニメオタク像とはちょっと違うんだろうなと。やっぱりテレビ的にはキャラ厨というか、わかりやすいアニメオタクのほうが面白いと思うので。

──今日の撮影で着た作品の中だと、一番思い入れがあるのは「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」とか「カウボーイビバップ」になりますか?

一番というと「攻殻」ですね。「攻殻」は全シリーズ観てますし、今まで観てきたアニメの中でも好きな作品トップ3には入ります。

岩井勇気

──出会いはいつ頃だったんでしょうか。

小学生のときにレンタルビデオショップで「GHOST IN THE SHELL」を借りたのが最初ですかね。キャラクターたちがやってることや言ってることはよく理解できないんですけど、何かすごい大人の世界を見せてもらっているみたいな感覚があって。当時はめちゃくちゃ食い入るように観てました。

──全シリーズ観ているとなると答えるのが難しいとは思いますが、お好きなシーンを教えてください。

えーっと、どこにしようかなあ……。“鷹の眼”という義眼を持つサイトーってキャラがいるんですけど、「2nd GIG」で仲間たちとポーカーをしながら過去のことを語り出すんですよ。その回がけっこう好きですね。サイトーは公安9課に入る前、素子と一騎打ちをするんです。サイトーが素子のことをライフルで撃ったと思ったら、自分の弾は素子の頬をかすっただけで、素子が同時に撃ってきた弾に左眼をやられてしまう。実は素子は最初からサイトーの目をハッキングしていてすべてお見通しだったわけです。あそこにはめちゃくちゃしびれましたねー。

──素子がサイトーを公安9課にスカウトするきっかけとなったシーンですね。では、Tシャツにデザインしたいシーンという観点で選ぶとどうですか?

これも「2nd GIG」になるんですけど、公安9課があるパーティの警備を依頼されて、素子がスリットの入ったセクシーなドレスで潜入するエピソードがあるんです。そのときの素子がすごくキレイだったので、Tシャツにデザインしたらいいかもしれない。あとは「STAND ALONE COMPLEX」で荒巻がイギリスの友人に会いに行く回があるんですけど、そのときに素子が軍隊みたいな制服を着ていたんです。その素子もすごく作画がよかったので、選ぶならそこですね。

意味のないファッションアイテムは買わない

──ファッションの話に戻るんですが、実は今日着ていただいた4つのコーデは、靴をすべてドクターマーチンの3ホールシューズで揃えているんです。岩井さんがよく衣装で履いているのでスタイリストさんが取り入れてくださったんですが、お気付きになられてましたか?

あ、スタイリストさんに聞きました。実は今日たまたま私服でもマーチンの3ホール履いてきたんですよ。

──プライベートでも履くぐらいお好きなんですね。

まあ好きですけど、私服では半年ぶりぐらいに履きました(笑)。マーチンの3ホールは衣装さんがいつも持ってきてくださるんですよね。

──そうなんですね。岩井さんが以前あるインタビューで、黒いTシャツが色褪せたら自分で染めると話していたのを拝見して、割と身に着けるものにこだわりがあるタイプなのかなと思っていたんです。

岩井勇気

こだわりというか大事にしたいんですよね。20歳ぐらいのときの服をいまだに着てますし。いいものを買って長く着るとかではないんですけど、傷まないよう扱いに気を付けてます。Tシャツとかは自宅で洗いますけど、それ以外のものは全部クリーニングに出してますね。

──では服はあまり買わないんですか?

いや、買っちゃうんですけどね。捨てられないタイプなので、すごい増えちゃってます。

──服を選ぶときに、思わず手に取ってしまうアイテムはありますか?

アイテムとかではないんですけど、ポリエステルが入ってるかどうかは確認しますね。ポリエステルが入ってると傷みにくいんで(笑)。あとは縫製さえよければいいです。

──やっぱりそこが基準なんですね(笑)。

僕、服を本来の用途で着てるんですよね。服を服として。これうまく伝わるかなあ……?

──身体を隠して、防寒できるとかですか?

そうそう。オシャレだけのために着けるアイテムとかあるじゃないですか。そういうなんの意味もないものは買わないんです(笑)。

──あはは(笑)。

あとはTシャツだったら無地かバンドTしか買わないです。なんでかっていうと、服にプリントされてる絵とか文字ってどんな意味があるのかってわからないことが多いじゃないですか。なんか、着てるうちに恥ずかしくなっちゃうんですよ。変な言葉が書いてあったらどうしようとか、なんかの思想が込められてるんじゃないかなとか。

──常に第三者の目線を意識されてるんですね(笑)。

してますね。だから無地の同じTシャツを色違いで10枚ぐらい持ってたり、そのバンドが好きなんだっていうわかりやすいバンドTシャツばっかり選んじゃうんですよ。でも今日着たようなアニメTシャツとかは、それがどんな作品なのか、どんなシーンなのか自分がファンだったらちゃんとわかるので、今後服を選ぶときの新たな選択肢としていいかもしれないですね。

Tシャツにデザインしたいのは「Dimension W」の……

──今後も「VIDESTA」からは、バンダイナムコアーツがパッケージを発売している作品が続々とグッズ化されていく予定です。ここに商品化の可能性があるアニメの一覧を用意しましたが、発売されたらうれしいタイトルはありますか?

あえて「ギャラクシーエンジェル」とか、秋葉原全盛期だった2000年前後の作品がグッズ化されたら逆にオシャレなんじゃないですか? 「ああっ女神さまっ」とかも個人的にはたまらないです。あ、「電脳コイル」もオシャレになりそう。あとは「幽☆遊☆白書」ですかね。原作で印象的だった1コマなんですけど、仙水との戦いで幽助がキレたときの表情がめちゃめちゃカッコよくて。その幽助をデザインしたTシャツが欲しいです。

──たくさん出てきますね。

ちょっと渋いですけど、「Dimension W」のオープニングで主人公のキョーマが踊ってるシーンもいいと思います。全然踊りそうにないキャラクターなのに踊ってるのがなんかかわいいんですよ(笑)。

──最近のアニメだとどうですか?

最近だと「メガロボクス」とかうれしいですね。あと「さよならの朝に約束の花をかざろう」のラストでレナトっていうドラゴンみたいな生物が飛び立つシーンもキレイでいいかもしれない。

──今、岩井さんの前にこれまで発売された商品を並べさせていただきましたが、「VIDESTA」のアイテムは“飾っても楽しめる”ことをテーマにしていて、Tシャツがレコードやビデオケースをモチーフにしたパッケージに入ってるんですよ。

(ビデオケースがモチーフのパッケージを開きながら)ほんとだ、Tシャツが入ってるんだ。ビデオ世代としてこのサイズはすごく手になじみますね。コレクションもしやすそう。

──ちなみに岩井さんはあまりアニメのグッズを買わないタイプとお伺いしたんですが、その理由がグッズを集めているのをそのキャラクターに見られたら恥ずかしいからというのは本当ですか?

そうですね(笑)。

岩井勇気

──でも2次元アイドルとかのグッズはアリなんですよね?

はい。応援されることを拒まないキャラクターのグッズは持っていてもいいと思ってるんです。だけど「カウボーイビバップ」のスパイクとかになってくるともう一般人じゃないですか。一般人のグッズをたくさん持っていて、もしその人が家に来たときに気持ち悪いと思われちゃいません?

──スパイクは岩井さんのお家には来ないと思いますが……。

わかんないじゃないですか。だからグッズ収集はあまりしないですね。Tシャツとかワンポイントぐらいだったらいいんですけど。

──Tシャツなら大丈夫ということで、今日は最後に岩井さんが気に入った「VIDESTA」のアイテムをお土産に持って帰っていただこうかと。この中からどうぞお好きなものを選んでください。

いいんですか? ありがとうございます。

──Tシャツ以外にもバッグやアウター、小物も揃ってますよ。

バッグは撮影でも持たせていただきましたけど、これってレコードの形だったんですね。レイドジャケットなんてものもあるんだ……。いろいろあって迷いますけど、やっぱり撮影で着させてもらった「攻殻」のTシャツをいただいて帰ろうかな。

──タグを確認してますね(笑)。

綿100%です。

──ポリエステルは入ってないですけど、岩井さん的には問題ないですか?

はい。Tシャツは全然大丈夫です。綿100%だったら着心地がめちゃめちゃいいと思うので。