龍之介が“ただの変な人”にならないように（稲葉）

──女性3人は個性はありつつも、それぞれ共感できる部分のあるキャラクターなんじゃないかなと思うんですが、龍之介はかなり独特というか、癖の強いキャラクターですよね。

稲葉　そうですね。龍之介のような男性はなかなか希少だと思います。特に序盤のインパクトが強いと思うんですけど、後々出てくる彼のバックボーンがあってのノリだったりするから。“ただの変な人”にはならないように監督やプロデューサーさんと相談しながら探っていきました。ただ根本的には全然似てないので……（笑）。

──役作り、大変だったんじゃないかなと思います。

稲葉　女性への愛情も全身を傾けて表現するし、周りからどう見えるかじゃなくて、自分と相手がどう感じるかに注視している人物なので、そういった部分に寄り添っていければ、龍之介という人に共感していけるのかなと思って演じてました。

──ちなみに稲葉さんから見て、小春、ゆず、まどかの中で結婚したいのは誰でしょうか。

稲葉　えっ……。

柳　難しいよなあ。

浅川　私たちのことは気にしなくていいよ、龍之介の答えじゃないから（笑）。

稲葉　……小春かな。

一同　おおー。

島崎　そうなんだ。

稲葉　だってゆずはジョーが好きでしょ。まどかはちょっと重いんですよね。

浅川　そうな、重いな。

稲葉　オレにはちょっとね（笑）。小春との関係は、普通に自分がしてるような恋愛に近いと思うんですよ。ゆずとの出会いもけっこう特殊で、いろんな経緯があってのことだったりするし、まどかもスタートの事情があっての関係値じゃない？って考えると、シンプルに恋愛をしてるのって小春とだけだと思うし。

浅川　確かに。

柳　だからこそ尊いんだよね、この2人は。

稲葉　だから相手として一番イメージしやすいのは小春かな……と。あと気持ちをまっすぐ投げられるパワーがある女性がけっこう好きで。オレは変化球ばっかり投げちゃうから、ストレートを投げられる人にぐっと来てしまうフシがある（笑）。なので、小春でいきます。

浅川　でもうららが一番好きなんでしょ？

稲葉　（笑）。だってかわいいもん。みんな好きでしょ、うららは。オレが農家行くよって思ったもん。

一同　（笑）。

たぶん龍ちゃんは子供なんだよ、赤ちゃんなの（柳）

──では逆に女性陣に質問です。龍之介のような男の人はどうでしょうか？ かなり癖の強いキャラクターだと思うので、好き嫌いは分かれるんじゃないかなと思うのですが……。

稲葉　役を通して好きになり方を見つけてたりしそうだけど、そこはご本人ジャッジで。

浅川　役のことは一回忘れてね。

柳　龍之介ね……。

浅川　龍之介かあ……。

島崎　うーん……。

稲葉　……おいおい、誰かしゃべれ！

──即答で「好き」って人はいなそうですね（笑）。

柳　ちょっと持ち帰らせてもらって……。

浅川　年明けまでに……。

稲葉　いやわかるよ。好きとは言えないけど、もう嫌いとも言えないみたいな感じだよね。

柳　そうなのよ。魅力は感じなくはないけど、好きになれるかと言うと……。彼の抱えてる闇の部分が理解しきれないと思う、私には。かなり屈折してるじゃないですか。そういう人って魅力も感じるんですけど、近くにいるとこっちのエネルギーが吸い取られて疲弊しちゃうというか、自分も巻き込まれてしまう怖さがある。もっと若い頃だったらいいですけど、今の年だとちょっとつらいかなって……（笑）。

浅川　まったく一緒。私も親身になって一緒に抱えちゃうタイプだから、しんどいしんどいって、苦しい苦しいってなって、一緒にダークゾーンに沈んで行っちゃいそう。

──島崎さんはどうですか？

島崎　え、私は好きじゃない……（笑）。

一同　（笑）。

稲葉　ハッキリ言った！（笑）

島崎　龍之介って女性に追いかけてほしいタイプじゃないですか。それはちょっと違うかなって。結婚したからって女性を自分のものだと思っちゃう人は好きにならないと思う。

稲葉　結婚したからって関係値が約束されたわけじゃないぞと。

島崎　うん、いつまでもずっと女性を追い続けてほしい。

浅川　それ、全女の子の願望だよね。

柳　たぶん龍ちゃんは子供なんだよ、赤ちゃんなの。

浅川　確かに、こっちが4、50代になってたらかわいいって思えるのかもね。

稲葉　……なんか、オレも龍を抱えながらごめんってなってる（笑）。

世の中の女性って小春、ゆず、まどかの3パターンに分けられるんじゃないかな（島崎）

──ドラマの撮影中で印象に残っている出来事はありましたか？

浅川　みんなで八景島でご飯行ったよね。楽しかった。

稲葉　シーパラダイスで撮影したとき、施設内に飲食店があって。

柳　しっかりご飯食べた後に、私以外の3人がパンケーキ1皿ずつ頼んでて。稲葉くんは甘党には見えなかったからビックリした。

浅川　甘い生クリームたっぷりのやつ頼んでたよね。

稲葉　美味しかった……またああいうの食べたい。なんてことない話をしてたんですけど、そういう時間が自然に持てたのはよかったです。「ガールズトークってこんな感じなのかな」と思いながら話を聞いてました。もちろんオレがいなかったら、本当はもっとすごいんだろうけど。

浅川　いや、全然遠慮してないよ。

柳　してないしてない。普通に女子のつもりで「どう思う？」って話しかけてた（笑）。

浅川　女子の中にいても違和感ないと言うか、女性的な考えも男性的な考えも持ってる方だから、ナチュラルにしゃべっていた気がします。

柳　もう4姉妹だと思う。

稲葉　（笑）。いい意味でも悪い意味でも男として捉えられないっていう……。

浅川　空気清浄機だから。

──空気清浄機ですか？

稲葉　なんか現場の空気をいい感じに吸って出すって言っていただいてて（笑）。

柳　ひと現場に1台欲しい稲葉友。

──島崎さんも頷いてましたけど、そんな感じですか？

島崎　えー、そう見せてるだけじゃないですか？（笑）

稲葉　（笑）。

浅川　怖い怖い！（笑）

柳　ぱるちゃん悪いやつよ、それ！（笑）

稲葉　言葉少なに本質付いてくるところあるよね（笑）。オレは島崎のこういうところ大好きですよ、本当に。

島崎　（笑）。

──皆さんの仲のよさがとても伝わってきますね（笑）。では最後にドラマの見どころをお願いします。

浅川　プロデューサー陣が「ハレ婚。」のファンっていう絶大なる信頼があるので。作品を作るうえでこんなに信頼できることはないと思うので、各方面安心して観ていただけたらなと思います。

稲葉　ビジュアルもみんな寄せれるだけ寄せて、体現できるものは体現して、しっかり原作のキャラクターたちを再現できたんじゃないかと思ってます。原作ファンの方にも観ていただきたいです。

浅川　異色な作品ではあると思うんですけど、ドラマを観て自分の価値観だったり、今まで思い込んでいたことが変わるきっかけになったらいいなと思います。

島崎　世の中の女性って、大きく分けたら小春、ゆず、まどかの3パターンに分けられるんじゃないかなって思うんですよ。だから女性の方は、3人のうちの誰かに自分を当てはめて観たら面白いんじゃないかな。

柳　一見共感できなそうに見えてできるよね、絶対。食わず嫌いはもったいないと思うので、「ハレ婚ってどう思う？」って言いながら観ていただけたら楽しめると思います。

稲葉　いろんな楽しみ方ができる作品になってますので、ぜひ楽しんでください。

TVドラマ「ハレ婚。」

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